表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妖精カフェ  作者: 星村直樹
火龍王のタマゴ
30/96

戦争を止めるために

「あー、びっくりした」

「ちょっと京爺、ちゃんと説明して」

「私も」

「黒鉛の門って何?」


「おっ、お、いや」

みんなで詰め寄ったので、両手を前に出して、京爺がたじたじになった。


「皆さん、昆布茶を飲んでからにしませんか」

 サーヤが、仲を取り持ってくれた。 


 サーヤを含めて、みんな、火龍王のタマゴが盗まれたことを聞かされた。それも、昨日会った、火龍王とリクシャン王妃の心痛を思って気が重くなった。


「それで、さっき、サーチしてたんだ」


「ごめんね。口止めされてたんだよ」

「水竜王様は、全部お見通しだったみたいだけどね」


「ええか、みんな。水竜王の予測によると、火龍王のタマゴは、千里の世界に隠された。これは、とてもありそうなことなんじゃ。黒鉛の門と言うのは、エリシウム山にある千里の世界と繋がっていた次元門じゃ。わしが閉じてしまったがな」


「私の世界に、タマゴを隠したの?」

「エリシウム山って、おじさまのお城がある山でしょう」


「そうじゃ。わしも、水竜王が言うように、千里の世界で、火龍王のタマゴを探せるのは、お前らしかおらんと思う。サラ、さっきは、アララテ海が見えたんじゃな」


「そうだよ」


「これは、みんなで、千里の世界に行くしかないわね」

「そうしましょう」


「ええか、レビアタン」


 京爺がサラにそう言うと、サラの首にあるリボンのルビーの中の目が、キョロっと動いた。


 ウィンディとアクアとサーヤが驚く。


「もう、大人しくしとらんでもいいぞ。どうせばればれじゃ」


― 話は聞いたが、わしの神通力は、パグーだからこそだろ。異世界で通用するとは思えん


「しかし、3人の後押しだけで、アララテ海じゃぞ。ヒイラギが加われば、千里の世界でも、それなりになるはづじゃ。戦争は、少し様子を見れないのか」


「今回のことは、わしの先走りからくるものだ。だから、少しは、先延ばしに出来るだろうが、これは、元々、行おうとしていることなのだ。だが、竜宮城にタマゴがないことは、分かった。タマゴは、サラに任せる」


「すまん、無理やり言わせて」


「リクシャンも、サラに任せる」

 サラが頷く。


 話が終わったと思ったサーヤが、火龍王に挨拶した。


「火龍王様、サーヤです。一度、火龍王様とリクシャン様にお会いしとうございます。よろしいでしょうか」


「海の大将軍の娘が、謁見にか。なんと豪気な。海王が良いと申すなら、我々に顔を見せてくだされ。リクシャンが喜ぶ」


「ありがとうございます」


 京爺が釘をさした。

「すまん、サラのリボンのことは内緒じゃ。大騒ぎになる」


「水竜王様が、アクアの直訴を認めた件だけでは、謁見の話に飛躍できません。説得は難しいと思います」


「わしが付いて行くか」


 サーヤは、京爺と連れだって、海王の所に行った。その後、ウィンディとアクアに、「もっと詳しく話しなさいよ」「そうですわ」と、詰め寄られて、隠していたことを謝り、全部話すことになった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