2日目?
「うーん。疲れた・・・ん?」
現実世界に戻って目を覚ます。
一仕事終えたような、寝て起きたような疲れてるのか疲れてないのか迷う不思議な感覚。
机の上の時計を見るとPM11:08となっている。ざっと3時間ログインしてた事になる。
体感(?)では12時間以上も行動してたのに。
「あ・・・お風呂入らないと」
不意に携帯電話のグループメッセージ受信音が鳴る。
『デスデームから帰還完了♪』
祐奈からのメッセージ。
ちっ、先を越された。
『寝ろ(笑)』
凜からのメッセージが続く。
『・・・(返事が無い。睡魔に負けたようだ)』
メッセージを返し、着替えを持ってお風呂に行く。
一通り髪と身体を洗って湯船に浸かり考える。
・強い魔物を倒してより高価な素材を手に入れる。
・倒す魔物の数を増やし素材を多く手に入れる。
・道中でお金になるアイテムを拾う。
・1匹からの得られる素材を増やす。
今のところ思い付くのはこの4つ。
どれか最低1つは選択しないと破産まっしぐら。
どれが1番儲かるか、1番デメリットが少ないか。
ん・・・分かんない。明日早起きして調べて見よう。
お風呂からあがっり水分補給をすると、軽いストレッチをし今度は本当に寝る為にベッドに入った。
朝、目覚ましが鳴り目を覚ます。
時間はAM6:00を少し過ぎたぐらい。
カーテン越しに日が差してて、既に部屋はサウナ状態。
「ど~れ、起きるか・・・」
短いあくびをしながら身体を伸ばすと、ベッドから降りる。
「とりあえず水分補給かな」
部屋の窓を開け換気をすると、キッチンに行き冷蔵庫を開けて牛乳を取り出しコップに注いで飲み干す。
「う~。寝起きの牛乳はお腹にくる」
洗面所で顔を洗い歯を磨き、部屋に戻りパソコンを開く。
「えっと、“FEO 公式”と」
公式サイトを開き適当に掲示板を開いて目を通す。
時間の流れを変えてるからか、中から直接外の掲示板に書き込む事は出来ない。
ログアウトした人達が書き込み情報交換をしてるみたい。
「お、魔法スキルはレベル5に成ると新しい魔法を覚えるんだ。と言うかもうレベル5まで上げた人が居るのか」
そう言えば自分のスキルのレベルを確認してなかった事を思い出し、頭の中のログインしたらやる事にメモする。
「あ、宿屋の混雑が解消したのはお金が無くなり馬小屋に泊まるプレーヤーが増えたからか(笑)」
ついつい独りでブツブツと声に出してしまう。
いきなり高い装備を買ったり、ポーションガブ飲みして狩りをしてた人達が破産したんだろう。
心の中で『人柱乙』と感謝しとく。
掲示板にはスキルの情報も色々と出てた。
【収納術】ってスキルを装備すると【収納】に入れられるアイテムの上限が増える。
【観察】スキルがあれば採取や採掘ポイントが光って見えるようになる。スキルが無くても場所さえ合ってればアイテムは獲得できる。
【採取】や【採掘】は対応するポイントで取れるアイテムの数が増える。
【探知】スキルがあれば魔物やプレーヤーがいる方向が何となく分かるようになる。
などなどみんな親切に情報が書き込まれてたが、スキルポイントを新たに獲得できたって情報は無かった。
私も何か情報を書き込もうと思ったけど、私は何も有益な情報を持ってない事に気付きトッププレーヤーとだいぶ差が出来てる事に気付いた。
トッププレーヤーになるには、他の誰もやらないような事をやらないと駄目かなぁ・・・。
定番は街を歩き回ってNPCの話を聞いて情報収集してユニーククエストを見付けるとか?
いや、それはユニーククエストがあるのか分からない現時点でそれをやるのはデメリットも大きい気がする。
時間になったので着替えをし、茶の間に降りて朝ご飯を食べる。
母親に今日の予定を聞かれたが、昨日から始まったゲームをやるから起こさないでと念を押しておく。
さぁ、今日から本格的にゲームを進めないと。
約束のログイン時間より少し早めにログインする。
光に包まれそれが砕け散る演出と共にゲーム内に移動する。
宿屋のベッドから起き上がり、ヒルデとサンドラがまだログインしてないのを確認してから、自分のスキルを見る。
『エリザ』
【長杖 Lv.3】
【服 Lv.1】
【火魔法 Lv.2】
【水魔法 Lv.2】
【風魔法 Lv.2】
【土魔法 Lv.2】
【MPup Lv.2】
【MP回復up Lv.2】
【魔力up Lv.3】
【詠唱短縮 Lv.3】
ん・・・弱っ!!
同じくサービス開始と同時に始めたプレーヤーはレベル5越えが居るのに、私は最高でレベル3か。
しかも服スキルは何故かレベル1のまま。何故だろう?ほぼ攻撃を受けてないから?
各魔法は平均的に使ってるからレベルは同じ。
長杖スキルとかはどの魔法を使うのにも使ってるからレベルが高いのかな?
この中で【採取】系や【解体】のスキルを装備する為に外すとしたら【服】スキルかな。あとは魔法補助系のスキルのどれか。
本来なら4つある魔法スキルを減らすんだろうけど、昨日やってみた経験上、魔法を使った後の待機時間の影響を別の属性魔法は受けない為に魔法が連射出来るってメリットを見付けた為に外したくはない。
そんな事を悩んでると後から声をかけられた。
「おはようエリザ。早いね」
「おはようサンドラ。ヒルデに怒られるから調べ物してたの(笑)」
「何か分かった?私も調べたけど、色々と脱線したゃった(笑)」
「何を調べてたのよ?」
「それはヒルデがインしてから話すね」
「そう言えばサンドラはスキルどれだけ上がった?良かったら見せて」
「じゃ、エリザのも見せてね」
『サンドラ』
【片手斧 Lv.3】
【重鎧 Lv.3】
【大楯 Lv.3】
【投げ斧 Lv.1】
【投擲 Lv.1】
【力up Lv.2】
【耐久力up Lv.3】
【命中率up Lv.3】
【移動速度up Lv.1】
【HP自動回復 Lv.2】
お、私よりレベル3のスキルが多い。レベル1のスキルも多いけど。
「投擲スキルをあまり使わなかったから、レベルが上がらなかったみたい。あとは移動速度upも自分から走って近付かず相手の攻撃を待って盾で受けてから反撃してたせいかも」
「やっぱり使わないスキルはレベルが上がりにくいよね。意識して使うようにするか、思い切って別のスキルに変えちゃうか」
「私は重鎧スキルがレベル3まで上がってるのにエリザは服スキルがレベル1のままだものねぇ」
「昨日、私が1番危機を感じたのはニンジンの体当たりか、サンドラの投げた斧だもの」
「両方、被弾しなかったものね・・・私は何発攻撃を受けた事か。1番ダメージを受けたのは誰かさんのファイアボールだっし(笑)」
むぅ。軽く弄りを入れたら、弄り返された。
「そう言えばサンドラは魔法系のスキルを持ってないから、魔法防御が弱いのかな?ファイアボールで大きくHP減らしてたよね?」
「あ・・・確かにそうかも。魔法対策を何かしないと駄目なのかも。エリザそれを早く言ってくれれば掲示板で調べてきたのに・・・」
「えぇ、私が悪いの?(笑)」
「私は常に悪くないもの(笑)」
「駄目だコイツ(笑)」