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スタイル変更?

ゲームからログアウトすると私は公式掲示板や非公式掲示板を片っ端から読み漁った。

攻略掲スレ、考察検証スレ、今後の展開を予測するスレ、イベントスレ、狩場スレ、初心者スレ、プレースタイル別スレ、生産者が集うスレ、死んだら書き込むスレ、要注意プレーヤーを晒すスレ、雑談スレなどなど。


「う~ん。【精霊魔法】の話題が殆ど無いな・・・取ってる人は数人しか居ないのかも」


独りボヤき、考える。

そもそもスキルがレベル30に到達した可能性があるのは第1陣の5000人のプレーヤーだけだよね。

それも廃人か私達みたいな夏休みで長時間ログインしてるプレーヤーだけだろう。

そうするとその5000人の中でレベル30に到達するような廃人プレーをしてて、更に魔法4属性のスキルを取ってて、スキル統合を選択し精霊魔法スキルを取ったプレーヤーか・・・。

10人も居ないんじゃないだろうか?魔法4属性持ちってだけでハードル高そう。


「そうなると何か新たにスキルを手に入れてカバーする方法かな・・・何か魔法が連射出来るようになるスキルが無いかな?それか魔法待機時間を短縮できるスキルとか」


独りブツブツ言いながらネット掲示板を更に漁るもこれと言った情報は出てこなかった。


「こりゃ、真面目に諦めて4属性魔法を新しく取るしかないかな・・・。イベントのポイントの残りで氷魔法や雷魔法とか持ってない属性の魔法を取ろうかなぁ?あっ王都に戻ったらチーノ婆ちゃんのところの魔法ギルドに相談に言ってみようかな・・・」


そんな迷いの中で睡魔に勝てず寝落ちして、更に早朝に掲示板を少し目を通してFEOにログインする。


テントから出ると既にヒルデとサンドラはログインしていて焚き火を前にお茶を飲んでた。


「おはよう。2人とも早いね」


「エリザおそよう」


「おはよ。何か対策見付かった?」


「なんか色々と掲示板見てたら寝落ちしちゃったよ」


おどけてみせたら2人から駄目な子を見るような目で見られる。

むぅ・・・冗談なのに。真に受けないでよ・・・。


「それで、朝に掲示板をまた見て色々と固定概念に囚われないように考えたんだけど」


「ほう。なになに?」


「パーティーの火力不足は私じゃどうにも成らないから、ヒルデに二刀流を駆使してアタッカーをやって貰おうかなと」


「ええっ!?私がプレースタイル変えるの!!」


「ちょっと落ち着い付いて。冷静に考えて見てよ?私がジャマーやって被弾率は下がってるのよ?そうすると回復魔法やサブタンクの出番は減るからヒルデはアタッカーメインでやれば1回の戦闘時間は減ると思うのよ?二刀流なら手数増えるんだろうし」


「そうだね。私はそれで良いと思うよ?アタッカーは戦闘の花形だからね。ヒルデ向きなんじゃない?」


自分には直接関係が無いからかサンドラが私の意見に賛同してくれる。


「ええっ・・・私が立ち回り変えるの?嘘・・・」


口では文句を言いながらも花形と言う言葉に釣られたのが満更でもない感じ。

・・・ヒルデ、チョロいな。


「じゃ、エリザ。私とヒルデはエリザに貸し1つだからね?後で何かあった時は返してね?」


サンドラが恩着せがましく、貸し1つだと言質を取り既成事実化しようとしてくる。


「うん分かった。その時はちゃんと返すよ。精神的に」


「それでこれからどうする?奥にチャレンジする?それともここで狩りを続ける?」


「あ、それなんだけど借り1つの内としてお願いがあるのよ」


「何?エリザ。なにかやるの?」


「あのさ。私【調教】スキルを取ろうと思うのよ。それで野生の狼を従魔にするのを手伝って欲しいの」


「はぁ?ちょっと意味が分からないんだけど?」


ヒルデが非難の声を上げる。


「あのね私は考えたのよ。パーティー戦はヒルデがアタッカーに重点を置き私はジャマーとしてフォローするスタイルで何とかなるけど、2人がログイン出来ない時にジャマースタイルではソロ狩りはキツいなと」


