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矮翼のセラフィム  作者: す
82/134

第82話 ガブリエル来訪(2) 居間

 恨みがましい唸り声が、エスペルの眠りを妨げた。

 ソファで寝ていたエスペルは、眉間にしわを寄せて目を(またた)いた。

 暗い室内を、不気味な緑色の光が照らしていた。


 エスペルはかっと目を見開いて、ソファから飛び起きた。


『俺タチノ……作品ノ……仇イイイイ……』


 居間の真ん中、ダイニングテーブルの下あたりに、緑色の転送円が出現していた。恨み言はそこから聞こえてくる。


 光る円の淵に、青白い手がかけられた。羽の生えた虚ろな目をした男が這い上がって来た。


『職人……ダマシイ……舐メンナアアアア……』


 エスペルは頬をひくつかせた。


「おいおい、自宅訪問かよ、しかも職人セラフィムの死霊傀儡かよ、俺殺してねえのになんで死んでんだよ」


 職人セラフィムの死霊傀儡は、円から這い上がり、ダイニングテーブルを叩き割りながら目の前に仁王立ちした。

 エスペルは皇帝から授かったばかりの神剣を手にし、死霊傀儡に切っ先を向ける。


「てか今何時だと思ってんだ!?寝てたんだよこっちは!!……ん?」


 ふと緑の円の中をのぞき、エスペルの表情が固まった。

 

 円の縁に、また別の青白い手がかけられたのだ。

 いやよく目をこらすと、もっといた。一体や二体ではない。うじゃうじゃと円の中にひしめき、押し合い揉み合いながら、這い登ってくる。


 ぞろぞろと這い出てくる死霊傀儡に、エスペルはぶち切れた。


「何匹で来てんだよ、俺んち狭いんだよふざけんなああああっ!もういい、今からてめぇらで俺の新技の試し斬りすっからな、覚悟しろ!!」

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