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魔法少女☆ソルシエ  作者: Rio.K
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17.5話 ー 精鋭部隊 ー

シュトラフ合宿翌日 魔法協会本部



「ティターニア・ルヴァン、ただいま戻りました。大変ご無沙汰しております。セシール会長。」



「あらあら随分大きくなってティターニア。しばらくぶりね。募る話は後にしましょうか。

動向のほう、教えてもらえるかしら?」



「はい。国望ちあきは本物です。ソレイユの光を十分に受け継いでいます。東山きいなのですが、、、」



「それは大丈夫よティターニア。もうすぐシュトラフ石垣からシルフとエルフが戻ってくるわ。あなたも彼女たちの報告をここで共有してください。」



セシール・ルヴァン。魔法協会現会長、そして同協会の設立者だ。

世界各国に支部を置くシャルムが総力を上げて進めているプロジェクトがある。

そしてそのプロジェクト遂行に選ばれたのがティターニア、シルフ、エルフの3人だ。

彼女達を指名したのは他でもない、セシールだった。


セシールがプロジェクトに直接関与することはほとんどない。

かなり異例なことなのだ。



「シルフ・ルヴァン、ただいま戻りました。」


「エルフ・ルヴァン、ただいま戻りました。」



シルフとエルフがシュトラフ石垣から帰還した。

通常であれば懲罰合宿はその国内でのソルシエールが担当することになっている。

ではなぜこの二人がアジアの小さな島国へ足を運んだか。

それは、『東山きい』の調査プロジェクトだ。



「報告させていただきます。ソルシエ東山きいを調査しましたところ、やはり異常な魔力が計測されました。

ただし普段の生活では一切異常は見られません。戦闘時においてのみ、0,001秒ではありますが基準値を上回る魔力が放出されていました。」



「で、その数値は?」



「測定不能です。やはり『プルミエール』で間違いないかと。」



「わかりました。一応確認を急ぎましょう。すぐに資料と映像を委員会に提出してください。」




日本国においてここ数年の間、0,001秒以下の異常な魔力が観測されるようになった。

過去300年の間でルイス・プルミエールの事案は何件かあったが、今回のように見え隠れして点滅するように魔力が観測されることは初めてだったのだ。

慎重な捜査を進めていった結果、一人の少女にたどり着いた。

それが『東山きい』だ。


しかしどれだけ調べ上げても彼女にそんな異常な魔力を備えるほどの血筋や実力は無い。

にも関わらず計測された位置情報や時間を照らし合わせると彼女の行動にぴったり一致する。

協会は混乱しかけていた。


ティターニアが続けて報告をする。



「セシール会長、大変申し上げにくいのですが東山を含めた4人の生徒が時間遡行を繰り返しているようです。

おそらく何か関係があるかと。 」



「なんと、、、そうね、関係があるでしょう。最悪の事態を考え精鋭部隊を用意します。

もしそうなればあなたたちを筆頭に動いてもらうわ。 」



「承知しました。」



「では、3人ともくれぐれも気をつけて。」



セシールは気遣いの天才だ。常に周りのことを考えさらには最良の判断ができる。

協会内でセシールに逆らう者は誰一人としていないだろう。

元よりセシールのモットーは『平等』だ。

協会を設立した理由も『世の中を魔法によって平等にすること』が念頭にある。。

それは彼女にとって永遠の目標であり夢だ。



会長室の大きな扉が開き、3人は扉の外へと出た。

が、シルフとエルフを残しティターニアだけが突然室内へと戻った。



「セシール会長!」



セシールは突然戻って来たティターニアに少し驚いたが、優しい顔をしすぐに答えた。



「どうしたのですティターニア。そんなに慌てて。」



「あ、あの、、、なぜ私を、、。私を連れ戻したのはセシール会長の一声だったとミエルから伺いました。

なぜ協会から除名処分になった私を戻してまでこの作戦を実行するのですか?

