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3.4:Counterattack - 03

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「だって、個人的な意見じゃない?」

「差別するな。たかが、図体がデカイだけで、何だと言うんだ」

「だってぇ、威嚇(いかく)されてるみたいに感じちゃうもの。全員揃って、その体格で、無言で威嚇(いかく)して、か弱い女子高生を見下ろして、怖いじゃない」


 亜美を掴まえている男の口端も、微かに上がっていた。


「か弱い――の定義は、疑わしいものがないでもないな」

「なによ。ひどいわね」

「口うるさい女だな。少しは、黙れないのか?」

「私が大人しくしたら、状況が変わるの?」

「変わらない」

「そうよね」


 屁理屈だらけのようだったが、それ以上、亜美を追及するのは諦めて、亜美を掴んでいる男が亜美を引っ張り込んで、また、そこに座らせるようにした。


「震えたままで動けないんじゃ、足手まといだぜ」

「だから、そこら辺は、プロに任せるから。邪魔もしないし、大丈夫よ」


 寒さで体中が震えているのに、強がりな口だけは、叩けるようである。

 ふっと、男が笑っていた。


「俺は、マークだ」

「Mr.コルトじゃないの?」


 フッと、マークがまた薄く笑う。


「聞き耳も立てているようだ」

「そんなことないよ。でも、お兄ちゃんが、ひとの話はちゃんと聞きなさい、って」

「シツケは間違ってないようだな」

「そうよ」


 それを抜けぬけと嬉しそうに口にする亜美に、マークも無言。

 噂に勝るブラコンぶりで、さすがに、コメントなしである。


「あのね、窓は強化ガラスだから、拳銃とか、サブマシンガンとか使っても、無意味かもしれないわ」


 それを聞いて、男達の表情が変わった。


「他には?」

「他には、ドアは完全防音で分厚くて、ちょっと撃っただけじゃ壊れないくらい頑丈かなぁ。でも、あそこの部屋だけが、特別だったのかもしれないけど。家中に飾り物がたくさんあって、ああいうのって、邪魔になるよね。お金持ちだから見せびらかしたいのは判るけど、ドアとか頑丈にしても、お飾りが邪魔過ぎて、結構、障害物かも」


「なるほど。ラディミル・ソロヴィノフは、アートコレクターとしても有名だ」

「そっか。電気とかも、ほとんどシャンデリアばっかりみたいだから、撃ち落とすのも、簡単そうよね」

「なるほど。――読みは、悪くない」


 チラッと、ジョンがクインを見やる。

 口うるさい女を拾った――というクインの文句を聞いているジョンの視線を受けて、クインはちょっと口を曲げるだけだ。


 微かだが、何かの振動音がして、ジョンが胸のポケットから携帯電話を取り出していた。


「ハント」


 ジョンは何も言わず、ただ、電話に耳を傾けているだけだ。すぐに、電話を切って、自分の胸ポケットにしまい直す。


「どうやら、騒ぎを起こしたせいで、警戒を強めたらしい。だが、移動する気配は見られない」


 ということは、まだ晃一を救える可能性はある、ということになってくる。


「それって――私が逃げ出したから、捕まえた娘が只者じゃなかったって、怪しみ出したってこと?」


 男達は、ほとんど無駄口を叩かない。

 簡単に、互いに意思の疎通を済ませているのか、簡潔な説明だろうと、誰一人、質問する気配もないのだ。


 もちろん、一人だけ疎外されている亜美は、素直に自分の不思議を口に出す。


「さあ」

「やっぱり、屋敷から逃げ出す女って、普通はいないだろうから、怪しまれたのかしら? それで、お兄ちゃんを探りにきたヤツに違いない、とかって」

「その可能性はある」

「そう……。――だったら、私が囮になってもいいけど」


 ジョンが片眉を上げるようにする。


「街の方に、あの男とか呼び寄せてもいいけど。逃げ出した女に腹を立てて、今頃、私を探し回っているだろうから、街で通報されたら、すぐに飛んでくるかも。そうしたら、屋敷が、少しは空になるんじゃない?」


「だが、その為に人員を割いては、攻撃力が減少する」

「見張りをつけなくても、きっと、屋敷に連れ戻されると思う。やっぱり、馬鹿にされたし、コケにされた場所で、しっかりお仕置きするだろうし。あんな、極寒のど真ん中で、立ち往生はしないでしょう?」

「その場合、サトウの救出を含めて、ダブルの救出が要求される。それも余計な手間になる」


「そうだけど――でも、いい案でしょう?」

「そうだな。だが、今回の作戦には、無理がある」

「人手が足りないから?」

「そうだ」

「どうして、人手が足りないの? やっぱり仕事柄、リクルートしにくいものなのね?」


 ジョンはちょっとだけ口端を上げ、


「事情は色々あるものだ」

「そうなんだ」

「アミ・サトウ」

「アミ、でいいよ。大抵は、みんな、エイミィ、って呼ぶけど」

「サングラスを」

「やっぱり、私のこと置いていくんだ」

「大体の構造は把握した。だから、アミは後ろで待機だ」


 その結論を予想していたので、亜美もさほど驚きはしない。

 ゴソゴソと、カバンの中身を探り、仕方なく、亜美がサングラスをジョンの方に差し出した。


「見張っている人、屋敷の近くにいるの?」

「そうだ」

「じゃあ、警報装置とかの位置も、確認できた」

「それは、時間が限られている」

「そっか……。カメラがたくさんあるから、忍び込んでも、すぐにバレちゃうよね」

「さうだな。それも仕方がない」



読んでいただきありがとうございました。

Twitter: @pratvurst (aka Anastasia)


Bu romanı okuduğunuz için teşekkür ederiz

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