表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

83/115

6人パーティー

再び大森林に狩りに行く。

早速シエロが魔物を見付けて釣ってくる。


「よし来たよ!!大蛇が3匹!!フォーメーションは決めた通りね!!私を中心に攻めるよ!!」


「なんであんた中心なのよ!!(笑)」


サンドラが盾役として前面に立ち、その左側にアイン右側にラメドがサブタンクとしてポジショニングする。

その後ろに並ぶ様にフォロー役の私とアタッカーのヒルデ、最後尾に風魔法と雷魔法を使うシエロと逆三角形の様な布陣。


今の私、雀のシエロより魔法使いらしくないのか・・・うぅ・・・現実が辛い。


「エリザ!!集中してよ?」


「大丈夫!!アイン、ラメドあなた達は初陣なんだから命を大事にだよ!!」


「「ウォン!!」」


シエロが範囲魔法のウインドサークルを唱え、それをキッカケに戦闘が始まる。

サンドラが盾で大蛇の体当たりを受け止め、そこをヒルデが片手剣で斬りかかる。


「ソイルボール!!」


私が別の1匹に魔法を放ち牽制するとラメドがその大蛇の首元に噛みつき押さえ込もうとする。

3匹目の大蛇が口を開き毒霧を吐こうとするが、アインが【咆哮】し大蛇の動きが一瞬止まるとシエロの放った雷魔法『サンダーニードル』が大蛇に命中する。


「クゥー!!」


声をした方を見るとラメドに首元に嚙みつかれた大蛇がラメドに巻き付きラメドの身体を締めつけてる。

それでもラメドが噛みつきを辞めず、我慢大会と言うか意地の張り合いになってる。


「こっんの!!」


私はメイスの先にファイアボールを纏わせて、走り寄り大蛇の頭にメイスを振り下ろす。


「ラメド!!一旦離れて!!」


頭を殴られ身体の締めつけが緩んだ好きにラメドが抜け出す。


「ちょっとエリザ!!勝手に飛び出すと被弾するよ!!」


「今戻る!!」


大蛇に背を向けて中衛の位置へ走る。

それをフォローするようにラメドが咆哮し大蛇の動きを止める。

そこにシエロが放ったウインドボールが私の脇を通り抜け大蛇に命中する。


「ウォーターボール!!」


アインが牽制してる大蛇に魔法を撃ち込む。


「トドメ!!強撃!!」


ヒルデが中央の大蛇に斬りかかるのが見えた。


「もう!!ヒルデ!!ちゃんとトドメを刺して!!」


更にサンドラがハンマーを大蛇の頭に振り下ろし中央の大蛇は光へと変わる。


「よし、サンドラ右側の大蛇を狙うよ!!エリザは左側を牽制して!!」


ヒルデが次の指示を出して動き出す。

そして数分後には順調に大蛇3匹とも討伐できた。


「やっぱり6人パーティーだと人数で圧倒出来るね。ずっとこのまま6人パーティーで戦っても良いんじゃない?」


ヒルデが上機嫌に語る。


「6人パーティーじゃなく、3人と2匹と1羽のパーティーだけどね」


「エリザ細かい・・・」


「そうよエリザ。ツッコミを入れるのはそこじゃなくて、従魔を出してる私たちは損をしてヒルデだけが経験値的に得をするって部分をツッコまないと」


「あぁ!!私はアインとラメドと経験値を分けるからヒルデの1/3しか経験値が得れないんだ!!」


「あ・・・やっぱりサンドラは気付いてたか。エリザだけだったらチョロかったのに(笑)」


そうだった。

パーティーの経験値分配はプレーヤーで頭割りして、更にプレーヤーと従魔で頭割りする。

つまり90の経験値をパーティーで得たら、私とヒルデとサンドラの3人で頭割りして1人頭経験値30。

ヒルデは従魔を出してないから経験値30をそのまま獲得し使用スキルの経験値に。

サンドラは従魔のシエロと経験値30を頭割りで経験値15づつ獲得。

私は従魔のアインとラメドと頭割りして経験値10づつ獲得する。


「ナイスだよサンドラ。危うくヒルデが一人勝ちするところだったよ」


サンドラに御礼を言う。


「ふっふ。これでもテイマーとしては先輩だからね。後輩のエリザには色々と教えてあげる立場なのよ?」


思いっきり上から目線でドヤ顔される。

くそう・・・御礼を言って損した気分。


「あ、あと自分だけじゃなく従魔のステータスにも気を配らないと駄目よ?アインもラメドもスキルを多用してたからスタミナゲージ減ってない?」


サンドラに指摘されて2匹のステータスを見てみると、HPは回復魔法を使って回復してたので大丈夫だったけど、【噛みつき】スキルの技や【咆哮】スキルを多用したせいかスタミナゲージが半分まで減っていた。


