どいつもこいつも その2
クイーンに化かされた只のバカ騎士。
凛々しい見た目だけど臭い。
何が臭いかって?
元彼臭プンプンするヘタレ男の臭いがするの!
まぁ最高権力者一族の王子が居るから、クイーンにとってバカ騎士はどっちにしろ一番にはなれないのよ。
ふふふ。二番手以下、ふふふ。
大学でもクイーンの周りに侍っていたバカ男どもと同じよ。
たまにクイーンの気が向いた時か、本命がキャンセルになった時の代替え要員で補欠。
つまりスペア。
でも認めてもらいたくて、クイーンに寄ってくる男は蹴散らして、貢ぎ尽くし俺一番をアピールするんだよね? 自分は使える人間です、俺の事を構って!ってね。
犬と一緒。
そこまでする価値があの女にあるか?
何故そこまでどハマりするのだろう?
ずっと不思議だったのよ誰か教えて(容姿なの、テクなの?名器とか?性格は超悪そうだよ)。
*** ***
私は、怪我は治ったがココを出れない(軽く軟禁状態)ままである。
現在、案内人(監視人?)付きで、たまに宰相様に呼ばれる様になっていた。
目立たない様に此方の簡易ドレス(と言っても金持ちの商人の娘程度の物)を用意してもらい、宰相にご機嫌伺い的な?陳情するテイをとって、ひっそりと移動している。
なのに何故か、城の廊下で会いたくないやつに頻繁に会ってしまうのよね。
バカに会うのはなんでだろう?
人通りの少ない所を宰相様は選んでいる筈なんだけど‥異世界人とバレたら何をされるか分からないので私の存在は極秘なのよね?
私の移動情報が漏れているとかおかしくない?
「不細工は何人の視界に入ってはならないと知っているか?なぜお前が未だに城にいるのだ?女としての礼も弁えないならばせめて影を歩け影を」
「臭うと思ったら不細工が居るぞ」
「臭うぞ!臭いぞ!そこの異世界人、とっとと城から出て行け臭くてたまらん」
「目障りこの上ないな。みっともない面とその格好でうろつくな」
「聖女様の姿は優雅なのにとても同郷とは思えん。彼の地でも位の差があったのがわかるぞ。貧乏人ではマナーを説いても詮無いが‥女として酷過ぎる。どうにかしろ」
何このdisりかた。
そして会うたび邪魔だと突き飛ばされ、小突かれ昨日は足を掛けて転ばされた。
確かに、少しだけ良い生地の質素なロングのワンピースに、リュックしょってる黒髪短髪女という見た目は、此方の方々からしたら何か一言言いたい様な格好ではあるかもしれない。
でもその辺を歩く侍女さんとあまり差はないと思うのだけど?
それに目立たない時間やら、人の目につかない通路を使って移動している筈なのになんでコイツに会っちゃうの?
案内人もバカの方が位が上なのだろうが、命令系統は宰相様だから、せめてやめて下さいと一言あっても良いだろうに、何も言わずに私を庇いもしない。
すっ飛ばされても大丈夫ですか?の声掛けもないのよ!
私が宰相様にその事を言わないから、これ幸いと無かったことにしているのか?はたまたバカ騎士の邪魔をするなとの別指示が出ているのか?
