薬草狩り
私は、ガシガシと森の中へ分け入っていきます。
ここの森は大分管理されているのか普通に歩いていけますね。
まぁ、毎日沢山のプレイヤーが入っているんですから当たり前ですよね。
放置されている森は下草とか枝とかものすごいことになっていてまともに歩けませんからね。
鉈とかブンブンしながら歩くとか私には難しいです。
ブラウニーがもっと大きくなれば道を作りながら歩いていくことが出来るようになるでしょうか?
とりあえず、まずはポーションの材料を集めなくてはですね。
「たしか、ポーションの材料を意識しながら辺りを見回してみればいいんですよね。」
ポーションの材料、薬草類をイメージしながら森の下草を眺めてみます。
すると、草の中に数本、ぼんやりと光って見える草が有ります。
あれが薬草ですね。
私は、ぼんやりと光っている草に近づいて摘み取ります。
「アイテム名は『ヤモギ』薬と植物のカテゴリーのアイテムですね。」
生産を行うにはこのアイテムのカテゴリーが重要になってきます。
このゲームではアイテムのレシピはかなり大雑把で、カテゴリーによる表記のみなのです
例えば、ポーションなら液体カテゴリーのアイテムと薬カテゴリーのアイテムを使うことで作ることが出来ます。
このとき、液体カテゴリーのアイテムなら何でもいいですし、薬の方もおんなじです。
ただ、使用するアイテムの違いでポーションの回復量が増えたり、解毒などの特殊効果がついたりします。
更に、薬草を乾燥させたりすりつぶしたり、調合で作った薬カテゴリーのアイテムを使ったりと色々工夫することで効果が上がったりするらしいです。
このあたりに生えている薬カテゴリーの植物はヤモギだけみたいですね。
それでは、ヤモギを中心に何か気になったものを採取していきましょうか。
薬にならない植物でも、錬金術を使えば同じ植物カテゴリのアイテムの品質を上げたり、新しい植物に変化させたり出来るので使い道があるのです。
「二人とも、この薬草を探してくださいね。」
信玄とブラウニーにもヤモギを見せます。
ブラウニーは鼻を近づけ、ふごふごと匂いを確かめています。
そして、分かったとばかりにヴォウと鳴いて、辺りを嗅ぎ回り始めました。
信玄は……
スライムって、目や鼻はあるのでしょうか。
なんか、探し物には一番不向きだった気がしてきましたよ。
それでも、ヤモギを近づけてあげると、ぽよぽよとヤモギと突っついて? 何かを確かめてからぷるぷると茂みの方へ向かっていきました。
「あ、あんまり遠くへ行っちゃだめですからね。」
そう声を変えると、ブラウニーも信玄も一回こっちを見て、分かったと言う感じでうなずいたりプルプルしたりしています。
それでは、私も探していきましょう。
今回はポーションの材料でなく、ヤモギを意識しながら周囲を見回します。
すると、さっきよりはっきりと、広い範囲でどこにヤモギがあるか分かる気がしました。
「ふむ、漠然とした手がかりで探すより、明確に対象を絞った方が見つけやすくなるみたいですね。」
これなら、一時間もあれば結構な数のヤモギを集められますね。
っと、そういえば、チュートリアルクエストの方も完了させておかなくちゃですね。
とりあえず採集はしたので調合の方も錬金の方も両方完了してますね。
次のクエストは……
やっぱりアイテムの加工ですか。
これは、町に戻ってからやりましょう。
後は、ヤモギを集めつつ、他にも何かないか見ていきましょうか。
錬金術用のアイテムも集めていきたいですからね。
錬金術は、メインは素材から素材への変化。
例えば、鉱石から違う種類の鉱石を作ったり、鉱石自体の品質を高めたり、異なった鉱石の特性を引き継がせたりで、どんな素材も使うことが出来る代わりに、採集の補助がかからないからちょっと厄介なのですよね。
