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ミノタウロスじゃありません!  作者: name


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ミノワVSドラ

「どうなってやがる」

 大剣を構えたまま、ドラは戸惑っていた。

 自分の攻撃は何度も当たっている。

 普通なら死んでいてもおかしくはない。


 だというのに……。

 

 目の前の男は平然と立っている。

 剣をどれだけ振っても斬れないのだ。

 皮膚が赤くなってはいるものの、血の一滴も流れていない。

 ダメージもないのか、いくら攻撃しても微動だにしない。


「なぜ斬れねぇんだよ!」

 ドラは吐き捨てるように言った。

 目の前にいるのは鎧どころか服すら着ていない裸同然の格好をした奴だ。

 隆起した筋肉には目を見張るものがあるが、人の肉が剣で斬れないなんてことはありえない。

 魔法で防御力を上げているなら別だが、戦いが始まってから魔法を使った様子はなかった。

 だとしたらなぜ、この男を斬ることができないのか? ドラは困惑していた。


「オレの鋼の筋肉は刃を通さんのだ」

 強固な筋肉をアピールするかのように、両腕を曲げ上腕二頭筋を強調させるポーズをとる。


『鋼の筋肉』


 それがミノワのギフトの恩恵だ。

 ホーガンに助言を受けたミノワは鑑定屋でマスクの鑑定を行った。

 案の定、ミノワタウロスのマスクはギフトでいくつかの恩恵が付与されていることが判明した。

 そのうちの一つが『鋼の筋肉』である。

 効果は斬撃耐性と刺突耐性だ。

 耐性と言っても斬れない、刺さらないだけでダメージはある。

 斬れなくても鉄の塊で殴られれば痛いのは当然だ。

 だが、ミノワはプロレスラー。打たれ強さに関しては他の追随を許さない。

 そんなミノワの打たれ強さを、更に強固にしているのが、もう一つの恩恵『受けの美学』だ。

『受けの美学』はミノワがしっかりと攻撃を受けたときダメージを軽減するというものだ。

 しっかり攻撃を受けるとは、単純に攻撃を食らうことではない。

 プロレスラーは打撃技でも投げ技でも、まともに食らっているように見えて受け身を取っている。言うなれば『受けの美学』とは受け身の効果を増幅させるようなもので、不意打ちなどには効果を発揮しない。

 以前カイトたちの不意打ちに意識が飛んだのはそのためだ。


「ウォォー!」

 剣を振り上げ、叫びながら突進するドラを、待ち構えるミノワ。

 ドラの大振りの攻撃は受けるのも容易い。

 つまりドラの攻撃は『鋼の筋肉』により刃が通らず『受けの美学』をによってダメージも軽減されているのだ。

 そんなことを知るはずもなく、再び大剣で斬りかかってくるドラをミノワは迎え撃つ。

 胸を出して攻撃を受け止めると、お返しとばかりドラの腹部を膝で蹴り上げた。


「がっ!」

 ニーリフトの威力にドラの体は、くの字に曲がり宙に浮く。

 大きく空いた口からは涎が流れ出ており、息がもできず苦悶の表情を浮かべそのまま倒れこんだ。 


「くっ、い、いてえ」

 脇腹を押さえながら起き上がろうと片膝をつくと、腰のバッグをまさぐり液体の入った小瓶を取り出し、口に含んだ。

「肋骨いったぞオイ」

 空になった瓶を捨て、口元を腕で拭いながら起き上がったドラは大剣を構えた。

 もう、脇腹を気にする様子はなくなっていた。


「斬れなくても」

 他に攻撃手段がないのか、ドラは再び剣を振り上げた。

 芸のない攻撃に見ている者も皆、大したダメージは与えることはできないと、そう思った。


「うおっ!」 


 だが、今回の攻撃はこれまでとは違っていた。

 振り下ろされたドラの大剣が炎のような赤色に変わり、攻撃が当たると同時に爆発を起こした。

 続けざま、爆発の衝撃で体勢が崩れたミノワの脇腹を赤い大剣が斬り上げ爆発が起こる。

 攻撃をまともに食らったミノワは爆発の衝撃で吹き飛ばされ地面に転がった。


「どうだい、爆撃斬の味は」


 倒れているミノワを見ながらドラは勝ち誇ったように言った。


お読みいただきありがとうございます。

次話もご一読いただければ幸いです。

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