表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怪異に乙女とチェーンソー  作者: 重弘 茉莉
番外章:山の中で
153/229

EX2-1

  雅司(まさし)はジッと息を殺して一点を凝視する。口元に手を当てて声が漏れないようにする。

額には油汗が浮き、緊張からか口元から漏れ出る吐息は火傷しそうに熱い。



(早く、早くどっかに行ってくれっ!)



 雅司は簡易テントの隙間から外を眺める。テントの隙間から濃厚な血の――鉄さびの臭いが外から流れてきており、雅司の鼻腔をツンと刺激する。

明かり1つない真っ暗な夜。だが澄み切った山の空気のお陰か、星明かりが辺りをほのかに明るくしていた。テントに映る黒い影。そこには2メートルを超える”真っ黒な毛むくじゃら”が鼻先をふんふんと鳴らしながら辺りを





ずる、ずる。



 何かを引きずるような奇妙な音。

その音が雅司のいるテントの周囲を円を描くように雅司の耳に入る。口を押さえた両の手の平が熱い。涙目になりながらもずっと己の周囲を周り続ける”それ”から目が離せないでいた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