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四十五
この手紙が貴方に届くか分かりません。ですが、どうにか貴方に届いて欲しいのです。
私は貴方にとって最悪な人間であったと自覚しています。恥を晒し、決意を貶し、後腐れのない離縁を断りました。
ですから、ですから、これは私の謝意です。
傲慢な私を許して欲しいとは言いません。この私を記憶の端から消して欲しいとも、私は言えません。とてつもない、後悔を貴方にさせてしまったことを私は謝罪する機会が欲しい。
それはもう、叶わないことかもしれません。叶うときは貴方がもう、私を完全に忘れきったときかもしれません。
ただ、どんなに貴方が私を恨んでいたとしてもこの手紙だけは届いて欲しいのです。
傲慢な私から、貴方に
──廃電車の中で発見された手紙




