満月集会
それは…
「遅かったな、音子」
「ああ、亘が何か外で素振り始めやがって中々抜け出せなかった」
亘は剣道をしている。
大会が近いと外で素振りを始める。
そのやる気を俺の散歩でも見せろ。
「今日は耳が垂れてるな」
「ちょっとな、晩飯に何か一服盛られた」
「あー、多分フェラリアだな。」
そう、耳は犬のものが頭についているのだ。
あとはもふもふの尻尾
因みにキャン玉は人間の形だ。
耳に関しては良く聞こえるので便利だ。
ただ、人間に見つかるとちょっと面倒かもだ。
前にこの集団が見つかった時はコスプレ集会で誤魔化した。
職質されたらまずい。
交番に連れられてしまうと中に入った途端に皆動物の姿になっちまう。
メンツに犬も多いので聴力を活かして近づく人間の足音には警戒するようにしている。
「ルルはワンピは着ないのか?」
「だまれ」
ルルは今は30代位の縦縞スーツにサングラスだ。
多分堅気じゃ無かったんだろう。
そこにもこもこの可愛い耳と尻尾が付いているので変態にしか見えない。
何でプードルになっちまったんだろう。
哀れだ。
変身した時は人間の時の姿になる。
それで大体こんな奴かって分かる。
因みに俺は大体20代の大学生とかだったんだろうと分かった。
「今日はこの後雨らしいから早めの終了じゃな。」
ゴン太はチョンマゲで大小の刀を脇に差した侍の格好のオッサンだ。
どんだけ転生繰り返したんだ…
まあ、そのお陰か知識が凄い。
なんでも前には戦国時代の甲冑着た人もいたらしいが、今は姿を見ない事から抜け出せない動物になっているんだろう。
「あたし、濡れるのはやだから早めに抜けよ」
この野良猫女は名前が無いからノラと呼んでいる。
コイツはイメージ通りエロい格好だ。
多分キャバ嬢とかホステスだったんだろう。
「今日はメンツはこれ位かな。」
「そうじゃな」
毎回満月だよ!全員集合はない。
まあそれぞれ色々事情もある。
「どうやらな、人間の記憶が戻る方法があるらしいと聞いたのじゃ」
「へー!」
「渡り鳥がたまたま居てな、よその地域で聞いたらしい。」
人間の記憶…
そう、皆も俺と同じで死ぬ直前しか分かっていない。
因みに今いるメンツで俺以外は全員刺されて死んだらしい…
まあ、大体想像はつくがマトモな人生では無かったろう。
特にルルは。
ゴン太は切腹の介錯か決闘とかかも知れない。
ノラはまあ男だろう。
「俺は知らなくて良いかな。」
「アタシもー。多分ロクな人生じゃ無かったろうし。」
「そうじゃな。ワシもじゃ」
ルルとノラとゴン太はやはり死に方が同じなだけあって答えも同じだ。
「俺は…自殺か事故か分からないからなあ。ちょっと知りたいかも…」
「成る程な。じゃあまた次回迄に詳しく調べておいてやるわ。そろそろ天気が怪しいから今日は解散じゃ。また次の満月に!」
そう言って解散となった。




