表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
75/115

数で殴る

「サンドラは左側ね。ヒルデは右側、私は2人の後ろから遊撃するから!!」


「エリザ、自分だけ安全圏はズルい!!」


私が指示を出すとヒルデが不満を漏らす。


「当たり前でしょ!!私は盾を持ってないんだから!!紙装甲なんだよ!!嫌なら触角を斬り捨てていいよ!!」


「もぅ…。ヒルデ、エリザ、いくよ!!3、2、1!!」


3人揃って巨大カマドウマに突貫する。

触角の鞭はヒルデの方に振り下ろされる。

ヒルデが盾を構え受け止めた隙にサンドラと私が攻撃を仕掛ける。

攻撃を受けたカマドウマは反射的に高く飛び上がろうとするがサンドラがカマドウマの頭に斧を振り下ろし飛び上がりを潰す。


「ナイス!!サンドラ!!」


そう私が叫んだ時に脇腹に触角の鞭を受けたサンドラが吹っ飛ぶ。


「うぐっ!!・・・これ壊す触角逆だったよ!!盾を持ってない側の触角が無事って」


「文句言ってないでその触角も壊せば良いでしょ!!」


ヒルデが飛び上がり片手剣で触角の根元を斬りつけるが片手剣が跳ね返る。


「って、片手剣じゃ無理!!もっと重い武器で叩き折らないと」


「任せて!!」


私は【魔力操作】で棍にソイルボールを纏わせてカマドウマの触角を殴りつける。

ゴンと鈍い音が響き触角にダメージを与えると同時に棍が弾き返えされ体勢が崩れた。

それ狙って触角の鞭が飛んでくる。


「ヤバっ!!」


私はダメージを覚悟するが、サンドラが盾を構えて私の前に飛び出して触角の鞭を受け止めてくれた。


「エリザはちゃんと後先考えて攻撃しないと!!」


そうやって左右から交互に触角にダメージを与えてると先に魔法攻撃でダメージを与えた分もあってか触角を折る事に成功した。


「よし、勝ったな!!」


ヒルデが叫ぶ。

最大の武器の触角攻撃が無くなれば後は飛び上がってのプレス攻撃だけに気を付ければいい。

その跳び上がり攻撃もサンドラなら跳び上がる瞬間に頭を攻撃する事で潰せる。

そう思った矢先にカマドウマが後方に後退りする。


「逃げる!?」


カマドウマが後方で他のプレーヤーパーティーと戦ってたスズムシの群れの中に混じる。


「・・・あ、マズイよ!!」


ヒルデが叫ぶ。

逃げるカマドウマに追撃を仕掛けようとしたサンドラがスズムシの鳴き声を受けて動きが止まる。

そこに別のスズムシが体当たりをしてサンドラにダメージを与える。


「スズムシ邪魔!!」


しかし悪い事ばかりでは無かった。

カマドウマがスズムシの集団の中に入った事により、スズムシを相手にしてた他のパーティの人たちがカマドウマへ後方から近接攻撃を仕掛けられる様になった。


「よし私たちはカマドウマの注意を引くよ。サンドラは飛び上がり攻撃を潰す事だけ集中して!!」


ここぞとばかりにヒルデが指示を飛ばす。

私たちは囮と言う事で、カマドウマやスズムシに必要以上に近付かず他のパーティーに攻撃させる作戦みたいだ。


「あっ!!」


サンドラがスズムシの鳴き声で動きが止まった瞬間にカマドウマが後ろに跳び上がり、他のプレーヤーを押し潰す。

巻き込まれたスズムシも居るみたいだ。

即死とはいかないまでも大ダメージを受け、更にカマドウマに乗られて身動きが取れないプレーヤーが数人いる。


「ちっ、仲間もろとも攻撃すんのかよ!!」


今のカマドウマの攻撃を避ける為に身を投げ出してこちら側に来た男のプレーヤーがボヤきながらも攻撃を仕掛けるふりをしてカマドウマの注意をひく。


「ヒルデ!!潰されてる人に回復お願い!!」


「カマドウマが邪魔で無理!!カマドウマまで回復させちゃう!!」


サンドラが駆け込みカマドウマの頭に片手斧を振り下ろす。

だがカマドウマの身体が沈み込み潰されてる人にもダメージが入る。


「ちょっと!!サンドラ、駄目!!」


「じゃあ、どうするの!!」


「と、とりあえずスズムシ倒す?」


「意味ないでしょ!!攻撃を仕掛けてもう一回跳び上がらせよう!!」


そんなサンドラとヒルデのやり取りを聞きながら、私はちょっとした悪戯を思い付いた。


「ねぇ、私がカマドウマの下に滑り込んでボム系の魔法を使ったらカマドウマを吹っ飛ばせると思わない?」


「それじゃプレーヤーまで巻き込むでしょ!?」


「そこは見ない事にするとか、痛いのは一瞬だけと言うか・・・」


