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妖精カフェ  作者: 星村直樹
火龍王のタマゴ
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火龍王のタマゴを探せ

 現在精霊界は、火竜と水竜の戦争に翻弄されていた。擬人化人である竜人は、龍族であるにもかかわらず4精霊の枠に属してはおらず、4大属性の竜全士族と交流があり、この戦争が起きる前から調停役を任されていた。惑星全土を統一しようとする火竜族と、この多種多様な種族のまま、宇宙に進出するまでお互いに繁栄すべきだと主張する水竜族。この二つの思想のぶつかりは、火竜、水竜のテリトリーで暮らす4大妖精や擬人化人にまで広がった。

 土竜と風竜は、元々、惑星全土に生活圏を持っていて、土竜が地中、風竜が天空と棲み分けがはっきりしているので、いがみ合ったことはない。それは、地上を支配している火竜と、水中を支配している水竜も同じことだった。


 ところが、異世界から来た魔術師が、火竜をそそのかした。火竜は、地中から噴き出るマグマに耐性があるし、羽があるから、空も飛べる。しかし水中だけは、とても活動能力が落ちていた。活動能力が落ちると言っても、火竜も水中で息ができる。「火竜は、4大竜のテリトリーすべてに行ける。だから、この精霊界を統べることができるのではないか」と、提案したのである。要は、『魔力ではなく、暴力で、精霊界を統一できる』と、そそのかしたのだ。


 悪意ある魔術師の甘言を聞いた火龍王は、そんなのは当たり前だと、鼻で笑い、異世界の魔術師を相手にしなかった。しかし、それは、火龍王の王子となるタマゴが盗まれるまでのことだった。タマゴが、水竜のテリトリーに有るのではないかと決めつけた火龍王の苛烈さは、常軌を逸していた。後ろで、火龍王に甘言した魔術師が、暗躍しているのは間違いないと思われるのだが、魔術師を追い詰めるだけの証拠がない。地中や空中と違い、火竜にとって、ほとんど隔絶されていた水中の世界は、火龍王を疑心暗鬼にさせるのに十分だった。だから、盗まれたタマゴの消息が、はっきりするまでは、この戦争を即停戦させることは不可能だ。森の大樹に住まう擬人化人の龍王は、妖精カフェにいる敵の魔術師と同等以上の力を持つ宵野家の末裔に、タマゴの捜索を依頼することにした。


 宵野千里は、まだ、高校を卒業したばかり。つい先日まで、魔法の魔の字も知らなかったひよっこだ。しかし、妖精カフェで働き出したその日に、4大精霊と契約してしまった。千里と契約した妖精たちは、魔力の塊のような火、水、風、土の、4種族の王家の姫。千里は、とても強力な力を秘めた魔法使いになったのである


 敵である、魔術師の意図が良く分からない中で、タマゴの捜索をするのは、とても危険をともなう。4大精霊と契約した千里が、その仕事にうってつけなのだが、千里は、精霊界を全く知らない。そこで、森の大樹の龍王は、すべての竜族に顔が効くのを利用して、まず、千里を4大竜王に紹介することにした。急ぐのは、火龍王と水龍王。妖精カフェのマスター、大海博史と、その師匠である京爺は、これに同意。千里は、事情を知らされないまま、精霊界である惑星パグーを引っ張りまわされることになる。こうなることに、博史の嫁であるアンナは、強烈に反対したが、平和のためだと押し切られ、一計を案じることになった。

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