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給食の香り
仕事で給食のニュース記事を見た。
その時、給食の香りを思い出した。
家庭料理には無い、どくとくな給食の匂い。
その瞬間思い出す。あの子のこと。
わたしは小学生の時、二年間孤独だった。
そんななか放送部に入った。
クラスでは孤独だったが、でも放送室では、あの子がいた。
同じクラスから、選ばれた二人。
みんなが、わたしを無視するなかあの子は普通に接してくれた。
放送室は給食時間、お昼の放送室で、給食を放送室で食べる。
昼の放送の時間だけ、居場所があった。
あの子と一緒に食べた、給食。
放送室で食べる給食。
トレーの上の湯気と、機材のかすかな熱。
小さな部屋に、あの匂いが満ちていた。
孤独の中にも、ひとときの安らぎがあった。
給食の匂いを思い出す時、あの子の笑顔も思い出す。




