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山を登るようです

「よかったじゃないか」


 ゴロリはふと聞き慣れた声と金属音に振り返ると

 猫騎士が拍手をして歩み寄っていた


「……ああ」


 遠巻きから見てたんだろうな

 ゴロリは言いながら少し思った

 猫騎士は丁度ケルルの後ろ辺りに立っていた


「ケルル。さっきの話だが……覚えてるか?」


「ああ。オカンがどうこうって話だろ」


 ゴロリは目の前のケルルに問いかけると

 ケルルは頷いて答えた


「実はお母さんを探そうという話になってな

 ケルルがいると早いそうだ」


 ゴロリの言葉に、ケルルはへぇと興味深そうにいった


「強制はしないぞ。ケルル様」


 様付けってことは狙ってるんじゃないか

 ゴロリは猫騎士のやり方を分かり始めていた


「構わないけど」


「ほ、本当か!?」


 ケルルは案外あっさりと承諾した

 それを聞いて猫騎士が小さくガッツポーズしているのを

 ゴロリは見逃さなかった


「ゴロリさんもいくんですよね?」


「もちろんだ」


 後ろからアケミの声が聞こえたが

 ゴロリはアケミの顔を見ずにそのまま答えた


「じゃ、じゃあわたしは留守番ですか……?」


「そんな訳ないだろう。連れていくに決まっている」


 ゴロリは自分が言い終わると、アケミの方を向いた

 それを聞いてアケミが目を潤ませていたので

 いやいや当たり前だろ、とゴロリは思った


「決まりだな!」


「まさか、今からいくのか?」


「当たり前だ!」


 ゴロリは猫騎士の言葉にそうかと思った

 日はもう陰っているので今というのは意外に思った


「そういえば、アニーも連れていかねばならんか」


「奴はまだ戻ってきておらん。別に良い」


「……ほう」


 ゴロリは受付の男の方を見ると男は返答した

 その気になれば、連れていくことはできる気はするが

 ゴロリは言いながら少し思った


「よし行こう。さぁ行こう!」


 猫騎士は嬉々として、ギルドの出口へ進んだ


「ケルル。騎士の次を頼む。今回は俺が殿を勤めよう」


「うん。わかった」


 ケルルはゴロリに頷いて、騎士を追いかけた


「ゴロリさんが最後尾、ですか?」


 アケミはゴロリの前に回ったところで

 ゴロリの方を向いて尋ねた


「心配か?」


「そ、そんなことは」


 ゴロリの問いにアケミは少し顔を俯かせた

 心配してくれているのか。ゴロリは察した 


「ほら、置いてかれるぞ」


「えっ、あっ!」


 ゴロリの指摘でアケミは慌ててケルルを追いかけた

 アケミが本気でたじろいでいたので

 ゴロリは少し面白かった




 猫騎士を先頭に、ケルル、アケミ、ゴロリと続いて

 焼け落ちた森の中を歩いていた


「……こうして歩くのも久しぶりだな」


「えっ、そうですか?」


「森の中ではな」


 アケミの突っ込みに

 緊急任務の時は一緒だったもんなとゴロリは思った


「あ、ああ。そうでしたね!」


「はっは。そんな畏まらんでも」


 ゴロリがアケミで遊んでいると

 ふと、猫騎士が止まった


「どうした?」


 ゴロリは少し声を張って猫騎士に問いかけた


「こっからわからないって!」


 猫騎士の声はゴロリには聞き取りにくかったが

 ケルルがゴロリに教えてくれた


 確かにこのまま直進しても神殿に着くだけだからな

 ゴロリは案外冷静だった


「確か、あっちの方向に飛んでいきましたよね?」


 アケミが指差した先には何となく山が見えた

 結構遠いんじゃないか。ゴロリはそう思い始めていた


「流石アケミだ。よし、あの山を目指そう!」


 さっきまで血を流してたとは思えない

 ゴロリは先へ進む猫騎士に感心した




「はぁ、はぁ。結構道が険しいな。大丈夫か?」


「えっ、ええ」


 ゴロリは息を切らしていた

 アケミも手で汗を拭いていたので、心配して声をかける

 先頭の猫騎士も何やら足取りが重く感じた


「……おいっ。貴様ら、何をぼさっとしている!

 シャキッとせんかい。シャキッとぉっ!」


 ゴロリは叫んだ。こうするしかないと思った


「は、はいっ!」


「お、おい。おっちゃん!」


 ゴロリの叫びに猫騎士は気を付けをしていた

 ケルルは、ゴロリを心配するように振り向いた


「……ありがとう、ゴロリさん。掴まって下さい」


 ゴロリはアケミの言葉に背負われることで答えた


「とっとと進まんかい!」


「くっ、悔しい。でも……!」


「ぐぅ。おっちゃん……!」


「……疲れたら言ってくださいね?」


 ゴロリの指導に

 猫騎士、ケルル、アケミは山を駆け上がった

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