捜索願
こんばんは 本日の投稿でございます。
「 さて、今日は情報収集と買い物の日だよ 」
美味しい朝ご飯を食べてから、部屋でお茶を飲みながらみんなに今日の予定を披露しています。
ちなみに朝ご飯は部屋まで持ってきてくれました。
メニューは野菜とソーセージの入ったスープにライ麦パン、さらにオムレツと小さなエビの焼き物。それとたっぷりの果物まで、足りないようでしたらお申し付けくださいとまで言われてしまいました。
もちろんみんな大満足です。
「 情報収集は主様と私で出かけますので、姉様とユーンは予定通り買い物をお願いしますね 」
「 フェオはノエルさんとお留守番してます 」
昨日の夜にさんざん揉めた挙句に決定した役割分担だ。
「 フェオさん、すみませんよろしくお願いします 」
ノエルさんがフェオに頭を下げている。
「 フェオは一生懸命ノエルさんを護衛しますよ!! ご主人様のお願いですから頑張ります 」
フェオが力強く拳を握っているけれど、そんなに気負わなくていいと散々言い聞かせたのだけどなぁ。
元々身体能力の高い獣人の上に、トォーニ様からの祝福も頂いたので基礎能力は相当に向上しているはず。
そこへもってきて鍛錬を欠かしていないので急速に強くなっている。
セオも丁寧に色々と教えてあげているので護衛としては十分な実力になりつつある。
魔法も上手になったしねぇ。
「 マーサ姉様ぁ 買い物も大事な役目ですよ 昨日リック様のお言葉に納得したじゃないですかぁ 」
「 だってよぉ ・・・ 」
「 マーサ なるべく早く帰ってきて抱っこしてあげるから 我慢ね 」
少し拗ねているマーサに優しく声を掛けると、パーッと表情が明るくなる。
「 ホントかぃ 約束だよぉ!! じゃあ ユーン買い物に行くよ さぁ早くいって早く帰るよ 」
あっという間に元気になって、ユーンの手を取って出て行こうとするマーサ。
「 あーん マーサ姉様ぁ まだですニャ!! お茶が熱くて飲めないのですニャン 待ってください 」
ユーンは文字通り猫舌なので、一生懸命にお茶を冷ましていたのだ。
「 早くしなよぉ なんならあたいの魔法で冷ましてあげようか 」
マーサが掌の上に魔法で氷をあっという間に作り出した。
すっかり魔法が上手くなったなぁ。
「 ダメですニャ そんなのいれたら冷たすぎますニャーン 」
やっと冷めたお茶を大事そうに抱えて、氷を入れようとするマーサから逃げるユーン。
賑やかないつも通りの朝の光景だ。
それを見ながら嬉しそうに微笑んでいるノエルさんが印象的だった。
「 主様は姉様に甘いですよね 」
「 うーん それは僕も自覚ある 」
あの後、追い立てる様にマーサに促されて情報収集へ出発。
早く帰ってこいとのことだろうね。
「 私も可愛がってくださいましね 」
珍しくセオが拗ねたような甘えたようなことを言ってくる。
「 うん、セオが良い子だから負担が多くてごめんよ 」
そうなのだセオは能力も知識も飛び抜けている上にしっかりしているのでつい色々と任せることも多いし、我慢させていることもあるのだろう。
「 いえ、私は・・・ 」
セオは僕に我儘を言うことも殆どないし、それこそ命じたら何でもしてしまう子だ。
だからこういう時くらいは甘えさせよう。
言葉を繋ごうとしたセオを抱き寄せて、唇を重ねてしまう。
「 ・・・ ぁぁぁ はぁ ぁ 主様ぁ・・・ 」
長めのキスの後に、ゆっくり唇が離れると、セオは上気した顔をこちらに向けてしっかり抱き着いてくる。
「 いつもありがとう・・・ セオ 」
「 あい・・・ 私のこの身も心も全て主様に捧げております・・・ 」
「 よ!! 色男 」 「 熱いねぇ お二人さん 」 「 朝からたまんねぁなぁ チクショーーー !! 」
「 え !? あぁぁぁ !! 」
周囲の冷やかしの声に、一気に我に返ったけれど・・・ ここ 街中だ!!
