28.ステイタス
これでもかとある魔物の死体を、町中の人が解体をしてくれている。
咽るような血の匂いの中にいるというのに、皆笑顔だ。
この惨事を生み出したのがあたしだというのに、そのあたしが息苦しい。
浄化を掛けて、みんなで綺麗になったほうがいいよね?
「浄化」
突然辺りが閃いて、自分たちも含めて綺麗になったことに驚きと、感嘆が漏れた。
これからまた汚れるというのに、皆の顔は生気に溢れていた。
ところでこの虫たちは、解体して何か役に立つのだろうか。ないのなら、魔石だけとって燃やしてしまうのだけど。マルク隊長にでも聞こうかと思ったが、よく見れば鑑定結果が出ていた。
人切カマキリ
鋭い刃物で、人を切りつける。子供のための餌として、卵と一緒に繭として保存する習性があり。
鎌の部分は武器や農具、包丁と幅広く刃の部分に応用できる。
★筋力+
背の皮は盾や鎧にも使用可。耐久性は低いが、どんな一撃でも一度は耐えてくれる。
★絶対防御 一回のみ
物騒なカマキリだった。大きいだけじゃないなんて、何て恐ろしい。
でもその分、鎌の部分は色んなことに使えるし、もしもの時の命綱のような使い方もできるのは、良いことだ。
噛み切りバッタ
鋭い歯で何でも噛み切る。美味しくはないが食用にもできる。
これは処分でいいかな。
麻痺大蜘蛛
一噛みされれば、どんなものでも麻痺状態になる。一噛みされ繭に包まれれば、一年間は保存食として生かされる。
口の中にある麻痺薬袋は、医療~暗殺まで幅広く使用可。使い方次第。素手で触ってはいけない。
お腹の中の糸は、医療、防具、釣り糸、ドレスと幅広く使用できる為、貴族に人気。
★防御力+
他にもいる昆虫たちも、取り合えずバッタ以外は燃やしたら駄目なようだ。
これは最後破棄が決まったものを纏めてのほうがいいかな。
「あ、その蜘蛛は素手で触ったらダメ!頭を切り落として、お腹の糸だけ出して。頭はあたしが回収するから!」
麻痺蜘蛛と見分けは付かないほど似ているが、中に猛毒蜘蛛が紛れている。
この口の中にある猛毒袋に触れるだけで、仮死状態になるという。完全に暗殺向きなのが紛れていた。
配下にならない者の排除が目的なのか、
それとも、やはり世界樹が必要だと思わせるために?
頭に血が上ってて、徹底的に回路を潰しちゃったから今更か。
子供たちが間違って触らないように、これこそ棒で突いて収納する。
間違ってもお弁当が入っているウエストポーチやその他のジャーキーや果物が入っているショルダーバッグにも入れない。
リュックに入れていた麻袋に見えるマジックバックを取り出して、それに入れている。
さて、こんなにたくさん解体しても、全部は食べきれないと思う。
予備で持ってきた練習用マジックバックをあげるか、保存の付与術を何かに掛けるか。
ただ練習用マジックバックは容量が少ないという欠点があり、付与術は付与した物が劣化すれば、当然付与術も劣化する。
後は布や紙に書いてある付与術を魔力で焼き付けるのか、直接魔力で書くかによっても劣化のスピードが変わる。
直接魔力で書くのは、正確に脳裏に浮かべられるぐらい文字を覚えていることと、膨大な魔力を有する。
一般的な付与は、布に刺繍や紙に書かれた魔方陣文字を魔力で焼き付ける、になる。
ちなみにあたしが来ている服などは錬金釜で付与しているので、劣化することはない。
錬金釜はチートの権現である。
さて、どうしようかな?
今回持ってきた付与できる文字は、『保存』『温』『強化』『軽量化』『切断』
精々『保存』で3日から一週間ぐらい持たせるぐらいだ。
あ、そう言えばスキルが解放されたとアナウンスあったのを忘れてた。
今のうちに確認しておこう。
『ステイタス』
梨花(20歳) 職業 付与師、錬金術師、召喚士、テイマー 鑑定士new
称号 落ち人 救世主 世界の加護
体力 S ドラゴンと戦っても大丈夫!
魔力 S → ∞ 使い放題!むしろ使って
筋力 A ドラゴンと同等
知力 A → S 一度見れば全て記憶できる。
精神力 A ストレス耐性向上(短気と神経質なのが玉に瑕)
運 S ラッキーが満載!
突っ込みどころ満載だね。
全く意味がわからないよ。
魔力を使えだの、短気とか放って置けよ。
そんなの分かってるよ。
いいじゃん、怒りが原動力なんだからさ。
それに職業って意味あるのだろうか。
名乗るときは錬金術師でいいかな?一般的ぽい気がする。
魔法陣覚えるのが簡単になるのか。
それは嬉しい。
これは大きい街に行って、魔法陣集のようなものがあれば、読みたいな。これが使えたら、世界樹の葉の代わりが出来るようになる。
あたしの錬金も幅が広がる!
物つくりって嵌ると面白いからね。
ここが落ち着いたら、次の街に行ってみるのもいいかも。
あれ、そう言えば婆様とどこに?
読んで頂き、ありがとうございました。
出張より帰宅!
来週より入院の為、更新滞ります。
出来るだけ書き溜め出来るように、書いてみようと思ってます。




