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青空市

「これが青空市かぁ・・・」


パイプの様なものを組んだ屋台、リアカーに屋根を付けた様な屋台、更には地面にシートを引いて品物を広げただけの店もある。


「これ、プレーヤーだけじゃないよね?」


「そうだね。NPCも店を出してるみたい」


「ねぇ、食べ物の屋台もあるよ?何か食べよ?もうお昼過ぎてるよ?」


歩きながら屋台を見て歩くと色々な料理を見かける。


「定番の串焼きがあるよ?VRMMOをやってるなら1度は食べておかないと!!」


ヒルデがはしゃいでる。


「ねぇ、あれ見て。細長い袋にジャムみたいなのを入れて、そこに棒状のクッキーを何本も挿したお菓子があるよ?1本づつ引き抜いて食べるみたい」


サンドラもよく分からないがはしゃいでる。


それぞれに気になった屋台から食べ物を買って昼食とする事にした。

何を食べてもスタミナゲージが回復するから栄養のバランスとか考えず好きなものを食べられるから楽だ。


私はパイプを組んだ屋台でハンバーガーを売ってる店が気になり声をかける。


「こんにちは。ハンバーガー1つ下さい」


「いらっしゃいませ。ハンバーガー1つですね。少々お待ちください」


緑の髪を後で束ねた女性の店員さんだ。


「あの・・・プレーヤーですよね?」


「はい。そうですよ。普通にプレーしてたら金欠になりそうだったので料理スキルを取って稼いでます。まさかゲーム内で働いてお金を稼ぐようになるとは思いませんでした」


話し好きの人のようだ。


「屋台を買うのって高くないんですか?」


「あぁ、これはレンタルなのよ。商業ギルドで1日5000マニで借りれるの。あっちに見えるリアカー改造したやつはレンタルじゃなく買い取りで良い値段するわよ?ガチの生産者プレーする人向けね」


そう言って笑うこの店員さんは冒険の為の資金稼ぎに兼業としてやっているのだろう。


「はい。お待たせしました。ハンバーガーです。650マニになります」


お金を渡し商品を受け取り1口囓る。


「う~ん美味しい!!このお肉と一緒に入ってるの、ニンジンと大根?」


パンズの中に味付けして焼いた肉と千切りにしたニンジンと大根、何か分からないソースが挟んである。


「そう正解。不思議でしょ?リアルじゃ首を捻る組み合わせだけど、食べると意外と美味しく感じるの。変だよねこのゲーム」


店員さんが説明してくれるけど私が驚いたのはそこじゃない。


「このニンジンと大根って、魔物のドロップアイテム?」


「あ、分かる?ウォーキングラディッシュとランニングキャロットって魔物がドロップするみたいよ。ギルドの委託販売で安く手に入るのよ」


「あ・・・私、戦った事あります・・・」


そうか。あれか・・・。あれを食べたのか私は。

軽くショックを受けるが美味しいものは美味しいので納得する。


店員さんに挨拶して、2人との待ち合わせ場所のテーブル付きのベンチでハンバーガーの残りを食べてるとヒルデもサンドラも帰ってきた。

ヒルデは宣言通り串焼きを食べながら歩いてくる。


「ねぇ、これ私たちが狩ってたニワトリの焼き鳥だって。どれも1本100マニで売ってたから詰め合わせ買っちゃった。5本入って450マニ」


サンドラは【収納】に入れて持ってきたらしく、ベンチに座ってから取り出した。


「ふっふ・・・麺があったよ?よく分からない謎麺に謎のダシのスープと何か分からない具。異世界うどん?」


なんでよく分からない謎麺をうどんだと判断した?