敵は誰なんだろうね〜。
*** ***
バカが何かを言いたいのはわかるよ。
こっちの人と私は違いすぎるからね。
私が見た限りこの世界で短髪の女は居ない。
侍女さん達は皆髪を纏めて、布で髪を覆って仕舞って居るので、おそらくロングかセミぐらいはあるのだろう。男性も皆ロングで後ろで一つに纏めているのが此方のスタイル。
バカ騎士も当然纏めている。
私は髪をかきあげるくらいの長さはあるが耳は出ちゃってるし、襟足はバッチリ見えるくらいには切ってる。
ザ・部活してる女子な容姿なんだけど、こっちらは騎士でさえ後ろで一纏めするロングスタイルで、下男でも肩にかかるぐらいには長髪だから、私のヘアスタイルはこの国では異様なんだよね。
でもさ、ロングは乾かすのに時間が掛かるし、抜け毛が目立って掃除する気が失せ無い?風呂の排水溝とかもうスプラッタじゃん。女友達が泊まりに来た後とか溶けて無くなる塩素系洗剤は大活躍よ。(にしてもあの子は抜け毛凄すぎ)コロコロしてもしても長い髪が出てくる出てくる、っとに嫌になるもん。
私は中学から部活の延長でずっとショート、それが楽。
速乾で掃除楽!小僧の様な短めカットから流石に大学生になったからと、雑誌に載っているお洒落な芸能人のショート参考に美容院いってるのよ、これでもね。
確かにあなたのクイーンは、綺麗に編み上げた美しいロング髪と合わせて豪華なドレス着て優雅に王子様にエスコートされているものね。
こっちに来た時もおそらくブランドもののスーツにシフォンのブラウスで甘辛系皇族子女です的な、いつもと違う格好だったわ。
対して私はジーンズにパーカーだった。(学生会の部室の掃除があったのよ)それも私が侮られた要因だわね。安い格好をしていたからバカにされたんだよねきっと。
それと、言っておきますが現在も当時も毎日お風呂入ってますから臭くはナイ!
ドレスもこの世界の消臭の草?で燻してもらっているから毎日洗濯は出来ていないが臭く無い!
下着も毎日変えてるし!自分で風呂の時に洗濯しているもの!ついでに風呂掃除もして生活環境は清潔にしてます〜!
見目が劣ろうとも清潔第一は私のモットーだ!バカにするな!替えのワンピースも三着も貰ってるから臭わない!
確かにバカ騎士は顔だけは(迫力あるけど)お綺麗よ、イケメンの部類だよね。
でも騎士の品格は何処ぞに落としてしまっまたのねー
私はこの国がいくら男尊女卑気味の格差世界であろうが、体格差のある非力な女に対して暴力暴言を振るう男などに、礼を執るつもりはこれっぽっちも無い!
この国の貴族がナンボのもんじゃい。
もう何度も転ばされて頭にきたので、小学生の頃にいじめっ子に言っていた呪文を、真剣に呪ってやった。そう、今日こそ呪う!
《ハラキュルキュルピーデ、モラセ》
なんも効力の無い私の気休め呪文だけど、声に出せば多少私の心の闇は消えてくれる。
吐き出すのよ、この黒いモヤモヤは身体に良くない!
あれ?急に蹲り腹抱えてバカ騎士が青くなっていなくなったわ。
若干内股の小走りだった後ろ姿がオカマちゃんでチョー笑えた。
どうしたの?
もしやマジで腹が痛いの?
タイミング良すぎー。
ケツを締めまくって歩くのも大変よね。ちょっとのミスでプリッってプリッて出ちゃったら‥もう大変!!
だって近衛の騎士服って上着は空色の青だけどパンツは白だものね。
何かが付いちゃったら大変、アレは目立つよね〜パンツ白だからね〜。
その後も懲りずに事あるごとにバカ騎士に嫌味、嫌がらせ脅しを受けるし、狙った様に私の移動場所を嗅ぎつけて来るんだよ。
クイーンがそばにいるわけでも無いのに私を虐めに来るとか‥
近衛って暇なんだね。
バカ王子に付帯しなくていいの?
君、近衛だよね?
仕事しろよ。
*** ***
「仮にも女として恥ずかしく無いのか?ズタ袋背負ってまるで難民だな。
化粧もしないで外を歩くな。それでも女か!」
またかよ‥
もうさ、自己否定は彼を取られた時に地味に味わったからもうお腹いっぱい、いい加減にしてくれるかな?
私の何がダメだったか考えて、容姿が劣るとか社交性無いとか、女らしさが無いとか?
自分を否定しまくる海にどっぷり浸かったさ。
仕返しはしたがすっきりせず、自己嫌悪のしんどい数日を味わったんだよ。
あの海にはもう戻りたく無い。
「彼女?ちがう違う。あんな身形を気にしないで化粧も満足に出来ないやつを女として見てないさ。君みたいな人を魅力的な女性と言うんだよ」
チッ
元彼の言葉がフルで浮かんだ。
私一度聞いた言葉は意識すると一言一句忘れないの。いや、忘れられないの‥
あー思い出すだけで胸糞が悪い。
薄いけど化粧はしとるわボケ!
