転生の謎
今は櫻子に連れられてドッグランに来ている。
ゴン太の飼い主と遭遇してお喋りしている。
俺達はひとっ走り楽しんだ後、ゴン太とマッタリお喋りしていた。
「そろそろ抜け毛の季節だな。憂うつだ。」
「季節の変わり目を感じて風流じゃ。」
「俺は毎日櫻子にブラッシングされてキャン玉ツンツンされてセクハラされまくりで鬱陶しいだけだがなあ。俺とゴン太の犬種は特に量も多いよな。」
「まあ、生理現象みたいなものだから仕方ないな。これで冬に向けて暖かくなるし、半纏を羽織る様な物じゃな」
「まあ俺にはダウンだがな。ゴン太は毛足長いから分かるが何で俺みたいな短めの犬種に必要なんだか…」
「さあな。またこれも自然の摂理。万古不易
、恒常不変と言う訳じゃ。」
「うーん、言葉の意味は分からんが、とにかくすごい自信だ。」
「まあ、我らがどうこう出来んと言う事じゃ。へのつっぱりはいらんですよじゃ。」
「牛丼一筋300年って訳だな。」
「200年前のワシの時代には無かったがな。」
「そうか。うまくて早くて安いぞ。まあ今は犬だから食えんがな。」
「また櫻子は抜け毛を集めるのか?」
「そうそう、また俺の毛でぬいぐるみ作るらしい。あんなイカれてんのに手先は器用なんだよな。ゴン太のも欲しがってたぞ。」
「前に作って貰って母上がいたく気に入っていたから、また喜ぶじゃろ。」
「あんなもん何が良いかさっぱり分からんがなあ」
「まあ、おなごは昔から愛らしい物が好きなのじゃ」
「成る程ねえ。」
「所であれから何か分かった?」
「そうじゃな。聞いた話じゃと、どうやら転生には回数が決まっているらしいのじゃ」
「へえ。」
「あと、転生する時代は自分が死んだ時から過去の時間から始まるそうじゃ。その後転生して行くと過去には行かず転生する度に段々未来に進んで行くが、間がスパッと数年抜けて進む事もあるらしい。それはワシも実体験しておる。」
「ふむふむ」
「あとな、転生する回数は人間の時に殺めた人数の回数で転生してるらしいぞ」
「えっ!?」
「まあ、ワシはこの姿じゃから刺客などの暗殺者だったのじゃろう。因みに今は18回目の転生じゃ」
「…」
「お主は何回目じゃ?」
「俺は…4回目だ…」
「そうか。」
「…」
「どうやら殺めて来た人数に達したらそこで転生が終わるらしいのじゃ。もしかしたらワシもお主もこれが最後の転生かも知れん」
「…」
「しかし人間の頃の記憶が無いから何回かは分からん。次も有るかも知れん」
「…」
「まあお互い悔いの無いよう生きようぞ。動物の世界でな。」
「…」
「人間の記憶が戻れば具体的な数が分かるかも知れんからまた聞き当たってはみるぞ。分かったら知りたいか?」
「そうだな…一応いつがラストは知っときたいな。この先転生するとしても、またすぐに腹を裂かれて死ぬラストは嫌だからな」
「承知した。また分かったら教えてしんぜる」
「ああ、頼む。ゴン太は知りたいか?」
「ワシはやっぱり知りたく無いな。これ以上転生回数があると思いながら生きたくは無いな。出来るなら今回で終わりであって欲しい物じゃ。」
「そうだな。」
バウバウ、クゥーン
「あらあら、音子ちゃん元気無いわねえ」
「そうね。疲れちゃったのかしら。そろそろ帰りますね。」
「また、ゴン太のぬいぐるみお願いね!」
「はい!作るの楽しいんで。今度抜け毛受け取りに行きますね!」
「お待ちしているわ!」
「それじゃ!」
転生回数にそんな秘密が…
俺は4回目って事は3回は誰かを殺してるのか?
あの普通の大学生みたいな見た目で?
ルルやノラ辺りならあり得そうだけど…
何だか信じられなかったけど、この転生やら変身やらを経験している今の状況ならあり得る話かもと思っていた。
そうだとしたら何故転生をしてるのか…
何故動物なのか…
何故人間の記憶が死ぬ直前の前が無いのか…
色々謎や疑問を残した内容だった。




