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咎人の詩  作者: 81MONSTER(日本を代表する怪物)ポンコツ犬のタナトス
第六話【食堂】

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 小さな食堂の片隅で、羅刹と刹那はカツ丼を食べていた。


 早々にカツ丼を平らげる羅刹とは対照的に、刹那は全く箸を付けていない。


「食わないのか?」


「タリムさんに、貴方の過去を少しだけ聞かされたの……」


 幼い頃から鬼子と呼ばれ、み嫌われて育った事。両親に捨てられて、札付きと成った事。そして、生きる為とは言え、多くの悪事を働いてきた事。


 の事実を、タリムにって知らされた。羅刹に対して、軽蔑けいべつの感情は無かった。あわれみの感情も無かった。の当時と現代では、物事の考え方が根本的に違う。


 想像を絶する様な生涯を、羅刹は歩んで来たのだろう。刹那の心を、哀しみが満たしていた。


 今の羅刹が騎士として、魔徒を滅ぼす者だと言う事は以前から知っていた。


 けれども、れが生前の罪滅ぼしでる事は知らなかった。


 羅刹の胸中を、自分でははかれる物ではなかった。羅刹の抱える闇を、消し去る事も出来ないのだろう。れでも、刹那は羅刹の力に成りたいと考えていた。一体、どうすれば良いのかは、解らなかった。


「刹那ちゃん、貴方は気負う必要はないわ。只、羅刹の傍に居てあげるだけで良い。貴方のお陰で、羅刹は変わり始めたのよ」


 優しいタリムの声が、頭の中に流れた。


「羅刹。ゆっくりで良いから、己の闇を払ってきなさい。そして、多くの命を護るの。そうすれば、きっと貴方の心は、光に満ち溢れるわ」


 諭す様に、羅刹にささやく。


「俺は……人を護りたい。の間の様な、哀しみに満ちた人間を誰一人、生み出したくない」


 真っ直ぐな瞳を、刹那に向ける。


「刹那。勿論、お前もだ。例え、お前が《禍人まがびとの血族》でったとしても、俺はお前を護りたい!」


「えっ……?」


 戸惑う刹那。


「羅刹、貴方……れが一体、何を意味しているのか、解ってるの?」


「解っているさ」


 刹那には、羅刹の言葉の意味が解らない様だった。どうやら、何も知らずに育って来たのだろう。《禍人の血族》の事も、自分の力の事も、無自覚なのだ。


「刹那ちゃん。戦騎騎士と《禍人の血族》には、大きなみぞるの——羅刹!」


 話しを中断して、羅刹は立ち上がった。


「直ぐ近くに、魔徒まとの気配を感じる」


 周囲を探る様に、羅刹は辺りを見廻みまわしていた。



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