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咎人の詩  作者: 81MONSTER(日本を代表する怪物)ポンコツ犬のタナトス
第七話【魔窟】

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 魔徒まとを討ちながら、香流羅かるらいおりを見ていた。


 素早い太刀筋に眼をらすが、とらえ切れない。程迄ほどまで剣捌けんさばきを一体、どうやって会得したのかは解らない。現時点で相対すれば、自分では太刀打ち出来ないだろう。もっとれは、現時点でだ。必ず力を得る。そうしなければの先、何も斬れはしない。


余所見よそみしている暇は無いぞ、香流羅よ!」


 とがめる様に、赤丸がうながす。魔徒の数は、百を優に超えている。してや此処ここに至る迄に、かなり疲弊ひへいしている。全てを倒すのに、自分一人では無理で在った。菴は大小の太刀を見事に使い分けて、魔徒を薙ぎ払っている。疲れるどころか魔徒を斬る度に、強く成っていた。


 良く見ると斬られた魔徒は、消滅せずに菴の持つ刀に吸い込まれている。


 菴は魔徒を、喰らっているのだ。


 次第に菴から、邪悪なが発せられてく。魔徒と同じく邪悪なを、菴からは感じられた。菴の正体に、香流羅は気付き掛けていた。


 だが今はかく、魔徒を斬るのが先決だった。


 体力の消耗がいちじるしかったが、前に進む以外の道はない。立ち止まる事は、死を意味していた。


 一心不乱に、香流羅は剣を振るい続けた。


 気がいた時には、魔徒の気配は一つしか感じられなかった。の気配は香流羅が相対した中でも群を抜いて強大で、微塵みじんの隙も見当たらない。圧倒的な力量の差を感じていたが、逃げる事すらも叶わぬ現状。もっとはなから、逃げる心算つもりは毛頭も無い。


 残る魔徒は、菴一人だけでった。


 互いに対峙して、改めて庵の強さを実感した。全く隙が無い。どう、打ち込んでも、返す弐の太刀で斬られてしまう。故に、香流羅は動けないで居た。僅かな隙でっても、菴は見逃さない。れは既に、学習済みだった。


 隙を見せれば、斬られてしまう。獰猛どうもうな獣は対峙しただけで、相手を畏縮いしゅくさせる。れだけの威圧感が、菴にはった。焦れば剣だけでは無く、判断力までもが鈍る。恐怖を抑え、呼吸を整える。


 ままでは、殺されてしまう。


 焦りが、汗と共に伝う。


 退けば、斬られる。前に出ても斬られる。


 だが活路は、前にしか切り拓けなかった。


 意を決して、香流羅は動いていた。



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