神の誤算
ー 神の誤算 ー
ー ノア滑走路
風が唸り叩きつけるような豪雨で視界は最悪だ…
「リリア支部長!対神殲滅兵器ゴッド・スレイヤー、発射準備完了!」
滑走路に置かれる“異質な存在”
「…最悪の天候ね」
リリアは空を見上げる。
「でもこんな実験日和もないわ…」
その瞳は狂気と期待に満ちていた。
「標的は創造神ダヴィンチ
さぁ…神を殺しましょう…」
「カガミ粒子の充填完了!」
「出力安定!いつでも発射可能!」
「了解……そのまま待機」
一呼吸。
リリアは通信を開く。
「ヒメナ…撃つわよ!」
「あぁ…見せてもらうよ…対神兵器の性能を…」
短い返答…ヒメナの覚悟は決まっている。
リリアは腕を振り上げる。
「さぁ…撃てぇぇ!!」
「ゴッド・スレイヤー砲門解放!
カガミ粒子砲……放射!!」
プシュゥゥン………
音は静かだったが放たれた“それ”は空間を裂く“死”そのものだった。
ー 戦場
「……ん?」
テンオオが眉をひそめる。
「何か来る…エンマ、伏せろ!」
「おぉ!?」
二人は即座に伏せる。
次の瞬間カガミ粒子砲がダヴィンチへ到達する。
ドドドドォォォォン!!
遅れて轟音…空間が歪み世界が震える。
「……っ!!」
ダヴィンチが右腕を前に出す。
「防護魔壁!!」
透明な壁が展開される。
一瞬止まる…だが…
「なに……!?
止まらん…!?この攻撃…魔壁を“無視”しているのか!?威力も減衰しない…破られる!!」
次の瞬間……バキィィン!!
魔壁が砕けた。
「ぐっ——!!」
カガミ粒子が直撃し右腕が消し飛ぶ。
「……は?」
ダヴィンチはすぐに再生を試みる。
だが腕が戻らない…
「……ん?なぜ再生できない?なぜだ……?」
自らの身体を見つめる。
「……戻らない」
その事実は神にとって“致命的”だった。
ー ノア滑走路
「……チッ」
リリアが舌打ちする。
「少しズレたか」
オペレーターが息を呑む。
「ですが……成功です」
「えぇ」
リリアは静かに笑う。
「十分すぎる成果よ」
モニターに映るのは腕を失い再生できない神。
「カガミ粒子は神の再生機構を阻害する。
つまり… 神は“殺せる”」
ゆっくりと言い切る。
雨音が強くなる。
世界が変わる音のように。
ー 戦場
ダヴィンチは自分の腕を見つめていた。
「……なるほど、これがカガミ粒子…」
ゆっくりと笑う。
「面白い…」
その瞳は、怒りではなく“興味”だった。
「哀れな人間が…ここまで来たか…」
「ダヴィンチ様!大丈夫ですか?これ!ゴッド・スレイヤーですよ!週刊兵器で読みました!」
ガランは叫ぶ…
「うるさい!黙れ!わかっておる!
この兵器は危険だ…優先的に排除する…」
エンマが刀を担ぐ。
「おぉ…効いてる…」
テンオオが翼を広げる。
「流れが変わったな…」
遠くでタカヤが呟く。
「これが…対神兵器…リリアさん凄い…」
“神を殺せる”その事実が戦場の均衡を崩した。
「ダヴィンチ様!」
ガランが叫ぶ
「うるさいと言ってるだろ!黙れ!」
「いや、違うんです!ポイント・ゼロが…
宙帝艦隊に囲まれました!帝神もいます!」
「な、なにぃ〜!」
その報告を聞いたダヴィンチの顔は歪んでいた。
(続)
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公開情報
・カガミ粒子(KAGAMI Particle)
(通称:デウス・イーター粒子)
発見者 カガミ・レイジ博士
元・政府軍最高科学顧問
エネルギー研究の第一人者
・カガミ・レイジ 男性 三十歳 from地球
マサチューセッツ工科大学に所属する天才博士
3年前カガミ粒子発表より半年後に行方不明に…




