第2章ー1 妖精博物館
これまでの登場人物
・奏矢ジュリ
大型チェーンソーを振り回し、怪異を狩り続ける。一家で怪異狩りの依頼を請け負っているが、休みの日が潰されることを非常に嫌がる。
都内の理系大学に通っており、専攻は応用生物学科。学年は2年で、20歳。髪型はショートで黒髪。碧眼であり、膝上ぐらいの長さのスカートを(怪異狩りのときも)好んで着用する。
好きな色は黄色。
・奏矢ジョン
奏矢ジュリの兄で、怪異狩りのときには銃火器を好んで使用する。依頼の時には、妹とともに向かうことが多い。身長178センチで体重は89キロ。髪型はツーブロックで、妹とは違い黒目、黒髪である。怪異狩りのときには、軍用の分厚いジャケットを着込む。
現在年齢は25歳で、日々修行と食い扶持を稼ぐために家業に邁進している。
好きな色はワインレッド。
バリバリ、ぐちゅ……
ずるり……
咀嚼音が響く。
「た、たす……」
男が壁に寄りかかったまま呻いた。男は服装から、警備員のようであった。
ぴちゃり……
……
ぴちゃり……
水音も響く。
薄暗闇の中、その男の周りに飛ぶ小さな、それは小さな羽のある人影。
「い、いや……だ……」
バリバリ、ぐちゅ……
ずるり……
男にたくさんの小さな黒い影が、取り付き、蠢く。
ぴちゃ……
ぴちゃ……
目の辺りから、丸い物が床に転がる。
バリバリ、ぐちゅ……
ずるり……
音は、止まない。
咀嚼音と男のうめき声が、いつまでも続いていた……