7:00
いつものように涙を拭いて体を起こすと、サリさんは先に起きていたようでルームサービスを頼み、朝ご飯を食べていた。
夏「おはようございます。」
俺はベッドから起きて隣の部屋から見えるサリさんに声を掛けながら服を着る。
サリ「おはよう。優治の分もあるから時間があるなら食べていきなさい。」
夏「ありがとうございます。頂きます。」
俺は着替え終え、椅子に座りまだ暖かいオムレツを食べる。
…こんなにまろやかな卵、初めて食べた!
サリ「美味しい?」
俺がまろやか卵に驚いていると、サリさんはなんだか嬉しそうに味の感想を聞いてきた。
夏「美味しいです!こんな美味しいオムレツ、初めて食べました。」
サリ「口に合うようで良かったわ。」
そう言うと、サリさんは優しく微笑み食事を進めた。
こんなに美味しいご飯を食べれる生活をするためにはどうすればいいんだろうと考えるも、新しい味が毎回飛び込んできて驚く。
俺はとりあえず、目の前の美味しい朝ご飯に集中することにした。
少しして、俺より先に食べ終わったサリさんは生活感のないキッチンの作業台にあったフルーツ盛りを持ってきて、デザートフォークで食べ始めた。
サリ「お腹に余裕があったら食べてね。」
夏「ありがとうございます。」
瑠愛くんが言ってた通り、いい人だな。
でも、なんで瑠愛くんじゃなくて俺だったんだろう。
最近まで瑠愛くんのことを本指名してたはずなんだけどな。
俺はメインの朝ご飯を食べ終わり、一緒にフルーツを食べ始めるとサリさんは1つの封筒を渡してきた。
サリ「これでスーツ作ってきなさい。」
夏「…スーツ、ですか?」
サリ「そう。場所とお金はこの封筒に入ってるから。」
夏「失礼します。」
俺は封筒の中に入っている住所が書かれた紙を取ろうとすると、中には見たことがないお札の枚数が入っていた。
夏「…本当にいいんですか?」
サリ「スーツ出来たらデートしましょうね。」
サリさんは嬉しそうに微笑み、紅茶を飲む。
初めて会ったのにこんなに気に入ってもらえるとは…。
俺は少しだけ小さい紙を見つけ、取り出すとスーツ屋さんの住所が書いてあるメモが出てきた。
今日は午後から学校で、このスーツ屋さんは学校近くの商業ビルに入った店舗だからこの後すぐに行こう。
サリ「早めに行けそう?」
夏「今日行ってきます。」
サリ「そう。ありがとう。」
夏「こちらこそ、ありがとうございます。」
俺たちはゆったりと食事を終えて、ホテルの玄関前でお別れをする。
けれど、サリさんは名残惜しさを一切見せずにタクシーに乗り込み、俺に手を振って行ってしまった。
その姿にカッコ良さを感じながら、俺は電車に乗って学校近くにあるスーツ屋さんに行く。
「いらっしゃいませ。」
と、1歩入るなりすぐに声をかけてくれる店員さん。
夏「春日苛サリさんから紹介されて…」
「はい!春日苛様からお話はお聞きしてます。では、こちらへどうぞ。」
俺はそのまま通されて採寸と生地選び、ボタンなんかも自分で選んでいく。
オーダーメイドで出来たものを着るなんて初めてで、俺は出来上がるのを楽しみに店員さんにお礼を言い、店を後にした。
→ ミシェル




