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27.クエスト達成と祝福

町の中から勝鬨をあげる声がする。

それは悪の根源と言いながら、必死になって燃やした世界樹の根に対してなのか、魔物たちが居なくなったことなのか、わからない。


それでも皆の弾んだ声に、大きく息を吐いた。

どうやらアドレナリンが落ち着いて、あたしの肩の力も抜けたようだ。


冷静になって周りをよく見ると、まぁ、その、なんだ・・・。

首狩りと言っていた人の言う事も、納得の光景。


首が千切れ飛んでいる大型の魔物の死骸が、あちらこちらに足の踏み場も名ぐらいに転がっている。

それが森の近くまで続いているとか、どれだけ頭に血が上っていたんだろう、あたし。

人格代わりすぎじゃない?


これも体のつくりを変えられた影響?

それともゲームみたいに、強いものを倒せばレベルが上がって、何かが変わる?

そんなことを考えていると、脳にオペレーターらしき機械音が響く。



『プラムの町を救え、クエストを達成しました』

 ・町民の死亡ゼロ

 ・悪の根源を退治

 ・婆様を悪夢から救え

 

Exクエスト達成!

 ・怪我人ゼロ


スキル解放

 「ステイタスの表示化」

 「全ての素材の鑑定解放」

   それに伴い、『錬金術の創造』が可能になりました。


クエスト?スキル解放?

え、え、えっ?!

混乱している間に、町全体にも声が聞こえた。


『プラムの町は救世主により、世界樹の束縛からの解放。この地に祝福を与える』


キラキラとしたエフェクトが空より舞い降り、ダイヤモンドダストさながらのようだ。

それらが町人に触れると、皆が光り始めた。

足元にいる狼たちも、一緒に。

リーダーであるリデルが黒狼になったからか、狼全体が灰色から黒へと毛並みが変化していた。


一体何が起こっているのか、全くわからない。

狼たちは自分の毛並みが変わったことが嬉しいのか、ウォン、ウォンと嬉しそうにはしゃいでいる。

あたしは心を落ちつけるために、小狼2匹を撫でまわした。


ああ、なにやらやらかしたのかと意識が戻った時には、町人たちが跪いてあたしの前に居た。


「救世主様、ありがとうございました。本当に、ありがとうございました」

涙を流し、声を震わせながら言葉を紡ぐマルク隊長。

声にならず、ただ涙を浮かべ、流して頭を下げる町人の人たち。


心からの感謝と歓喜に震える人たちを見て、これで良かったのだと実感した。

「いえ、個人的に世界樹に恨みを持っていたので、一太刀浴びせることが出来たことを嬉しく思います。こちらこそ、ありがとうございました」


改めて町人のみんなを見ていると、ここに来た時よりも体つきが良くなってきているように思う。これが祝福が起こした現象?


「本当にお伽話と思っていた祝福を、町民である我々が受けることが出来たのも、救世主様のお陰です」

「やっぱり、体つきが変わったのは、祝福の恩恵ですか?」

「はい!頭の中に響き渡りました。職業も選ぶ自由が与えられたのです」

「職業の自由?」


そんな当たり前のことを喜ぶ人たちが、理解できなかった。

与えられた知識にも、そんなことは書かれていない。

どういうことなのだろうか?


『この世界の常識①が与えられます』


・・・・・・。

この世界はどうやらゲームの世界に似ていて、何かのトリガーとなる事項や言葉があれば、知識やスキル、クエストが発生するようだ。

ゲームの世界と絶対なる相違点は、これが現実世界で死んだ者は生き返らない。

唯一似たようなことが出来るのが、魔石を持つ者を使い魔として蘇らせることが出来る召喚術ということらしい。


本当によくわからない世界に、あたしは今いる。

だけど目の前にいる者たちには、これが現実で全てだ。


神らしき者が与えた知識によれば、いい意味でも悪い意味でもクエストは発生し、受けることも破棄することも出来る。

言い換えれば、『○○○○を殲滅』というクエストが出た時に、どちらを選んでも良いということ。

普通で考えれば『○○○○を殲滅』と出れば、○○○○が悪のように感じる。だが、それはその時に歩んできた結果のクエスト。○○○○からすれば、あたし達が悪という場合もあるということだ。


簡単に言えば、こちら側の都合で○○○○が邪魔なだけで、○○○○に非がない場合もありゆるのだ。

安易に判断するなと、考えて行動しろという常識how-to。


正直この世界、生きやすいのか、生きにくいのか、さっぱりわからない。

どっちにしても今のところは、世界樹が敵の立ち位置にいる感じかな。


この町の中だけで言うならば、ある意味虐げられた平等だった世界から、選択の自由を手に入れた皆には、それによる不平等も頑張って乗り越えて欲しいと願うばかりだ。


難しいことは今は考えなくていい。

皆と一緒に、今生きていることを祝おう。


「皆さんにお願いがあります。これらを解体してくれませんか?」

「喜んで!」




読んで頂き、ありがとうございました。

出張中



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