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咎人の詩  作者: 81MONSTER(日本を代表する怪物)ポンコツ犬のタナトス
第一話【化物】

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 幼い頃の記憶を辿ると、いつも同じ景色へと行き着く。そしてれは、夢の中にあらわれていた。


 刹那せつな微睡まどろみの中で、光の騎士の姿を捉えていた。


 霧深い森の中で、幼い刹那を怪物達が取り囲んでいる。


 此の世の者ではない姿をした怪物達。幼いながらに、刹那は死を直感していた。目を閉じて、死を覚悟した次の瞬間。聞くに堪えない唸りの様な、鈍く恐ろしい叫び声が木霊していた。


 の声は、怪物達の断末魔の叫び声でった。


 刹那の視界に飛び込んで来たのは、光に包まれた騎士の姿で在る。黄金色に輝く鎧に身を包んだ騎士は、誇らしげに雄々しく佇んでいる。其の姿が余りにも美しくて、刹那は魅入っていた。


 無骨な風貌だが、優しい眼をしている。騎士の穏やかな笑みが、幼い刹那の心を和らげていた。


 の直後、刹那は気を失っていた。


「刹那、遅刻するわよ!」


 姉の叫び声が、刹那を現実へと引き戻す。


 時計を見ると、止まっていた。昨夜から電源をけたままにしていたラジオからは、八時の時報が流れていた。


「いっけない。急がなきゃ!」


 刹那は飛び起きると、物凄い勢いで身支度を始めた。着替える刹那の鼓膜を、ラジオのニュースがでた。御影みかげ町を騒がす連続猟奇殺人事件に関するニュースで在ったが、今の刹那には近隣の情報よりも、迅速に登校する事の方が重要だ。


 刹那の通う私立晴明女学院は、校則の厳しい学校で在る。遅刻なんて、もっての外だ。


 遅刻者には、厳しい罰則が課せられるのだ。


「刹那、朝ごはんはどうするの?」


 姉が溜め息混じりに問い掛ける。


「要らない!」


 髪を結い上げると、刹那は鞄を持って家を出た。


 走りながら、刹那は腕時計を見る。後、五分しかない。学校までは未だ幾許いくばくかの距離がったが、刹那の足でらば、ぎりぎり間に合う筈だ。


 何としても、間に合わせなければらない。


 角を曲がった直後、刹那は何かにぶつかり転倒していた。


「何だ、お前は?」


「ごめんなさい!」


 見上げると、自分と同い年くらいの少年がいた。


 不思議な少年だった。全力疾走で激突した筈なのに、少年は微動だにしていない。ぶつかった時の衝撃はまるで、巨木か何かの様に重かった。


 黒いコートに身を包み、静かな物腰で此方おちらを見据えている。其の顔には大きな斬り傷がる。尋常な事でく様な傷では無い。思わず刹那は息を呑んでいた。れに少年の眼が、此方こちらを睨みけている。


 の視線は、触れれば斬れる様な鋭利な刃物を思わせる。他を圧倒させるの瞳に、刹那は何処どこか哀しさの様な物を感じていた。けれど……ふと、我に返ると刹那は思わず叫んでいた。


「いけない。遅刻しちゃう!」


 立ち上がると刹那は又、走り出した。


 本当に不思議な少年だった。


 雰囲気が何処どこか、幼い頃に出逢であった光の騎士に似ている。


 そう逡巡しゅんじゅんしたのは一瞬の事でる。


 刹那は猛スピードで、学校へと向かった。



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