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そんなに好きなら、もうその世界に転生してしまいなさい。  作者: 葉山麻代


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07 おからクッキー

 取りに来た人にお弁当を引き渡し、パートさんは帰っていった。


「よ! おはよう。そっちやってて良いぞ」

「おはようございます。ありがとうございます」


 社長が出勤してきた。いつもこんなに早くから仕込みをしているのかな?


「オーブンは使っていて大丈夫よね?」

「おー、構わないぞ。面白いもん貰ったから、ちょっと鍋で煮るけど、オーブンは後で大丈夫だ」


 オーブンを使う予定があるらしい。どうやら、少し早く来たみたいだ。


光明(みつあき)君、おからクッキー作るわよね?」

「はい!お願いします」


 しぼりたてと違い、すっかり冷えたおからを中華なべに入れ、カラッとするまで煎っていた。


「おからはしっかりと煎り、水分を飛ばしておきます」


 煎ったおからを作業台に広げ、熱を冷ましておくらしい。


「おからを冷ましておく間に、粉末の黒糖を100g、卵をSなら4こ、Lなら3こ、用意します。おからと同量くらいと覚えておくと良いわ。おからは煎ったから、200gくらいよ。それとベーキングパウダーを小さじ2杯ね」


 僕は、粉末黒糖とベーキングパウダーを計量した。


「さあ、お昼ごはんを食べましょう。おからが冷めたらクッキーを作りましょう」


 そういえば、午前中から来ているから昼ご飯をどうしようかと思っていたんだった。


 なんと、社長が3人前作ってくれていたらしい。


「オレが作ったので良いよな?」

「はい!ありがとうございます!」


 社長が作ってくれたお昼ごはんは、見たことの無いものだった。ごはんの横に白っぽいカレーのような見た目で、なんとも不思議な香りがする。


「これ、何が入っているんですか?」

「豚バラ、獅子唐(ししとう)、ココナツミルク、生唐辛子、玉葱、大蒜(にんにく)、生姜、アンチョビだな」

「お店のメニューですか?」

「いや、奥さんの好物なんだよ」


 社長の奥さんの好物らしい。少しピリッとするけど、南国風味で何だかとても美味しかった。


「不思議な感じですが、とても美味しいです!」

「そりゃ良かった」

「フィリピン料理なのよ」


 作り方も教えてくれた。簡単そうなので、家で作って母さんを驚かせたいな。


 食器を洗い終わると、いよいよ おからクッキーだ!


「粉末の黒糖にベーキングパウダーを混ぜておきます」


 社長の奥さんが指示を出して、僕が作っていく。

 ボールに入れた粉末黒糖に、量っておいたベーキングパウダーを混ぜた。


「ボールに卵を割り溶きほぐします。卵に粉末の黒糖を加えよく混ぜます」


 別のボールに卵を割り、泡立て器で混ぜてから、ベーキングパウダーの入った黒糖を混ぜた。


「卵の入ったボールにおからを加えよく混ぜます」


 すっかり冷えたおからを持ってきて、卵と黒糖が入ったボールに入れ、良く混ぜた。割りとドロリとしている。


「天板にクッキングシートを敷き、生地をなまこ型に伸ばします」


 生地が柔らかく、手では持ち上げられそうにないので、ボールのまま天板に出した。寄せて寄せて、細長い形にした。


「オーブン200℃で、20分焼きます」


 このまま焼くの?と、不思議に思いながらも、指示通り温度のセットされているオーブンに入れた。


「20分経ったら取り出してカットするので、この間にプリンを量りましょう」

「はい!」


 なんと、プリンも教えてくれるらしい。


「卵M玉10個 牛乳1000ml グラニュー糖230g ブランデー25ml ラム酒15ml バニラエッセンス少々。

 カラメルは、水40ml グラニュー糖100g お湯45mlね」


 口頭で説明しながら、紙に書いたものも見せてくれた。

 僕がメモに写している間、ちょっとした覚え方を教えてくれた。


「牛乳の半分の卵、更に半分の砂糖と覚えると、数字に頼らずに作れるわよ」


 なんとありがたい!細かい数字を把握するものは、レシピを覚える上でネックになる。ブランデーやラム酒は、入れなくても作れるけど、入れると洋菓子店の味に出来上がるらしい。


「まずは、カラメル用の水と砂糖を鍋に入れ火に掛けます」


 既にカラメルが入っている年期の入った鍋を渡された。ここにそのまま足して作るらしい。


「あ、これだと覚えられないわね。新しい鍋に作りましょう」


 鍋を取り上げられ、新しい鍋を渡された。僕が困惑していたのが、伝わってしまったのかな?


「強すぎない火にかけ、揺らさす、揺すらず、砂糖が溶け、周りが焦げてきたら火を止めます」


 溶けている途中に揺すったりかき混ぜたりすると、糖分が結晶化して固まってしまうらしい。


「手早くお湯を加え、少し煮詰めます。冷水を入れたコップに少々垂らしてみて硬さを見ます」


 最初はフワッと散っていったカラメルが、だんだん形のままコップの水底に落ちるようになってきた。


「そのくらいで良いわ。熱いうちにプリンの型にティースプーンで1杯ずつ流し入れ冷ましておきます」


 お店で使っているプリン用の耐熱プラスチックの器に、流し入れていった。最後の方は固くなり、再度火にかけて柔らかくした。僕に説明するために少しだけ作ったから、冷めるのが早かったらしい。


「冬ならそのまま、夏なら冷蔵庫に入れておきます」


 僕がどうしようかと悩んでいると、社長が声をかけてきた。


「冷蔵庫に空きがあるから入れておくと良いぞ」

「はい。ありがとうございます」


「おからクッキーが焼けたので、取り出して1cm幅に切り分けます」


 まだ熱があるうちに切ることが重要らしい。


「切ったクッキーを横向きに並べなおし、160℃で15分焼きなおします」


 僕がおからクッキーをオーブンに入れてくると、社長の奥さんは、ボールと泡立て器を用意して待っていた。


「プリンの続きです。卵をボールで良くかき混ぜ、グラニュー糖を加えます」


 指示通り作っていく。


「40~50度に温めた牛乳を加え、うらごします」


 ザルよりも、裏ごし用の網の方が目が細かいので、滑らかに仕上がるらしい。


「好みで洋酒や、バニラエッセンスを加え、型の8分目まで流し入れます」


 好みでとは言われたけど、これはお店に使うプリンなので、配合のままお酒やバニラエッセンスも加えた。

 ふと見ると、焼けたおからクッキーが取り出してあった。


「170度、20~25分、お湯を張った天板に入れて焼成します。お家でオーブンがない場合、蒸し器でも作ることが出来ます」


 オーブンはあるけど、水を張れる深い天板は無いから、家では蒸し器で作ってみようかな。

 焼いている間に、洗い物などの片付けをした。


「斜めにしてみて硬さを見て、好みの硬さに焼きます」


 表面が少し垂れるような固さが、美味しいらしい。


「焼けたら直ぐにお湯から出し、できあがりです。良く冷やしてください。回収するプリンカップで作った場合は、型から出していただきましょう」

社長が作った昼ご飯は、ビコールエクスプレスです。

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