温泉
本日のお話をよろしくお願いいたします
「 ふわぁーーーー 」
とっても大きな湯船に、丁度良い湯加減。
そりゃあ思わず声も出るよね。
さっそくなので旅の疲れと垢を落とすべく、みんなで仲良くお風呂に入ることにしたよ。
流石は高級な宿屋だけあって、本当に大きなお風呂が部屋についている。
さっきマーサ達が見つけて喜んでいたのが理解できる、だって本当に大きいし豪華だもの。
しかもここのお湯、ただのお湯じゃない
立派な浴槽には常にお湯が張られていて、贅沢だなぁと思っていたら・・・
色は無色透明だけれどと独特の肌感覚・・・ そうこの世界に来て初めての温泉なのだ。
クレイファ共和国には火山があって、温泉もあるという話は聞いていたのだけれどここでは入れるとは思っていなかった!
しかも源泉掛け流しと言う贅沢さ!!
お湯自体には独特の匂いがないことから硫黄泉ではないようだ、まぁそんなに温泉とか詳しくないので良く分からないというのが正直なところ
試しに少し口に含んだら苦みがあるけれどこれって飲めるのかな。
『 御主人様 これは地球で言うところの硫酸塩泉の一種です 飲用可で便秘等に効果があります 』
さすが知恵の女神ミーネさんだ、特に飲んで効果がある部分は女性陣にこっそり教えてあげてねと伝えました。
ほら女性には色々と悩みも多いでしょ きっと。
ちなみにこの世界ではお風呂自体が庶民に縁遠いもので、ましてや温泉はその存在を知らない人の方が多い。
もちろんクレイファ共和国では他国より認知度は高いようだけれど、公衆浴場は無くてこういった高級な宿屋か金持ちが道楽で設置しているもの
あとは、治療目的の施設がある程度らしい。
温泉に治癒効果があるのはこの世界でも一部の人には知られているとのこと。
『 あと、このお湯には魔素が含まれていますので、実際に魔力回復には役立ちますよ。 ただレウィには毒になりますので注意が必要です 』
『 うん、レウィは眠ってるよ。 でもフェオには注意しておかないとね 』
普通の人には魔力回復の役に立つだろうけれど、先天性魔素排出不全が解消されていないレウィには毒になるから入浴は禁止だ。
ミーネさんのお役立ち情報は助かるなぁ。
『 フェオさんにはすでに伝えてありますので 大丈夫です 』
『 さすがミーネだね 』
まぁ間違ってもレウィは入らせない様にみんなにも伝えよう。
「 リックぅ お風呂大きくていいねぇ しかもみんなで入れるなんてすごいよぉ 」
体を洗い終えたマーサが浴槽に入ってきて僕のそばにくっついてきた。
腕に当たる感触はとても柔らかいのだけれど弾力も見事だ。
なんかまた大きくなった?
「 うん しかも温泉だからね 」
「 あたい初めてだよぉ 気持ちいいなぁ 」
マーサもすっかりお風呂好きになったようで嬉しい限り、みんなで住む家には絶対大きい風呂が欲しいと常々言っているくらいだからね。
「 姉様、しかもこの温泉は美肌効果があるそうなのですよ。先ほどミーネさんに教えていただきましたわ 」
「「「「 美肌!? 」」」 ニャ 」
今まさに入ろうとしていた、フェオ、ユーン、ノエルの声が僕の隣のマーサと被る形で聞こえたかと思うと湯船の人口密度が一気に上がった。
女子は美肌って言葉に敏感に反応しています。
美肌に喰いついたマーサは具体的な話をセオに問い詰め始めている 今でも十分綺麗だけどなぁ。
女性の美に対する欲求は凄いね。
しかし全員で入っても湯船にはまだ余裕があるので、いかに大きなお風呂かという事がよく分かる。
マーサがこのサイズを将来的に自宅に求めてきたら・・・ うーーん 頑張らないとなぁ。
そういえば念のためにさっきミーネが言っていた事をみんなにも聞いておいてもらわないといけないなぁ
間違ってもレウィをこの温泉に入れちゃいけないってこと。
治癒効果があるなんて言うと良かれと思ってしまいそうだしね。
「 フェオ それにみんなも、もう聞いてると思うけれどレウィにはこのお風呂ダメだよぉ 」
「 はい、残念ですけど次の機会をまちます。 眷属になれば大丈夫とも言われたし 」
少し残念そうだけれどこれからいくらでも機会はあるだろうし大丈夫だ。
「 いつごろ眷属に出来るのでしょうか フェオ姉様のためにも早くして上げたいですね 」
ノエルがフェオを見ながらそんなことを言いだした。
「 もう少し体が育ってからが良いですわね そう・・・ もう一回り大きくなってからくらいかと 」
セオはミーネと色々打ち合わせてくれているようで、レウィの体調も見ながら時期を決めてくれているようだ。
「 セオ姉様、本当にありがとうございます 」
「 可愛いレウィのためだもの当然よ 」
フェオの言葉に優しく返すセオの温かい返事、温泉も温かいけれど、うちのお嫁さん達はもっと温かいなぁ。
なんかとってもほっこりした。
およみいただきまして感謝感謝でございます