「あ、本当だ!!スタミナが減ってるから食べ物をあげて回復させないと」


「こうやってペットに育てられて飼い主は成長していくのね」


ヒルデが私のやりとりを生暖かい目で見てる。


「さて今日はこのまま6人パーティーで狩りして遊ぶとして、明日からはどうしよう?このままここで狩りをし続けるのも物足りないよね?」


「装備の耐久値の回復もさせたいから一旦南の街に戻ろうよ?」


「あ・・・そうだねぇ。ここのログアウトポイントにはドロップアイテム買い取りの商人は来てるけど、流しの鍛冶屋さんは来てないからねぇ」


「そんでエリザが言ってた南の街の訓練場にちょっと行きたい」


「えっ?訓練場に?なんで?」


「うん。南の街に来たついでに二刀流の動きを習っておきたいなと思って」


「あぁ、それなら私も行きたいかも。この両手斧と鎚の複合武器の扱い方がイマイチ分からなくて」


「エリザも棍棒の立ち回りを勉強したら?力任せに殴るだけだと蛮族と変わらないよ?」


「いや、私は魔法使いだから」


「現状だと『自称』が付く感じだよね(笑)」


むぅ・・・確かに今の状態で魔法使いを名乗れるのか少し不安を感じるのは確かだけど、今の私のスキルスロットの内5つは魔法を補助するスキルなのよ・・・。

・・・改めて考えると今のスキル編成ってちょっと問題あるかも?


その後もその日は6人パーティーで狩りをし、翌日は大森林から南の街サヴァニエミへ戻った。

南の街には行き付けの武器屋や知り合いの生産プレーヤーが居ないので、冒険者ギルドのディーニお爺ちゃんにお勧めの武器屋を紹介して貰い、武器と防具の耐久値回復をお願いした。

そしてそのまま訓練場へ向かい、訓練場の門をくぐる。


「こんにちわ!!やってますか!!」


「はいよ!!お、おぉいらっしゃい。御無沙汰だな」


「えぇ、冒険者ギルドの裏口から入って酷い目に遭いましたから」


前回、このナバロさんに騙されて冒険者ギルドへ裏口から入って大恥かかされたので、軽く嫌味から入る。


「お、おう。あぁ・・・でも爺さんには会えたろ?」


「はい。おかげさまで。でもその前に若い職員さんに捕まって不審者扱いされましたけど」


私は笑顔で答える。

渾身の作り笑いだ。


「ねぇ、エリザ。私も話に混ざっていい?」


ヒルデが間に入ってくる。


「こっちの2人は、えっと・・・エリザの仲間かい?」


「はい。私がサンドラでこっちがヒルデと言います。今日は武器の扱い方を習いに来たのですが・・・」


「おお、いらっしゃい。4時間コースは6000マニ。お得な1週間フリーパスは20万マニだ。どっちにする?」


相変わらず1週間コースあるのか。

そんな事やるプレーヤーは居るのだろうか?


「はい。4時間コースでお願いします。それで今武器はメンテナンスに出してましてこちらで武器を借りられますか?」


「あ、私も4時間コース、武器レンタルでお願いします」


ヒルデがサンドラの後追いで注文する。


「はいよ。それじゃ3人ともそれぞれ6000マニになります」


ん?私もいつの間にか参加者扱いされてる。

ん・・・じゃ4時間待ってるのもなんだから習っとくか。


「あ、私も武器レンタルでお願いします。武器は短杖と棍棒です」


私が使ってる武器を告げるとナバロさんは少し驚いた顔をするが、直ぐにあぁと納得したようだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