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怪異に乙女とチェーンソー  作者: 重弘 茉莉
愚者のハーレム
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第8章-9 愚者のハーレム

帝都大学が焼失した数日後の昼過ぎ、ジュリの携帯電話に着信が入る。

それは警視庁で怪異担当課の人間である、清水からであった。


『もしもし、ジュリか。今、時間良いか?』


「ええ、こっちも聞きたいことがあったし」


『聞きたいこと?』


「いえ、後でで良いわ。それで?」


『ああ、お前らの話を聞いて、植野教授を洗っていたんだが、どうやら協力者が居たみたいなんだ』


「協力者?」

ジュリは眉をひそめた。


『ああ、空港で例の植物を搬入してるときの監視映像があったんだが、植野教授と変な男が写っていたんだよ』


「どんな男なの?」


『身長は190cm前後、ガリガリに痩せた気味悪い男だな。この野郎、ドラッグでもやっているのか、やけに顔色が悪いな』


「やっぱり、ね。他の情報は?」


『やっぱり? いや、他の情報はまだだ。 ……なあ、なにがやっぱりなんだ?』


「植野教授を前から知っていたけど、こんなことをする人じゃないのよ。なにか狂気に走るきっかけがあったんじゃないかと、思っていたの」


『そうか……取りあえず、お前の端末に、その不気味な男の写真を送っておくから、何か分かったら連絡してくれ』

そう言い残すと、清水は通話を切ったのであった。



 通話を終えたジュリは、携帯電話を放り出すと、ベッドに寝転びながらパソコンを開く。

デスクトップ上にメールの通知があり、通知画面をクリックすると、そこには清水からの簡潔な情報と、写真が添付されていた。


 ジュリは画像を開き、拡大する。パソコンの画面いっぱいに、不気味な男が映し出された。その男は清水が行ったように、ガリガリに痩せていて、目の下には大きなクマがある不気味な男であった。

「この男が原因……?」


 ジュリは寝転びながら、画像を凝視する。ふと、窓の方から視線を感じたジュリは、一気にカーテンを引いた。


そこには、何もない青空が広がっていた。


「気のせい……?」


 ジュリが目を離した瞬間、画像の男の目が、ぎょろりと動き、ジュリの動きを追う。



ジュリは、カーテンを閉めると、ベッドに寝転んだ。そして再び画像を見つめ始めたときには、男はただの画像と化していた。

ジュリは画像の男に見覚えなかったが、何か嫌な予感がするのを感じていたのであった。

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