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人形遊びも、ここまでくるとすごいでしょ?  作者: シャチ


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18/18

その後の話

 

「リラまだ寝てたい」

「ダメですいい加減起きてください!今日は私の卒業式なんですから!!」

 ちょっとリラと夜更かししすぎてもう少し寝たいのだが起こされてしまった。

 今日はリラの卒業式。

 去年の卒業記念パーティーでの事件は、あの後国王陛下から次々と”犯罪”の証拠を突きつけられ、第二王子ロナルドは処刑となった。

 一番重い罪は侯爵家当主への暴言ね。

 同じ理由でノーラや側近たちも処刑となり、ライスター王国に平和が訪れた。


「今日は婚約者として私をエスコートしてくださるっていったじゃないですか」

「あ、そだった。起きる起きる」

 第二王子を貶めることに加担したことが王家位から正式に通達され、レイラ・ドール侯爵として褒美をもらった。

 表向きはお金だが、裏向きにはリラとの婚姻である。

 リラと私が成人すると正式に婚姻する。

 つまり、この卒業記念パーティーが終われば、私達は晴れて夫婦だ。

 リラと私の子供の準備も進んでいる。


 王家に私が要求したことは2つ

 同性婚の許可とホムンクルスへの爵位付与だ。

 新たに生まれるホムンクルスが私とリラの子供となる。

 ドール家の能力を最大限高めた存在となりうる”彼女”が次期当主候補である。


「ねぇリラ。あなたは私との結婚、本当に良いの?」

「はい、レイラ以外考えられません」

「明日から本当の家族になるのね」

「”リアラ”のことも楽しみです」

 二人で作り上げたホムンクルスの名はリアラ。

 既に魔力は私より高いことはわかっている。

 手先の器用さをリラから受け継いでいれば、ドール家は今後も安泰だろう。



 この一年私は大忙しだった。

 レベルSドールの出来のよさが知れ渡り、高位貴族や王族、はたまた他国からも欲しいという問い合わせが相次いだ。

 血が必要であること、魔力供給ができなければ性能を維持できないことを説明してそれでもほしいという人が後を絶たなかったため、それなりの数を作ることになった。

 引退した父にも手伝ってもらう羽目になったのだ。

 むかつくことに、ほぼすべてが愛玩用。

 亡くなった妻とか旦那とか思い出の元カレとかそういう感じ。

 最愛の人にまた会えるかもしれないという思いは理解できるが、性格までコピーするにはその人本人の血が必要なのだ…レイラドールがレイラ・ドール侯爵令嬢として動いたのは私の血を大量に使ったからに他ならない。

 結果、レベルAの特別仕様としての販売しかしなかった。

 それでもレベルAは作るのが大変なのだ。

 かなり精神をすり減らしてしまい、リラに随分と慰めてもらった。


「エスコート願いますレイラ」

「わかったわリラ。さぁお手を」

 私とリラはそろいのドレスに身を包み、卒業パーティーに入場する。

 エスコートする人間は学生である必要はない。

 何なら親族でもよい。

 多くは婚約者と一緒に入場するのだが。


「今日もドール嬢たちはお美しい」

「本当に人形のよう…」

「おいやめろ、人間に見えなくなってくる」

 周りの貴族たちから思い思いの感想をもらう。

 ヘタな人形より私もリラも目鼻立ちは整っているからしょうがないわね。

 この1年、リラは認識阻害の魔道具を使わずに学校生活を送るようになった。

 ドール家の恐ろしさが身に染みたのと、子爵家当主という肩書がようやくまともに機能した。

 処刑された第二王子につかまっていたら純潔すら奪われていたかもしれないからな…

 ん?リラの初めては私に決まってるでしょ。


「リラ、卒業おめでとう」

「ありがとうございますレイラ。明日からもよろしくお願いしますねアナタ」

「ふふ、いいわねそれ」

「はい、夫婦みたいですよね」


 明日からはまた、王都の小さなあの屋敷で二人だけで過ごす。

 両親は既に別荘地に隠居済み。

 これはからはドール家当主として私が切り盛りすることになる。

 いとおしい(ホムンクルス)をリラと育てながら、さらなる夢、永遠の命を求め研究を続けようじゃないか…

 二人でずっと若々しく生きて居たいものである。


 完

無理して連載にするんじゃなかったと若干後悔。

もう少し明るく楽しい話を次は書きたいです…

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― 新着の感想 ―
[良い点] 姉妹で国公認の百合婚とか最高すぎる・・・素晴らしい百合をありがとうございました!
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