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咎人の詩  作者: 81MONSTER(日本を代表する怪物)ポンコツ犬のタナトス
第十四話【親子】

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「御法院さん……御法院刹那さん。第二診察室へお越し下さい」


 受付の看護師の事務的な言葉に、刹那は立ち上がる。


 先日、受けた傷を治す為に、病院へと足を運んでいた。刹那には傷を癒す力が在ったが、自分の傷を癒す事は出来なかった。


 第二診察室へと足を運んでいると、表情の暗い男に出会でくわした。異常に迄、痩せ細っていて血色が悪い。其の眼は陰鬱な印象を抱かせていた。其の手には、猫程の大きさの何かをタオルにくるんでいた。中身までは解らない。


 何か途轍もなく厭な気配を嗅ぎ取ったのか、刹那の全身を戦慄が走っていた。魔徒の様な邪気は感じられない。だけど、吐き気がする。醜悪な気配を纏わせながら、男は此方に微笑み掛けていた。


「刹那ちゃん、気を付けて。彼からは、魔徒の気配がするわ」


 タリムの声が、頭の中で響いた。


「在の人……やっぱり、魔徒なの?」


「良いえ。彼は人間よ。魔徒に、魅入られてるわ」


「じゃあ、助けなきゃ……」


 立ち去ろうとする男の後を、着ける刹那。


「駄目よ、刹那ちゃん。危険だわ!!」


「心配しないで、タリムさん。後を、着けるだけ……」


 刹那は、ふと立ち止まっていた。


 男の姿を見失ったからだ。辺りを見廻す刹那の背後に、厭な気配を感じて慌てて振り向いた。


「此れは、美しいお嬢さんだ。私に、何の様かな?」


 男の底無しにくらい瞳が、わらった。


 空洞の様な、其の双眸に見詰められて、全身を厭な物が撫でる。


「刹那ちゃん、逃げて!!」


 叫ぶタリムの甲斐も無く、男に何かを嗅がされて刹那の意識は無くなった。



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