「いいぞ!!やってくれ!!」


男プレーヤーにも声が聞こえてたようでそう指示される。


「ヒルデ、カマドウマを巻き込んで良いから回復飛ばして!!それに合わせて仕掛けるから!!」


「もう。了解!!・・・いくよ!!エリアヒール!!」


ヒルデが範囲回復魔法のエリアヒールを唱える。

それと同時に私は走り出し、スズムシの間をすり抜けスライディングする形で足からカマドウマの下に潜り込み、魔法を唱える。


「ソイルボム!!」


私を中心に爆発が起こり、その爆風でカマドウマの身体が持ち上がる。


「ヤバっ!?真上に上がった!!」


このままでは再びカマドウマに押し潰される。


「シールドストライク!!」


駆け付けたサンドラが浮いたカマドウマを盾で殴り付ける。


「強振!!」


更に片手斧で殴り飛ばす。

空中で攻撃を受けたカマドウマがひっくり返る。


「みんな今よ!!総攻撃!!」


なぜかヒルデが号令をかけ、その声を合図に前後のプレーヤーが総攻撃を仕掛ける。

スズムシが体当たりや鳴き声で邪魔をするが、どのプレーヤーもそれを無視してカマドウマを攻撃する。

なにこれちょっと怖い。


そしてカマドウマのHPを削りきり、カマドウマが光となって消えるとスズムシは蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。


「あぁ、酷い目にあった・・・」


「まさかの虫レイドとはねぇ」


「ねぇ、それより子供達を連れて来ないと」


子供達を連れて来て、他のパーティーの人達に子供達が見付かった事を報告する。

出口に戻り地下道から外に出るとネネとカルロの両親、マークや捜索に参加してた近所の人達が集まっていた。


2人を両親に引き渡した所でメッセージが届く。


『イベントポイント 5000p 獲得』


破格の獲得ポイントが得れ、プレーヤー達から歓喜の声が上がる。

そして集まったプレーヤー達は解散となりそれぞれその場をさる。

・・・まだ地下道に潜ってて帰って来ないパーティーが居るらしいがまだ探してるのか死に戻ったのか。

それとも地下道の奥に何かあったのか。


「ネネ、カルロ、マークそれじゃまたね」


感動の再会が一段落し、ネネとカルロに両親の雷が落ちそうな雰囲気を察した私たちも空気が悪くならない内に逃げる様にその場を去る。


「ねぇねぇ、一気に5000ポイントだよ?いゃ・・・カマドウマが出てきた時はどうなるのかと思ったよ」


「今回は私が子供達と仲良くなってたおかげだよね?」


ちょっと恩着せがましく言ってみる。


「はいはい。これからはエリザは子供担当ね」


「ねぇ、これでイベントポイントは16750ポイントになったし目標15000ポイントクリアだね。この後イベント終了まであと少しあるけどどうする?」


「う~ん、ここまでいくと2万ポイント目指したいよね?」


「いや流石に無理でしょ?実質あと2日、リアルで半日しかないんだよ?」


「それじゃまた商業ギルドで配達やる?」


「う~ん、他にやる事が無いしね。そうしようか」


と言う事でそれから2日は商業ギルドの配達をやってイベントポイントを稼いだ。


「あぁ・・・2万ポイント到達できなかった・・・」


「ヒルデ、それは配達やる前から分かってた事じゃないの」


「何かユニークイベントが起こるかな?と期待してたのに」


「いや、私たちイベント中のユニークイベントは多く起こった方だよ?戦闘も3回もやってて馬鹿みたいにスキルレベル上がったし」


「そうだよね。イベント放棄して第2の街の奥まで行ってレベル上げやってたプレーヤー達の次には高レベルだと思うよ?」


「いや、それってトッププレーヤーからは一段落ちるって事じゃん・・・」


「まぁ、私は魔力操作が手に入ったからこのイベントは満足かな」


「エリザは良いよねぇ。私は魔力操作も騎乗も使う予定がないのに」


「そう言えば馬は手に入れられなかったのは心残りだわ。移動用のペットはMMOでは定番だと思うんだけど・・・」


「はいはい。イベント終わってから探したら良いでしょ?それよりあと5分でイベント終了だよ?」


「どうする?イベント終了の瞬間みんなでジャンプする?」


「エリザ、年越しじゃないんだから・・・」


そんな話をしてるとイベント終了時間になり、それと同時に運営がメッセージが届いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