まぁ、練習用ならそれこそ石ころから、その辺に生えている草類全部突っ込めるのですが。
ヤモギとその辺の草をあわせて、高品質のヤモギを作ったりすればいいだけですから。
でも、せっかくなら色々試してみたいですよね。
まぁ、このあたりで拾えるものは大抵先人たちがあらかたやり尽くしているとは思うのですが。
そんなことを考えながらヤモギを集めていると、がざごそと音を立てながらブラウニーが頭に震源を載せて此方に近づいてきました。
「あれ、どうしたのですか。 ヤモギ、見つかりませんでした?」
そう尋ねると、ブラウニーは違うという感じでヴォ~と鳴いて、信玄が私のほうへぴょんと飛びついてきました。
私は、信玄をとっさに受け止めるとその異変に気がつきました。
なんと、よく見ると信玄の体の中にビー玉位の大きさの緑色の塊が沢山浮いていたのです。
「信玄!! こて、一体どうしたのですか。 え、何かから攻撃されたとかじゃないんですよね。」
そう尋ねると、ぷるぷるとして、違うという意思を伝えてきます。
そして、ぶにゅんと体内の緑の塊を排出して、あげるって感じの意思を伝えてきます。
「え~と、これをくれるのですか。」
私は、信玄の吐き出した緑の塊を手に取り調べてみます。
すると、どうやらこれは薬に使えるアイテムの用です。
「え~と、『ヤモギゼラチン』ですか。 スライムの体内でヤモギの成分を濃縮しゼラチンで固めたものでなんですね。」
おぉ、これってそのままヤモギを使うより効果が高くなるってこどでしょうか。
召喚獣によっては生産系のスキルの補助も出来るとは聞いていましたがこういうことなのですね。
「信玄、ありがとうございます。これでいいポーションが作れそうです。」
私は信玄にお礼を言いつつぷにゅぷにゅとなでてあげます。
信玄もうれしそうにぷるぷるしています。
「ブラウニーも、信玄を運んでくれてありがとうございます。」
そういって、ブラウニーの方もなでなでします。
うん、いいふかふかです。
よし、この調子でどんどんアイテムを集めていきましょう。
あ、この落ちている小枝とかも確か集めて、錬金術を使えば板材とかに変えることができるのですよね。
今のと木工のスキルは持っていないのですが、そのうち取るかもしれませんし集めておきますか。
本当は木を切るのが早いらしいですが、斧とかは持っていないですし、木工がないと細かく分けるのも大変らいいですからね。
そうしてしばらく、小枝を拾い集めていると。
「ヴォ~」
ブラウニーが何かを見つけたのか、私に向かって鳴いた後に何かを加えてこっちへ来ます。
そして、私の目の前に加えていた何か茶色の塊を落とします。
私は、それを拾い上げると、調べてみます。
「これは…… あぁ、胡桃なんですね。そっちに落ちていたのですか。」
ブラウニーは私を先導するようにとある木の前まで歩くと、徐に立ち上がり、その木を揺らし始めます。
すると、木の枝から沢山の胡桃がふってきました。
「お~、胡桃はもう種の状態で木に生っているんですね。この辺は流石にゲームですか。」
まぁ、流石に胡桃の果肉剥がしなんてゲームでやりたくはないですからね。
あれ、腐らせて剥がすから結構におったりするのですよね。
私はブラウニーが落としてくれた胡桃を拾い集めて、インベントリ内へとジャラジャラと突っ込んでいきます。
インベントリの容量はアイテムの数ではなく体積で計算されるらしいですからこのくらいならまだ入るでしょう。
「まだ30分ぐらいですが、思ったより集まりましたね。これなら、今日中に生産まで取り掛かれそうですね。」
そう考え、私は町へと引き返すことにしました。
「ブラウニー、信玄、帰りますよ。」
二人を引き連れ、私は歩いてきた道を引き返すことにしました。
次は23日にでも




