神格再編機関・中枢会議
ー 神格再編機関・中枢会議 ー
太陽系外宙域。
宇宙空母ユニコーン 神格再編機関の旗艦。
艦中央、神格制御炉の真上に設けられた円形会議室。
重力は静かに安定し、窓の外には星々の残光が流れている。
中央席に立つのは――神帝ダヴィンチ。
その左右に、
副司令ガロン。
参謀長ユーイ・ロン。
周囲には各分隊司令達が並ぶ。
元からダヴィンチを支えてきた思想派幹部。
元宙帝軍の将軍。
外宇宙の武装海賊団長。
反神派の理論家。
顔ぶれは混成。
だが、空気は一つ。
「揃ったな」
ダヴィンチの声が低く響く。
ガロンが前へ出る。
「地の国脱出組、戦力統合完了。艦隊戦力は計画比+18%」
ホログラムに戦力図が浮かぶ。
ユーイが補足する。
「太陽系内部は一時的に混乱。だが神帝側の対応は早い。長期戦は避けるべき」
元宙帝将軍が腕を組む。
「神帝達は動くか?」
ダヴィンチは静かに答える。
「動く。だが焦らない」
宇宙海賊団長が笑う。
「神に喧嘩売るのは初めてだ。派手にいこうぜ」
「派手は不要だ」
ユーイが即座に切る。
「我々は革命家ではない。“再編者”だ」
その言葉に何人かが頷く。
ダヴィンチはゆっくりと全員を見渡す。
「確認する」
神格の光がわずかに揺らぐ。
「我々の目的は支配ではない」
「神の停滞を終わらせることだ」
元からの側近達は迷いなく頷く。
ガロンが続ける。
「神を倒すためではなく、神を更新する」
元宙帝将軍が低く言う。
「ならば神帝達と正面衝突は避けるのか?」
ダヴィンチは首を横に振る。
「必要なら戦う」
「だが主戦場は“思想”と“構造”だ」
ユーイが補足する。
「神々の集いは揺らいだ。
今、各神域には疑念が芽生えている」
「我々はそれを“形”にする」
静かな熱が広がる。
誰も裏切りの気配を見せない。
この場にいる者達は、打算ではなく“選んで”ここにいる。
宇宙海賊団長が拳を叩く。
「俺はあんたに賭けた。最後まで乗る」
元宙帝将軍も頷く。
「神に従う時代は終わる」
ダヴィンチはわずかに笑う。
「良い」
中央に神格炉の光が強まる。
「第一段階は完了した」
「次は――外宇宙拠点の確立」
ガロンが映像を出す。
「候補は三つ。銀河外縁暗黒帯、放棄された神域跡地、あるいは……」
ユーイが静かに言う。
「“観測圏外”」
全員の視線が集まる。
ダヴィンチは目を細める。
「面白い」
そして宣言する。
「神格再編機関は、ここに正式始動する」
艦全体にその宣言が伝達される。
ユニコーンの主機関が唸る。
太陽系外宇宙に、新たな勢力が完全に形を成した。
裏切りの気配はない。
あるのは確信だけ。
神を超えるための機関が、今、動き出す。
(続)