「それは弱い狩場に移動するか、野良パーティーに参加すれば良いんじゃないの?」


サンドラがすかさずツッコミを入れてくる。


「良い質問だねサンドラ。弱い狩場に移動するには時間がかかるでしょ?更にそこから2人との合流場所に再び戻るのにも時間が掛かる。あと野良パーティーは個人的に嫌なのよ?知らない人相手に気を遣うのが」


「知らない人とパーティー組むのが嫌って、それMMOに向いてないんじゃないの?」


「ヒルデ、あんたがそんな私をこのゲームに誘った元凶でしょ!!」


ゲーム向いてない奴をゲームに誘った奴からゲームに向いてないと言われるとは思わなかった。

うん。何言ってるか分からない。


「で、話戻すよ?私は考えたのよ?ソロ狩りの時にヒルデとサンドラの代わりになる者が居れば良いんじゃないかと」


「なるほどね。それで【調教】スキルを取って従魔を私達の代わりにすると」


「ふっ舐められたものね。このヒルデ様の代わりを魔物が務められると思われるとは!!」


「・・・それでねサンドラ」


「ちょっ!!スルーかい!!」


「ねぇヒルデ、話が進まないから黙ってようか?」


サンドラにまで注意されてヒルデは大人しくなる。


「それで何で、従魔は狼なの?」


「えっ?ペットは犬だと古き良きMMOからの定番でしょ?それに私が欲しいのは前衛の盾役とアタッカーだから群れで狩りをする狼は適役だと思わない?丁度都合良く狼が出るエリアだし」


「ん・・・私としてはエリザのペットは豚ネズミとか羽ミミズとかスズムシとか良いと思うんだけどねぇ」


「何で私は色物をペットにしないと駄目なのよ?」


「そうよサンドラ。エリザのペットは大根とニンジンに決まってるでしょ?農家の娘なんだから」


「リアルは関係ないでしょ!!リアルは。それに私の家は大根農家でもニンジン農家でもないし。それ以前にヒルデでしょ?ゲーム始める時に色物禁止って言ってたの」


「もう。冗談に決まってるじゃない。それよりも野生の魔物のテイムの仕方はちゃんと調べてきたの?」


「それは大丈夫。テイムに必要な狼の餌はそこら辺の魔物のドロップする肉なら何でも良いみたいだし」


「それじゃしょうがないからエリザのテイムを手助けするか・・・」


そうして私達は大森林へと移動して戦闘を繰り返す事はや数十数度。


「ねぇ、エリザまだ成功しないの?」


「【調教】スキルちゃんとセットしてるの?」


ヒルデとサンドラから不平不満が漏れる。


「ん・・・成功率低いのは情報通りなんだよ・・・」


「もう狼に拘らず他の魔物でも試してみたら?熊とか前衛向きだと思うよ?」


「いや熊はサンドラに任せるよ?武器も(マサカリ)持ってるんだから。熊に跨がって戦ったら良いじゃん」


「ふ~ん。へぇ~エリザは手伝ってくれてる友達にそう言う事を言うんだ?へぇ~」


「はいはい。ゴメンゴメン。ほら次の魔物をシエロが連れて来たよ」


狼の数をある程度減らし、対象の魔物のHPを削る。

そしてその魔物が食べられる餌を差し出し、その魔物が食べたらテイム成功のハズなんだけど中々魔物が肉を食べてくれない。


「エリザ、こっちもだいぶ削ったよ!!餌をあげてみて!!」


私が餌をあげようと近付くと狼はターゲットをヒルデから私に切り替えて襲い掛かってくる。

そこをメイスで殴り飛ばし、肉を投げ付ける。


「あ、こっちも大丈夫よ!!」


更にサンドラの方に走り寄り、同じようにメイスで殴り、餌を投げる。


「あ、テイム成功した!!」


狼が肉に囓り付き、光の球に代わるとそれがネックレスへと姿を変える。


「あっ、こっちも!?」


「えっ!?」


振り返るとヒルデの方の狼も光の球になり、そこからネックレスに姿を変えてた。


「おぉ、一気に2匹も!!」


「もうエリザは欲張りなんだから(笑)」


「いやいや乱数偏り過ぎでしょ!!」


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