顔がいいくせに身形を気にしなかったのはお前の方じゃ!
教授の学会にお手伝いで行った時に高級ホテルに高校ジャージとTシャツ(それもクラスTで3年G組小田学級参上とか書いてあるやつ)着てて引いたわ!せめて大学ジャージでしょ此処は!
有名進学高校のジャージをアピールしたいの?いやもう大学アピールした方が上でしょ?
でもまぁ金持ちお坊ちゃんで、賢い子しか入れない高校だもんね。それをアピールしたいわけね?
「急な呼び出しだったし‥暑くてさ」
なんて言い訳にもならんガキか!
それと、お手伝い頼むからと前日連絡来たよね?(流石に高校ジャージは外出着にしたらあかんやつ〜)教授にTPOちゃんと考えてよ成人してんるのだからとお小言言われて落ち込んでいる隙に、急いでスーツ借りて整えてあげたのって誰だった?
私でしょ?
あっ!
あの時のスーツレンタル代まだ貰って無かった。バックれじゃんよ〜ホテルのレンタル代はそこそこしたし、現金なくてカードで払って後から支払い大変だったのに〜
この世界からじゃ請求もできないじゃん、あのフィギュアじゃ足らん。
詐欺と名誉毀損?兎に角民事で訴える事出来たんじゃない?
チッ
クソ寄生虫男め。
金持ちの家のボンなのに私にたかる事しかしなかった男が何を言う!だよ。
あー私だけ損って、ないわー。
せめてもの救いは病んで勃たないらしいという噂が流れた事。真実であってほしい。
あぁカレーも食べられなくなったとか?
ふふ、好きだったのにね〜。一番好きなカレーを身に纏えたのにね。大好きな熱々チーズを添えて。
「人間としてあり得んのはお前の方じゃクズ男!一生中折れで役立たずでいろ!貸したもの全部返せ寄生虫め!」
フーフー!
いかん、バカ騎士が元彼バカとリンクしちゃった。落ち着け私!
あの自己嫌悪の暗い波音聞いちゃあかんヤツ。
今落ちている時間は無いの!ここで生き残らないといけなんだってば!
フー
フー
素肌感、清潔感大事。
ここは平日の城なの、夜会でも無いし茶会でも無いの、私は貴族の子女でも無いのだから、飾る必要を感じ無い。
“薄づき清潔なメイクです”
が私の信条ですから!
バカ騎士といい王子といい、男ってまじバカだ。
この世界の女は素顔がわからないほど厚化粧をするのが常らしいよ。
貴族は表情を気取られてはならないからあのメイクなんだって。(アンナちゃん談)
クイーンだって、男を馬鹿にしている表情を気取られないため、元からあの厚塗りメイクなんだよ。
それに騙される男はあっちの世界でもこっちでも同じだね。
確かにスタイルは良いけど、爆乳なのにウエスト細いけど、適宜ってあるじゃん。
バランスとか‥
どれも私に無い物だから、しょうがないけど、私は男を地位とか金を持っているなどの外見で取っ替え引っ替えしない。
人のものを取りもしない。
好きな人には一途で尽くすよ。
尽くしすぎてバカを見たけど‥
心では罵詈雑言と過去リプレイして引き戻り、怒りをバカ騎士にぶつけるが、実際声を出して言えば殺されるだろうから、無言で無視してます。
この前はボソッと
『ハラクダシヤロー』
と言ったら睨みながら向かって来て、聞こえたのか!殺される〜ってビビったら、私を通り越して小走りで後方にあった御不浄へ入っていった。
えーい紛らわしいってのよ。
まじ殺されるって焦った私のバクバクを返せ。
バカ騎士はお腹が緩いんだね。
私、常備薬は欠かせない人なんだけど出ない方だからさ、止めるのは持ち合わせが無いの(赤い玉は下痢止めじゃないのよ整腸用なの。下痢はね出し切った方が良いらしいから止めちゃいけないんだよ。
で、まず食生活やら生水飲まないとかの生活改善した方が良くないか?)
私はここの水は完全に煮沸したものしか飲みませんよ!




