39のようです
猫騎士を追い抜かし、ゴロリは受付の男の前まで進んだ
「ゴロリ。大丈夫だったかね?」
「ああ。騎士のおかげで何とかなった」
受付の男はゴロリを見つけると即座に聞いてきた
アケミ、ケルルも受付の男と待ってくれていたようだ
「よかった。よかったです……」
アケミは受付の席から立ち上がると
少し涙で溜まった目をゴロリに向けながら駆け寄った
「今回はちょっと心配したよ」
ケルルもアケミについで受付の席から立ち上がると
ゴロリに近付いていった
「おまえたちにも心配かけたな。すまなかった」
ゴロリは二人に笑いかけて答えた
「あっ、そうでした」
アケミは自らのワンピースのポケットを探ると
一枚カードを取り出した
「はい、ゴロリさんのカードです」
「ああ。頂戴しよう」
アケミは両手でゴロリのカードを持つと手渡そうと腕を伸ばした
ゴロリも、それに付き合って両手でカードを持った
(む、ランクがあがっている)
ゴロリは手渡されたカードを見てみると
カード上部に存在する赤く丸い印が
狼の文字になっていることに気が付いた
「気が付いたかゴロリよ。まずはおめでとう」
何故だろう。上がってもめでたい気分にはなれないな
ゴロリは受付の男の言葉に苦笑した
「アケミ、ケルル。おまえたちも上がったのか?」
「はい!」
「ああ!」
ゴロリは確認するようにアケミとケルルに聞いた
アケミがワンピースのポケットから自らのカードを取り出すと
ケルルもホットパンツのポケットからカードを取り出した
(はれて中堅か……)
ゴロリは二人のカードにも、狼の印が押されているのを確認して
少し感慨深くなった
「あっ、すまんがもう一度カードを提出してくれんか」
「どうぞ!」
「うん!」
受付の男が口を半開きにしてゴロリ達にいった
アケミとケルルは、受付の男にすんなりとカードを提出した
「ゴロリ。ちゃんとした手続きだよ」
「……すまない。疑っている訳じゃないんだ」
ゴロリも、受付の男にいわれ、少し遅れてカードを提出した
カードに関しては少し疑り深くなっているのは事実だった
「星の輝明 (スターライトソード)!」
受付の男はゴロリ達から手渡されたカードを
受付の机に並べて、輝く鉛筆を顕現した
「わーい!」
アケミは受付の男の前にちょこんと座った
改めてよく見ると、パレードみたいで綺麗かもな
ゴロリはそう思いつつ、後ろに存在するケルルを見た
(そんなに光が嫌いかね)
ゴロリが動くと、必ずケルルも動くので少し思った
「……終わったらちょっと話がある」
「ふ二人で、か……?」
ゴロリの誘いにケルルが期待したような声を出したので
ゴロリは少し嬉しかった
「いいや違う。お母さんの件だ
覚悟だけしておいてくれ」
「……うん。わかった」
ケルルをそのままにゴロリは正面に向き直ると
受付の男と目が合った
「もういいかね?」
どうやらお待ちかねのようであった
ゴロリはああ、と受付の男に短く返事をした
「こいつに年齢を書かねばならん。教えてくれ」
「なに!?」
ゴロリは受付の男の言葉に一人狼狽えた
「わたしは19ですね」
アケミはあっさりと答えた
「あ、あたしは23だ」
ゴロリは後ろにいるケルルを見る
少し顔を赤く染めているケルルに
大丈夫だとゴロリ思った
「俺は39!」
どうだ、サンキューで分かりやすいだろう
ゴロリは少し強がっていた
「39!?
な、なんと。このわたしより歳をとっておる!」
嘘だろ。受付の男の暴露にゴロリは目を丸くした
「フールさんってお爺さんじゃなかったんですね!」
アケミよ、そこじゃないかも
ゴロリはアケミの発言に圧倒された
「わたしは老いが早かった……
て、なにをいわすのだ。アケミちゃん!」
「ごめんなさーいっ!」
受付の男が本気で怒っていないと感じとったのか
アケミは冗談らしく謝った
冗談ではあるが、深くお辞儀している辺り
真面目だなとゴロリは少し思った
「……よし。これで手続きは終了だ
忘れててすまんかった。ちぃとサービスだ」
受付の男は片手でゴロリ達のカードを浮かせると
それぞれの手元に返した
「い、今のもう一回できますか!?」
「いくらでも出来るわい。ほれほれ~」
受付の男の隠し芸にアケミは案の定食い付いた
男は自分のカードを取りだし、八の字に飛ばしていた
「わあ。凄い!」
アケミは受付の男が自在にカードを操るので
目を輝かせていた
「改めて、ランクアップおめでとう」
受付の男は、最後に自分のカードを片手に収めると
ゴロリ達を祝福するように笑った




