仕事の終わり
2話更新です。
モノとの戦いを終わらせた綾斗達は地上に戻ろうとしていた。
「シャドーウルフ?」
綾斗がシャドーウルフのついてくるのが遅いのが気になりシャドーウルフに声を掛ける。
「ガゥ?」
シャドーウルフは体に違和感があるのか不思議そうに歩いてくる。
「体調が悪いのか?取り敢えず俺の中に戻って休んだ方が良い」
シャドーウルフは綾斗の中に戻る。
「シャドーウルフ、大丈夫か?」
「時間がたてば分かりますよ」
イルムが何か意味ありげに言う。
「綾斗、もうダメ」
「アヤ、私も」
二人が座り込む。
「魔力切れか、魔法を結構使ってたからな少し待っててくれ」
魔力回復用のポーションを渡す。
「何で綾斗は大丈夫なの」
「人より魔力は多いからな、イルムが俺に魔力を渡してくれるのもあるが」
「出来るの?そんな事」
「元が俺の魔力でそれを自分に戻してるだけだからロスがほぼ無いから出来る事だ」
綾斗とイルムが実践する。
「言い方が悪いが魔力保管庫がわりになってもらってる」
足音がする。
「悪いがこの話はまた後で」
「これからやることはあまり二人に見てほしく無い、でもいつかそれを二人とも目の当たりにすると思う、決める決断を、するのは二人だ」
真剣な声で綾斗は話す。
「じゃあ行ってくる」
綾斗は隠密を使って気配を消す。
「今回も成功ですかね」
三人組の男一人がそう口に出す。
「成功するに決まってるだろ、あの魔物は不死身だぞ」
「擦り付けた時点でもう成功だからな、後は残った物を回収してオレらは儲か」
話していた男の胸から剣が突き出る。
「ぐはぁ」
男から剣が引き抜かれその剣を振り、血を地面に落とす。
「誰だお前!」
男達は瞬時に綾斗から離れる。
「すぐに分かると思うが、そんな事より俺は、話とかをしに来たんだ」
「何の話だ」
男は警戒しながら聞く。
「お前たちがやっていた金儲けの話の仲間はお前達だけか?」
「俺たちがそんな事言って何を得するんだ?」
「仕方ない、自白してもらうしかない」
綾斗は魔法で地面を液状化させる。
「チッ」
「足が絡まって」
男の一人は動けなくなるがもう一人は間一髪で避ける。
「なかなか好戦的だな」
「拘束して自白してもらおうかと」
二人とも警戒しながら話す。
「動くなよ」
綾斗はインベントリから、出した剣を動けなくなっている男の横すれすれに投げる。
「ひぃ!もうやめてくれ!答えるから!殺さないでくれ!」
「バカが答えるな!」
「全部俺達で考えてやったんだ、あの魔物は最初に見たとき他の冒険者と戦って魔法も剣も効かなかった、その魔物は、冒険者を殺して、魔力だけを奪ってた死体には目もくれずな、そこで思い付いたんだこの計画を!」
「分かった、だから死ね」
「殺さないって言っただろ!」
「言ってない」
綾斗は男の心臓を刺して即死させる。
「逃げるなよ」
「見逃してはくれないか」
「お前、ステータスを隠してるな」
「鑑定持ちか」
綾斗は喋りながらマインを投げる。
「危ないな[風刀]」
男が魔法を使ってマインの爆発を防ぐ。
「魔法も使えるか」
綾斗は走り込んで切りかかる。
「ほんとに好戦的だ」
二人の攻防が続く。
素早い攻防の中で先に勝負を、仕掛けたのは男だった
「[ウインドバースト]」
男は綾斗を吹き飛ばす。
「いつの間にか切られてたか」
綾斗に切り傷が風刀で付けられていた。
「お前...強いと思ってたのにこれじゃあ仕返しに来たのに逆にやられてるじゃねえか!」
今度は男が走り込んでくる。
「オラァ!」
「っち!」
綾斗は剣で受け止めるが男の剣には風のブーストがかかって、攻撃が重くなる。
「まだ受けれるか」
「器用だな!」
綾斗は後ろに下がりながらナイフをインベントリから出して投げる。
「[ウインドバースト]」
男の魔法によってナイフが弾かれる。
「やれ、イルム」
「がはぁ!」
男が倒れる。
「マスター、動けなくしました」
「あまり使いたくなかったがこれで確実にお前を殺せる」
イルムは死んでいる男の横にある、剣を使って、男を背後から刺していた。
「お前らは俺のもう失いたくない人を殺そうとした」
「クソ、この外道が!お前もそんな生き方をしたら、いつか報いを受けることになるぞ!」
「承知の上だ」
綾斗は男の心臓に、剣を突き立てた。
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