農民がウォーターメロン
この川は相変わらず静かだ。
たかしとの文通を始めてから、10日ほど経った。
この10日間でたかしに色んな事を教えてもらった。
平成時代は俺たちの時代より、後の時代らしい。
平成時代には城が少なく、刀を持たないとか。
平和なんだろうな。
俺はたかしが送ってきた、平成時代の風景が写った絵を見ていた。
「七吉!なにしてんのー?」
げっ!
この声は…聞き覚えのある…
ここら辺の農家の中で、一番広い畑を持つ高山家の長男。
花助の声だった。
俺と同じ17歳なんだぜ。
花助は俺の身長の半分しかない。
幼馴染だけど、花助の家金持ちなんだ。
将軍家の食事はほとんど花助の家で作ったものらしい。
「何しに来たんだよ?」
「七吉が戦から帰ってきたって聞いて」
「だから何でここに来たんだよ?」
「それは…つけてきたから!」
だから嫌なんだよこいつ。
俺以上に頭悪い。
とにかく川の場所が知られてしまった。
花助に川のことを話した。
そうするとこいつ目キラキラさせて
「すごい!!俺もやりたい!」
だってよ…。
たかしには花助のことを話した。
『お友だちがふえた!花すけよろしく』
と返ってきた。
受け入れてくれたみたい…
ん?これはなんだ?
手紙と一緒に入っていたのは野菜か?
手紙にはこう書かれていた。
『今、平成は夏なんだ!すいかをおくります。やさいなんだよ!』
すいかという丸い野菜だった。
「これ、本当に野菜なのかなぁ?」
「平成には色々な物があるんだよ。切って食べるみたいだぞ」
俺は刀を抜き、すいかを切った。
二つに割れたすいかは、断面が赤かった。
「うわっ、美味しくなさそうだね」
「そんなことないだろ。たかしはいつも美味しい物しか送らないぜ?」
「そうなの?んーじゃあ…」
花助はゆっくり赤い部分を取り、口へ運んだ。
「どうだ?うまいか」
花助は目を丸くして、
「美味しい…」
と言った。
しかし、花助の顔はどんどん険しくなっていった。
「ど、どうした?」
俺は焦って花助に言った。
すると花助は腕を組み始めて言った。
「たかしは農家なんだね!俺ももっと珍しいもの作らないと!」
花助には変な火が付いてしまった。
たかしの手紙に、塩ですいかは甘くなると聞いた花助は、
残り半分のすいかを塩漬けにしたらしい。
俺はたかしに花助のような人を、平成何と呼ぶのか聞いてみた。
それ以来、俺は花助をアホと呼んでいる。
金持ちな農民、花助が登場!
【スイカの塩漬け】甘いのか、しょっぱいのか…




