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総合訓練 ~奇襲~

「はぁ、はぁ・・・」

 拠点を飛び出し息を切らしながら森の中を疾走するジャック。

 後方からは車輌の唸るようなエンジン音が追いかけてきている。

「はぁ、はぁ・・・クソッ。」

 全力疾走が限界に達したジャックは足を止め、立木に片手をついて唾を吐いた。

 不意にエンジン音が消える。

 車輌が通行不可能な森に到着し、歩兵を放ったサインだ。

「こりゃ追いつかれるな・・・」

 鬱蒼とした後方を見やりながらジャックは呟くと、手近な木に登り枝の上で身を隠した。

 しばらくすると五人の兵士が横並びで周囲を警戒しながら歩いて来た。

 ジャックは息を殺し、兵士達を見送る。

 そして、兵士達が真下を通過したあたりで、ジャックは枝から飛び降りラバーナイフで奇襲を掛けた。

 瞬時に二人を斬りつけ、残りの三人は空砲の装填されたアサルトライフルで掃射する。

 突然の出来事に呆然とする五人。

「お前らは戦死だ。各人同士の距離が近過ぎるからこんなことになる。」

 ジャックは五人に対し死亡宣言と指導を入れた。

「それと無線機貸せ。ポケットに入ってる無線網図もだ。」

 ヘルメットを外しその場に座る死亡者のポーズを取る通信兵から、背負式の無線機と通信網が描かれた書類を奪い取る。

「HQ、HQ、こちら三分隊、敵と接触した。こちらの損害無し。敵は北西方向に離脱。」

 ジャックは書類を見ながら無線で、敵の司令部に偽情報を流した。

「HQ、了解。引き続き索敵を実施。二分隊は警戒を厳にせよ。」

「よし。・・・じゃあな。」

 偽の情報を敵部隊が受け付けたことを確認したジャックは、書類をポケットに突っ込むと無線機を右肩に背負い北に向かって走り出す。

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