「 主様ぁぁ もっと構いませんわ はぁぁぁ 」
セオは全然人目も気にしていないようですが・・・ 僕はこんな衆人環境の中ではこれ以上むりぃぃぃぃぃ
「 失礼しましたぁぁぁ!!! 」
まだモジモジしているセオの手を引いて、一気に人だかりから脱出しました。
すっかり見世物になっていたようです・・・ あぁぁ 恥ずかしいぃぃ
「 幸せになぁ 」 「 あぁぁ 俺もあんな彼女欲しい!!!! 」 「 リア充 氏ねぇぇぇぇぇ 」
真っ赤になって走る僕の後ろからは色々な声が飛んできていました。
多少物騒なのも有ったけど、それどころじゃない。
***** セオの心中 *****
あぁ 主様にキスしていただけましたわ!!
もっといろいろとしていただけても私は全然構わないのですけどぉ 残念ですわ
見ず知らずの人に見られながら主様の精をいただく・・・
あぁぁぁぁ 考えただけで燃えますわ
でもぉ きっと主様はお優しいので私を気遣ってくれたのですね
主様は私達の裸身を他人に見せるのは好まないようですから。
あぁぁぁぁ 主様に所有され、独占していただける・・・ なんと甘美な事なのでしょう。
私の髪の毛一本に至るまで全ては主様の物。
あぁ愛しい主様・・・ こうして私の手を引いてくださっているだけで・・・ はしたなくも気を遣ってしまいそうですわ
はぁぁぁぁぁ ぁ ぁぁ 主様ぁぁっぁ
「 ごめんねセオ、つい街中だってこと忘れちゃった 」
「 は、 はぃぃ あぁぁ ・・・ 」
何かセオが真っ赤で息遣いも荒い、大丈夫かな
「 大丈夫? ごめんね引っ張りまわしてしまった 」
「 い いえ・・・ だ 大じょゆぶ いえ 大丈夫ですわ 」
『 ・・・ 女たらし・・・ 』
なんかミーネがぼそっと呟いた気がしたけれど 今はそれどころじゃないね。
セオは何かモジモジしているし
「 具合でも悪い? 宿に帰ろうか? 」
「 いえ とんでもありませんわ 少し驚いてしまっただけで お見苦しいところをお見せしました 」
「 うーん セオはすぐに無理しそうだからなぁ 」
まぁ今回は僕が後先考えずにキスなんかしたからいけないのだけどね。
「 本当に平気ですわ さぁ情報収集に参りましょう 」
すっかり立て直したようで、いつものセオに戻っている。
「 じゃあ行こうか 」
まず僕らが向かったのは衛兵の詰め所。
口実としては街道で拾った装備と身分証の提出。
これは実際に街道で見つけた物、まぁ新しく開発できた電子魔法〈金属探知〉を使ったから簡単に見つけることが出来た。
恐らくは以前に行き倒れになった旅人の短剣と装飾品に身分証。
遺体は動物に荒らされていたから、土魔法で穴を掘ってから埋葬しておいた。
「 これが全てです 遺体は埋葬しておきましたので、これがおおよその場所です 」
「 感謝します、あの街道は通る人も少ないので貴兄が見つけてくれなければ発見は困難で有ったでしょう 」
衛兵の詰め所で、遺品と埋葬場所のメモを渡すと奥から責任者らしき人が出てきて対応してくれた。
行方不明者の名簿と突き合わせて遺品を遺族に渡す手配をしてくれるととのことだ。
身分証には行商人と書いてあったので、きっと家族もいることだろう。
「 せめてご家族の元に遺品が届けば、故人も心安らかに黄泉路に旅立てることでしょう 」
「 身分証からしてこの町の行商人であろう、遺族に成り代わって感謝する 」
衛兵の隊長らしき人からは身分証以外は報酬として受け取る権利があると言われたが、遺族か関係者の手元に届けて欲しいと願い出てある。
僕らがそんなやり取りをしている間に、セオは目当ての物を確認していてくれていた。
それは詰所内に張り付けてあったノエルさんの捜索願だ。
やはり出されていたようだ。
セオがそれとなく若い衛兵から聞き出したところ、ノエルさんは誘拐されたことになっているようで
各国に捜索依頼が出されているようだ。
なんと目撃情報にも賞金が出されているようで、有力な目撃情報には金貨2枚、発見につながった情報には金貨10枚。
発見して保護すればなんと共通金貨100枚とのことで、あちらこちらで賞金稼ぎが目の色を変えて探し回っているとのこと、さらには偽物を立てて金をせしめようとする連中が後を絶たないらしい。
当然だが、貴族の子弟となっており凛々しい男性の似顔絵が捜索願にはつけられていた。
まぁ女性ということは公になっていないしね。
本日もお読みいただきまして、本当にありがとうございます。




