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暴走十二話

イキる里見軍であったがその頃、北条氏照も祇園城を陥とし、さらに唐沢山城までも落とした。

「よし、この勢いで上杉も里見も、関東から叩き出してくれる!」

声高に叫ぶその一方で、南伊豆では里見の影が濃く忍び寄っていた。

里見軍の矛先は、北条氏繁が守る下田城へと向けられる。

常道ならば籠城に拠るべき局面であったが、氏繁はあえて城を出、決戦を選んだ。伊豆箕作の戦いである。

「大軍相手でも、やってみなければわからん!里見ごときここから押し出してやる!」

その言葉は勇ましかったが、周囲の地はすでに里見軍に押さえられ、援軍の望みは露ほどもなかった。兵士の心は冷え、刃の冴えも鈍っていた。

やがて戦は大敗に終わる。

それでも氏繁はなお城に立て籠ろうとしたが、秋元長朝が諫める。

「殿、ここはもはや持ちませぬ。お逃げくだされ…」

氏繁は渋々、城を後にした。

「ふぅ……ようやく投降できるわ。いっそ里見に身を寄せるも一策かもしれぬな」

その言葉には疲労と諦念がにじんでいた。

かくして下田城は落城し、秋元長朝は里見に降ったのである。

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