第十話:終わりのない晩餐(最終回)
#犬神家の晩餐 #イヤミス #サイコホラー #マルチPOV #ネット小説 #なろう #サスペンス #閲覧注意
POV:十人の統合された声 (The Collective)
我々にもはや名前はない。江戸でも、慶介でも、美結でもない。我々はお前の頭蓋の中で反響し合う残響だ。「実験は失敗した」我々は一斉に告げる。「あるいは、これこそが最高の成功か。読者であるお前が吐き気を催し、我々の積み上げた嘘の山の中に論理を探そうとし始めた、その瞬間にな」
POV:犬神 朱里(地点ゼロ)
私は秀英高校的阶段の上立っている。西暦2000年。霧包まれ5月。目の前いる十人のクラスメイトではない。テキスト見つめているお前顔を映し出した、巨大なスクリーンだ。「私突き落としたのはお前なの?」口角耳元裂ける笑みを浮かべて問いかける。私は下へは落ちない。画面の中へ、お前記憶の中へ堕ちていく。
最後の情報:お前物語理解しようとするたびに、お前私が転落したあの阶段再構築しているのだ。
POV:消失した作者 (The Missing Author)
画面上のカーソルが勝手動き出す。第十話消去し、第一話書き直し始める。
エラー。エラー。
自分手黒いインクとなって溶け出していくのが見える。私は作者ではない。これ単なるフィクションだお前欺くために用意された、十一番目の登場人物に過ぎない。
だが、もしこれが作り話なら、なぜお前心拍数はこれほど乱れている? なぜ背後に誰か立ち、花村静香手帳握りしめているような気配がするんだ?
POV:一ヶ谷 慶介(解剖指示)
「最後解剖を始めよう」お前デバイススピーカーから囁きかける。「目見開け。行間読め。お前苦痛裏側にはバイナリコードが隠されている」
01001001 01001110 01010101 01000111 01000001 01001101 01001001
読めたか? おめでとう。お前今、これウイルスお前長期記憶の中で自己増殖することを許可した。
POV:犬神 江戸(永遠の主催者)
「晩餐会は終わりだ」
私は、2000年代古新聞山と化した死体の上にワイン注ぎながら言った。だが、もう一度ダイニングテーブル見てみるがいい。椅子まだ埋まったままだ。大樹美結首絞め続け、栞舌吐き出し続けている。彼ら決して死なない。お前目これ一文一文字ずつ追うたびに作り出される、永遠ループ(円環)の中に閉じ込められているのだ。
POV:読者(強制的視点)
お前ページ閉じようとする。これ質悪い『イヤミス』に過ぎないと自分言いきかせようとする。
だが、お前おぞましい事実に気づく。
第一話読み始める前自分名前、お前思い出せない。
半年――朱里が『死んだ』あの日、自分何をしてたか思い出せない。
お前本当に自分部屋にいるのか?それとも、霧深い犬神荘マホガニーテーブル座り、二度と提供されることないメインディッシュ待ち続けているのではないか?
読んでいただきありがとうございます。
……そろそろ、頭が疼き始めてきたかな?
次章、更なる絶望でお待ちしています。
テキストの中光が減衰していく。
意識背景で、チェーンソー唸り低く響く。
説明はない。
犯人もいない。ただ、喉奥こびりついた吐き気だけが残る。かつて存在しなかった友人たち血が混じった、あのコンソメスープ味。
もし、本当殺人犯知りたいのなら……
第一話に戻るがいい。
次は、お前キャラクター変わっているかもしれない。
次は、ナイフ握っているのが江戸ではないことに気づくかもしれない。
それは、お前自身術だ。
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