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魔法少女☆ソルシエ  作者: Rio.K
33/38

30話 ー プルミエット・ルヴァン ー

東山きい。それは洗崎めいの憎しみと絶望の結晶だった。




「そんな、、。あたしが、、、あたしがきいをそんなに苦しめてたなんて、、。ごめん、、なさい、、。」



「苦しめた?あんたが、あたしを?

冗談やめてよ。そんなもんじゃないから。

あんたはねぇ、あたしのパパを、、殺したんだよ。」



めいの言葉に一瞬目を見開きりおはすぐに俯いた。

幼い頃といえど、父への自分の無責任な『提案』が世界を大きく変え、その矛先が友達に向いていたのだ。


ちあき、つばさは目の前の光景が未だ信じれられない様子だ。


髪型や顔つき、喋りかたもまるで違う。

しかしそこにいるのがきいであることを3人はすぐにわかった。

どこから何を話せばいいのか全くわからない。

少しの間沈黙が続いた。が、それを破ったのはめいだった。


「だんまりですか。てかさぁー、一個だけ納得いかなくてさぁ。あたしのパパは何回も自殺したってのにどうやっても桐島護を自殺に追い込めないんだよねー。おかしいよね?パパがどんだけ苦しんだかさ、これっぽちも知らないんだろうな、、。」


そう言うとめいは右の手の平を前面に出した。


「これぐらいかな?」



ー ズドーーーーンッ!!! ー




「ギァ”ァァァァァッッッ‼︎」



めいの攻撃が凄まじい速さでりおを直撃する。

その直後立て続けに攻撃を仕掛けるめい。




「ねえ!どうなの!?わかってんの?

あんたのせいでさ!パパは死ぬより辛い思いして!苦しんで苦しんで死んでったんだ!

、、フフフフッ、、、ハハハハハッッッ、、

殺さないよ?殺さないでとことん痛めつけてゴミみたいにおまえを宇宙の片隅に転送して捨ててやるよ!」


気絶寸前までダメージを負わせ、そこで回復魔法をかけまたダメージを負わせることによってりおの精神をとことん追い込むめい。



「やめろ、、。やめろぉぉきいぃぃ!!」



ー スパーーーーンッッッ ー



つばさの攻撃がめいの頬をかすめ、めいの攻撃が止まった。

いままでりおの方に向いていた視線をゆっくりとつばさの方へ移し、恐ろしい剣幕でつばさを睨みつける。



「へぇ、、やるじゃん。大変よくできました。でもねぇ、あんたやっぱりダメだわ。わざと攻撃ずらしたでしょ?

だからいつまでたってもシングル止まりなんだよ。あと何度も言ってるけどあたしは『めい』だから。名前間違えないでくれる?」



そういうとめいは再び手の平を前に出しつばさへと攻撃した。



ー ズドーーーーンッ!!! ー



「グハッッ、、、う“ッッッ、、、、」



その場に崩れ落ちるつばさ。

ちあきは急いでりおとつばさに回復魔法をかけようと駆け込む。

ところがめいは一瞬でちあきの前に回り込み片手で首を掴んで腕が伸びきる限界まで持ち上げた。



「ウ”ッッッ、、ぐ、、ぐる、、しい、、、。」



「余計なことすんじゃねーよ雑魚が。

本物の回復魔法ってのはねぇ、こうやるんだよ。」


そういうとめいはちあきから手を離し、つばさとりおに回復魔法をかける。

すると驚くことに二人をほんの数秒でで完全治癒させた。



「、、すごい、、。つばさちゃんもりおちゃんも瀕死状態だったはずなのに、、。」



「こ、、こいつ、、いったい何をする気なんだ、、、。」



「いったい、、何が目的なの、、、。」



一通り魔法を使い終えるとめいは満面の笑みで答えた。



「何ををするっていうかあたしは保ちたいだけだよ。パパの望んだこの秋葉原を現状維持させたいだけ。

パパと藝淑家と多くの偉い人達が秋葉原再開発とアイドル文化繁栄に反対した。


観光地化することで外国人が増えること。

街とアニメがアイドルを取り込むことによって、それまでにない人種やビジネスが介入することになり治安が悪化すること。

この二つがね、反対派が一番懸念してたこと。

どう?改変前はそのまんまになってたでしょ?


