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咎人の詩  作者: 81MONSTER(日本を代表する怪物)ポンコツ犬のタナトス
第七話【魔窟】

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陸



「貴方が、羅刹ね。刹那ったら中々、良い男を連れて来るじゃない」


 品定めをする様に、砂羅(さら)は羅刹をまじまじと見た。


 《禍人の血族》特有の不思議な力を、砂羅から感じた。恐らく砂羅は香流羅(かるら)よりも、遥かに強い。


 タリムが居ない今、闘いに成れば勝てる気がしなかった。


「あら、嫌だわ。取って喰ったりはしないから、そんなに身構えないで」


 愉(たの)しそうに、笑みを浮かべる砂羅。


 敵意は全く感じられない。


「貴方には、何の怨みもないわ。其れに私は刹那を護れれば、其(そ)れで良いのよ。だから、貴方が刹那を護ってくれて、感謝してるのよ」


 優しい眼差しを向ける砂羅。


「ほら。お姉ちゃんだって、こう言ってるんだから。戦騎騎士と《禍人の血族》だって、きっと解り合える日が来るわよ!」


「其(そ)れは、無理だ」


「其れは、無理よ」


 羅刹と砂羅の言葉が、重なる。


「私は彼の敵には成らないけど、香流羅は違うわ」


「どうして、そんな事を言うの?」


「あの子は、憎しみに囚われているわ」


「俺も、そう思う。奴と刃を交えた時に、奴から計り知れない憎しみを感じた」


 憎しみに妥協は生まれない。


 狂気に染まった炎の様に、相手だけではなく己までもを焼き尽くす。


 其(そ)れに香流羅の過去には、何か在(あ)る様に思えて為(な)らない。其れが何なのかは解らないが、憎しみの根源は其処(そこ)に在る気がした。


 そして恐らく、砂羅は何かを知っている。微笑を浮かべてはいるが、砂羅の瞳の奥にも、憎悪の炎は宿っていた。戦騎騎士と《禍人の血族》は、決して相容れないのだ。


「……さ、こんな所で立ち話も何だから、上がって。御節と御雑煮ぐらいしかないけど、心から持て成すわ!」


 砂羅の笑顔は、刹那と同様に屈託がない。其れに、温かかった。


 羅刹の警戒心は、何時(いつ)の間にか解(ほぐ)れていた。



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