と言うかサンドラ、チャレンジャーだな・・・。


「それプレーヤーから買ったの?」


「NPCの人からだよ?プレーヤーの人は複雑な料理はまだスキルレベル的に作れないみたいよ?材料も足りないみたいだし」


「あ、納得。生産職プレーは生産職プレーで大変なんだね」


3人で昼食を食べた後、ここに来た目的の地図と方位磁石、リュックサックを探す。


「無いねぇ」


「そう言えば私、思うんだけど魔物のドロップアイテムに皮って見てないよね?」


「あ・・・まだ安定して皮が手に入らないのか・・・」


王都の街の周辺の狩りでは手に入らないから第2の街以降なのかな?皮は。


「あれ?幽霊のドロップで布あったよね?」


「布でリュックサックを作っても重い物を入れたら破れそうじゃない?」


「ん・・・何枚も何枚も布を重ねて・・・」


「そこまでして布でリュックサックを作りたいの?(笑)」


「えぇ、生産職の心意気はその程度なの?」


「いやいやいやいや、リュックサックを作る為に生産職を選んだ人は居ないでしょ?」


お前ら通りの真ん中で何騒いでるんだよ・・・。

回りの目が痛いぞ。普通に恥ずかしい。

と言うか回りに生産職のプレーヤーが居るんだから、生産職を敵に回すような発言をするなよ・・・全員が全員シャレが通じる人じゃないと思うぞ。

・・・とりあえず少し離れて他人のふりしてよう。


「ちょっとエリザ、聞いてる?」


むぅ、他人の振り失敗。


青空市を一通り見て回ったけど各ポーションは売っていたが、武器や変わったアイテムとかはまだ無かった。

既に第2の街で活動してるプレーヤーはいるだろうけど、それが王都まで流れてくるのにはもう少し時間が掛かりそう。


青空市を出て大通りを通らずに細い路地を通って東側に帰る。

目的地はテントとかを買った[諸手屋]とう言う問屋さん。


迷路のように無数にある細い路地を西に向かって歩くと色々な店や建物や家などがある。

花屋、小さな食堂、保育園、集会所、遊具がある小さな公園、何かの作業場、倉庫、集合住宅、売り家などちょっとしたカオスな感じがする。


「これ散歩するだけで楽しいかも」


サンドラが暢気な事を口走る。


「何か隠しイベントが隠れてるかもね。そしてそれをクリアするとチートスキルが手に入ってトッププレーヤーに一気に駆け上がれるかも」


ヒルデは・・・まぁいつも通りなんだろう。


「路地裏でからまれるとかあるのかな?と思ったけど治安は良いよね」


「夜になれば分からないんじゃない?」


「そう言うのはもっとスラム街みたいな処じゃないと駄目じゃないの?」


なんのイベントやトラブルに遭遇せずに目的地の[諸手屋]に到着した。


「いらっしゃいませ。今日は何をお求めですか?」


前回来た時と同じお姉さんが対応してくれる。


「王都や四方の街までの地図と方位磁石、あと大きいリュックサックがあれば欲しいなと」


「はい。承りました。まずは地図ですか書き込み度合いによって価格が違います。こちらは安価な白地図で自分で色々と書き込めます。こっちは細かい高低差や目標物、野営ポイントなどが書かれていて少々高額になってます」


白地図と言われた安い方は1枚の大きな紙で大まかな街の位置や街道、森や川などが書き込まれている。

高い方の地図は本に成っていて現代の一般的な地図帳って感じ。


「あと王都内を細かく書かれた地図や各街を細かく書かれた地図もありますが更に高額になっています」


この王都の地図か・・・ちょっと欲しいけど今買うほどでもないな。


「すいません。安い白地図の方を下さい。あと方位磁石と筆記用具も安いやつお願いします」


即決してお金を払い品物を受け取る。


「私もお金を出すよ?」


サンドラが声をかけてくる。


「大丈夫だよ。私の私物にするから私が払う(笑)」


「私物にするのかい(笑)」


「地図とか調べ物って魔法使いっぽいでしょ?」


「えっ?そう言うのって斥候とかじゃないの?」


「ヒルデ、斥候職もやる?」


現在、アタッカーとサブタンクと弓兵と回復、魔法使いを兼ねてるヒルデに聞いてみる。


「やらない。斥候て英雄っぽくないもの」


売り場を移動してリュックサックを見せて貰う。

大きさは様々で形も横に広いものや四角柱状の縦長のものなどが大中小と揃っている。

他にもデザイン重視で小型のバックもある。


「これってステータスによっては荷物入れたら重くて担げなくなるよね?」


「あ・・・エリザは大きいのは無理かもね」


「サンドラ、任せた。頑張れ純戦士職」


私が小型、ヒルデが中型、サンドラが大型の四角柱状のリュックサックを買う。

大きいほど値段が高いが、さっき地図類を私が買ってるので、出した金額はみんなあまり変わらない。

んっ?あれ?ヒルデ!?


買い物を終えた頃にはもう夕方になりかけてた。

今から何かするにも時間が微妙なので、少し早いけど今回は宿屋に戻ってログアウトした。


明日はソロ活動か。

うーん。どうしよう?


誤字脱字報告ありがとうございます。

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