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ありあけの月 ──暁──  作者: 香居
一章 久寿三年(一一五五)四月~十二月

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※ 熱田のお祖父様(六)




『──よく、覚えておくがよい──』


 家族のすすり泣きに混じって、耳の奥で、かつてのお祖父様の声がこだまする。

 お祖父様は教えてくださった。『自我を据える』ことと、『我を張る』ことの違いを。

 『自我を据える』とは、自分が何者であるかを理解し心に留めおくことであり、自分の立ち位置を客観的に見ることでもある。

 『我を張る』とは、自分の意見をただ押し通そうとすることであり、自分の立ち位置を主観的にしか見ていないことでもある、と。またこうも仰っていた。


『──高い霊力を保つには、根底にしっかりと自我を据えておかねばならぬ。自我が揺らげば、霊力に振り回されてしまうゆえ。また強すぎる()は、学びの妨げになる──』


 自らがしたいことを思うばかりでは視野が狭くなり、聞く耳も持たなくなる。

 お祖父様が教えてくださった数多のことは、私の宝だ。また神使の方が、お祖父様と私が似ていると仰ってくださったことも、私の宝だ。


 偉大なお祖父様に似ていると言われたからには。

 場の空気を読み、おとなしく座っている弟妹たちを護れるようにならねば。

 父上に支えられた細い肩を震わせ、静かに涙される母上を護れるようにならねば。


 涙でにじむ光景を目に焼きつけ、私は改めて心に誓った。


お読みいただきありがとうございます。

またブックマークや評価などにも感謝いたします。

次回更新は、6月16日23:00頃を予定しております。


誤字脱字がございましたら、ご指摘いただけますと幸いです。

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