アイドル?何それ。ちゃんちゃらおかしーでしょ。人を騙して金を得て、そのくせ平気で人を裏切る。そんな非道なものこの世にあっちゃいけないんだよ。


保井のアイドル、桐島のアイドルアニメのせいでさ、この街を愛していた人がほとんど追い出されたんだよ。

だからさ、もしあんた達が何も言わずこの場から立ち去ってあたしの邪魔をしないって約束するなら、あたしはこれ以上手出ししないし、追いかけたりもしない。パパのことだって許してあげてもいい。どう?心が広いでしょあたし。」



そう話すめいの表情や口調はとても落ち着いていた。

今のこの状況、少なくともめいだけで作り出したわけではない。

4人全員が一丸となってたどり着いた先がこの場所だ。


もしかすると、これでいいのかもしれない。

一瞬そんな言葉が3人の脳裏をかすめる。

そしてしばらくして口を開いたのはつばさだった。


「きい、、、いや、、、めい。

さぞ辛かっただろう。きっと私たちでは到底わかりえない思いを長い間してきただろう。

、、、しかし。おまえは今のこの街の人々を見たか?誰一人として笑っていないじゃないか。

お前がこんな大規模結界を張ってまで守るこの街で、『笑顔』は一つもないんだ。

それでもおまえはこれが正しいと言うのか?

私達は違うぞ。私達は、みんなが笑顔で幸せなこの街を取り戻したかったはずだ。

りおも、ちあきも、それは一緒だ。めい、おまえもそうだったはずだ。」



つばさの言葉にちあきもりおも大きく頷く。

その光景を前にしためいはしばらく下を向き、やがて顔を上げ険しい表情を浮かべた。



「そっか、、。残念、、。だったら仕方ないね。、、、やっぱりおまえらは、敵だ。」



めいは即座に自らの魔力を高め、次第にめいの周りには漆黒のオーラが広がり始めた。

その表情は憎しみと怒りに満ち溢れ、彼女が人間であることも忘れてしまうほどだった。


「あんたたちに見せてやるよ。プルミエット・ルヴァンの脅威を。

、、、これがあたしの、、、、憎しみと絶望だ!」



めいがそう言い放った直後、立っていられるのがやっとというぐらいの風が黒いオーラを巻き上げて吹き荒れた。

3人は今までに感じたことのない底知れぬ魔力を感じ取る。



めいはまあ見ていろと言わんばかりの不気味な笑みを浮かべ、さらにその魔力を増大させていく。



「さあ、ラストステージだよ。

パパ、あたし、絶対守ってみせるからね、、。」



その時だった。



ー シューン!シューン!シューンッ!ー



突然光の柱のようなものが音を立て無数に出現した。

次々とそれは表れ、その中から出てきたのは何人ものソルシエールだ。

そしてその中には、



「シルフ!エルフ!西園寺先生! 、、これはいったい、、!?」



そこには3大ソルシエールと共にに世界各国の錚々たるソルシエールが集結していた。

すでに全員が臨戦態勢だ。その眼光の鋭さは、数々の修羅場をくぐり抜けて来た者そのものを表すようだ。


しかしこの状況はいったいどういうことなのだろうか。

3人はただ目の前の信じがたい光景に唖然とし立ち尽くすことしかできない。




「フッッ、、、来たね、、、。さあ来い雑魚ソルシエールどもぉぉッッッッ!!!!」



一つの街を取り戻すという小さな願い。

その願いはいつしか、世界の明暗を分ける運命の戦いへと変わっていた。



続く

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