私の勝手でいなくなったのに、、、。」



そう、ティターニア・ルヴァンは過去に協会から除名処分を受けソルシエールの称号も剥奪されている。

しかもその手続きすら受けなかった不届き者だ。

そんな彼女をミエル学園長を通し、シャルム学園へ招き入れたのがセシールだ。

本来であれば誰が聞いてもありえない話だ。

ティターニアはそれが不思議で仕方なかった。



「ティターニア。まあお聞きなさい。あなたがここに来たのは確かまだ生まれて間もない赤ん坊の時だったわね。

フフフ、可愛いお顔をしながらそれそれはとんでもない魔法を連発するものだから、周りの大人はみんな大変だったわ。」



セシールは『Kyoko Saionji特別育成計画』の当時の話を、楽しそうに話始めた。

一方ティターニアはなぜ今その話を始めるのかよくわからなかったが、

尊敬してやまないセシールの話だ。一言も発さずにじっと耳を傾けていた。



「あなたが2才になった頃だったわね、ようやく会話ができるようになった頃かしら、

あなた私にこう言ったのよ。」



ー あたしおっきくなったらね、お嫁さんになりたい! ー



「それまで私はそんなことを言ってくる子に出会わなかった。

みんながみんな一流の魔女になろうと私の元へやってくる。それぞれの正義を胸に。

だからその時初めて気づいたの。この子はきっと最初から普通の子になりたかったんだろうと。

そして私は心に誓ったわ。いつかこの子がもし普通の生活を求めてここを去る時が来たら、

その時は何も言わずに送り出してあげようと。

ティターニア、あなたの処分を委員会は称号剥奪と除名で帰結しました。

 しかし、私はそれを認めずに処理を保留という形で残しておきました。

その証拠にあなたの除名は公になっていないでしょう?

あなたがいつかここに帰ってくると信じていたからです。

帰って来たらあなたにどうしても言いたかったことがあるの。

今言ってもいいかしら?」



ティターニアは今にもこぼれ落ちそうな涙を目にため、声を震わせ言葉を返す。



「は、はい、、。なんでしょう、、、」



「たとえ魔女でもお嫁さんになって幸せな道を歩めるわ。

あなたを育てたソレイユ・ルヴァンを見てご覧なさい。

彼女は志半ばでいなくなってしまったけれど、あんなに立派な娘を産んで、

母として素晴らしい人生という道を残したわ。

あなたにだってそれはできる。

それにあなた、、いえ、フフフ、、この話はまた今度にしましょう。

お行きなさい、あなたの大切な友達が二人、扉の向こう側で聞き耳を当てて待ってるわ。」



ー バタンッッ ー



「ゎ、、ゎわわぁぁッッ!!」




扉が開かれた瞬間耳を当てて盗み聞きをしていたシルフと、エルフが床に倒れこんだ。



「シルフゥゥゥ!エルフゥゥゥ!!!!ぅゎーんッッッ!!」



一見すっかり大人になった3人。世界3大ソルシエールも、セシールにとってはまだまだ可愛い子供だ。

3人が去った後、セシール既視感に浸っていた。

しばらくしてセシールは椅子から立ち上がり側近を呼び立てた。



「すぐに日本のシャルム学園のミエルをここに呼んでちょうだい。

日本に精鋭部隊を送る手続きを踏みます。大至急よ。

それと、、、」



「それと、なんでしょう?」



「今日の3人が次ここへ来る時は飲み物を4つ用意してちょうだい。」



「4つ、、ですか?」



「ええ、4つよ。」



各国選りすぐりのエリートソルシエールにより結成された17人の精鋭部隊は、この後わずか一ヶ月たらずで日本国秋葉原へと送り込まれることになる。

ルイス・プルミエールを憑依させた洗崎めいの暴走により、宇宙規模の魔力が観測されたためだ。



魔法によって世界を平等にする。

それが可能なのか、不可能なのか、それは誰にもわからない。

しかしその理念を変えることなく300年以上もの時間をかけ魔法協会は世界へ広がった。

これは偏に、魔法によって世界を平等にしたい願いが繋がってゆく仮定と言えるのではないだろうか。


願うことは、叶えることよりも長く果てし無く辛いことだ。

それでも彼女達はその先の未来を、自分たちの歩む道を信じてやまない。



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