6話 図書室に行きたいの
私は、一晩寝たら、疲れもすっかりとれた。子供の体はすぐに回復していいな……
昨日の予定通り、私は、今日図書室に行く。
「おはようございます、お嬢様」
エマが起こしに来てくれた。手にはいつも通り、固いパンと薄いスープが乗ったお盆を持っていた。私は、両親やお姉様と違って、食事を用意してもらえない。だから、エマがパンを朝早くにこっそり取りに行ってくれる。でも、スープはエマがお湯に調味料と残っていた食材を適当に入れただけのものだった。
これが2年も続いている。しかし、よくよく考えてみると、こんな食事しかとれない、この公爵家でも自分の立場に腹が立ってきた。
(いつかは、こんな食事なんかじゃなく、もっとちゃんとした食事を食べられるようにしないと……)
「おはよう、エマ」
私は、心の中で怒りの炎を上げていたけど、エマに微笑みながら返事をした。
「昨日はお疲れでしたか?お早めにご就寝なさってましたが?」
「あっ、うん。ちょっと疲れちゃったの」
昨日は、いろいろあったから疲れて、エマに言わずに早く寝たことを忘れていた。
「そうですか…今日は大丈夫ですか?」
「うん!たくさん寝たから大丈夫だよ」
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朝食(とは呼べないほど質素な食事)を済ませた。
「今日もお部屋で本をお読みになりますか?」
今日は、図書室に行って、勉強するって決めたんだ。
「ううん。私、公爵家の図書室に行きたいの」
「図書室…ですか?ですが、お嬢様…お部屋の外に出られても大丈夫なのですか?」
本当に大丈夫と言えば嘘になる。でも、周りの視線を気にして、部屋に籠っていては、強くなることはできない。
「うん…私、勉強がしたいの…図書室に行けばたくさんの本があるんだよね?」
帝国の3大公爵家の図書室がしょぼいわけがない。前世の学校の蔵書くらいは、最低でもあるはず……
「お願い、エマ…ずっと部屋に籠ってばかりで過ごしたくないの」
エマを見上げて頼んだ。エマは昔からこの表情に弱かった。
「うっ……分かりました…ですが、イヤな気分になったらすぐに言ってくださいね。すぐにお部屋に戻りましょう」
エマは、私のお願いモードに屈して、許してくれた。
「分かった!エマ、ありがとう!」
私は、エマに抱き着いた。
「もう、お嬢様ったら……」
エマは、私の頭を撫でてくれた。エマも、私に抱き着いてもらえて喜んでいるみたいだった。




