第二話【イマジネーション】【前】
この科学が異常に発展した国に産まれ約7年が経った。
僕は科学学園【イマジネーション】に通っている。
科学というのは実に不便な物だ。機械を動かすためには電力が必要となり、電力を生み出すためには機械が必要。そしてその機械は劣化する。それに比べて魔法は魔力を必要とし、劣化することはない。
本当にこの世界は不便だ。
~日差しが眩しい朝~
(ベッドから起き、着替えて、食事カプセルを食べて、自室の窓から飛び出してドローンを掴んで登校を開始する)
「ふぁ~...科学で作られたドローンは遅いなぁ。魔法の方が速いぞ」
(いつものようにドローンを掴んだまま街を眺める)
この世界ではドローンが基本的交通手段とされる。お金持ちはメカバードに乗り、庶民はドローンを掴む。
そのため庶民は腕の筋肉が嫌でも鍛えられるのだ。
(お金持ちのぼんぼんがメカバードに乗りながら庶民達を見下ろす)
「お前達本当にのろいなぁ?メカバードに乗ったらどうだ?(バカにするような笑い方)ハハハ!そうか!お前達は"庶民"だからドローンしか乗れねぇのか!あはは!」
笑いながらお金持ちのぼんぼんが去る
「お金持ちの性格は前の世界もこの世界も変わらないんだな」
そう。僕は転生をした。7年前に。
僕がいた世界...【魔法世界】とでも言おうか...そう。こことは正反対の世界。科学が消え魔法で埋め尽くされている世界。地球という星ではこれをファンタジーと言う。
僕は前世では名無しの最強と謳われていた。僕は他の人と違い魔力に恵まれた体で産まれたのだ。だから誰よりも早く魔法を覚え、誰よりも最強になった。
名無しの最強こと旧名ノンドは最強になり過ぎたために退屈という感情に支配された。
ある日僕は軽く離れの森林を焼いていると空が眩く光り出した。何事かと見上げた僕はその光景に言葉を失った...
そう...空が裂け巨大な赤く光る瞳が覗いていたのだ。僕は魔法を放ち...放って...放ったがその赤い瞳に傷ひとつも付くことはなかった。
普通このような状況になれば絶望という感情が先に来るだろう...ただし僕だけは異常だった。絶望より先に高揚感が湧き上がったのだ。
巨大な赤い瞳をしばらく見つめていた僕は視界が白黒で点滅し出す。
点滅が収まると...
この【科学異常世界】に転生をしていたわけだ。
そんなわけで僕は新名【雷斗】7歳。今は科学学園【イマジネーション】に通っている。
~学校の門前~
僕はいつも通りに門前に着地しホログラムの木を見つめながら科学学園に向かう。
「今日は柿の木か...つまんない」
入り口前で立ち止まり専用アンドロイドに靴を履かせてもらった後校舎に入る。
「今日は回路構成の学習と実技実験かぁ...」
自動ドア式の教室に入る
「よっ!雷斗!」
肩を組んできたこの男は唐田 操[karata sou]
僕の友達という存在。
「おはよう。操」
「雷斗って本当に暗いよな~。」
首の後ろで腕を組む唐田
「そう?」
唐田は一瞬静かになる
「雷斗...今さりげなくダジャレ言っただろ?」
「言ってない」
「言った。」
「言ってない」
「言った!」
ため息をしながら僕は椅子に座った
「もうどうでもいいでしょ。操...朝っぱらから本当よくそんな元気出せるよね」
笑顔で隣に座る唐田
「そうか~?やっぱりいつも目覚ましカプセル飲んでるからだろうな~♪」
「また目覚ましカプセル?確かあれって目が冴えて夜眠れなくなるんでしょ?」
顔の前で指を振る
「ちっちっ。雷斗?そんな事いちいち気にしてたらこの世の中生きていけないぞ?」
ため息混じりに
「ほぉら、きたよ...。操の説教タイム。帰りにしてくれない?説教タイム」
「わっーたよ。帰りな?絶対逃げんじゃねぇぞ?」
窓の外を眺める。外では相変わらず鳥を模したドローンがうるさい。
(お金持ちのぼんぼんがメカバードに乗って鳥を模したドローンを攻撃する...本当にいつも騒がしいよな...ここの世界は)
ホログラムの鐘が鳴る。一限目が始まるのだ。
一限目【地獄の科学者】が担当する【実技実験】が。
【【0】】
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【Congratulations】
【イマジネーションが始まります】
【プログラム実行中....】
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......
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............【プログラムスタート】
【第一ターゲットを設定します。】
【第一ターゲット 【地獄科学者:ノバド】】
【MagicWorld進捗度変化を確認します.......】
......
....
.......
【変化なし】
【正常です。】




