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残光の5人 4の後世  作者: リーゼント
残光の光 希望から絶望、絶望からの脱出
3/4

母の教え。からの絶望への檻

少し日本語が変なところがあると思いますが、そこは各自で修正(脳の中で)してください。つまり暖かい目で見てってこと。

固く、冷たい地べたの感触が頬に伝わり、私はゆっくりと目を覚ました。

ひんやりとした感覚が、意識より先に現実を突きつけてくる。


ここな:「……冷た。なにこれ……」


身を起こした瞬間、足先に鈍い痛みが走った。

反射的に視線を落とすと――足に、うっすら赤い筋。なぜか少し血がにじんでいる。


ここな:「……足、なんで……?」


でも、その疑問は次の瞬間に押し流された。

周囲を見回して、はっきりと異変に気づく。


――違う。


ここは、いつもの教室でもなければ、家の自分の部屋でもない。


ここな:「……ここ、どこ?」


声に出した問いは、石の壁に吸い込まれて消えた。返事はない。


周囲を見渡す。

壁も、床も、天井も、すべて無機質な石でできていた。

湿った冷気が肌に貼りつく。どこか鉄みたいな匂いもする。

正面には、錆びた鉄格子の扉がひとつ。重くて、簡単には開きそうにない。


私は反射で鉄格子へ近づき、手をかけた。

引く。びくともしない。

手を離しかけて――気づけば、もう一度、力を込めていた。

今度は押していた。

それでも、開かない。


呼吸が浅くなる。だから、わざとゆっくり吸って、ゆっくり吐いた。

落ち着け。落ち着け。

焦ってるってバレたら、負ける気がする。


さらに視線を巡らせると、壁には不気味な器具がいくつも掛けられていた。


刃物。

鎖。

先端が異様に尖った、用途のわからない道具。

細い針みたいなもの、輪っか状の金属、重そうな鉤――形が違うだけで、全部「痛そう」だった。

どれも使い込まれたみたいにくすんでいて、光を吸う。


専門知識なんてない私でも、はっきりわかる。


(……拷問器具じゃん)


ぞくりと背中が冷える。

ここはどう見ても、拷問部屋だった。


どうして私がこんな場所にいるのか。

考えようとすると、頭の中がぐちゃぐちゃになる。


だから私は、考える順番を変えた。


(今は理由より……どうやって出るか、だよね)


ここな:「……みんな、どこ行ったんだろ」


ふと、口から零れた言葉。


あのとき。

教室で写真を撮ろうとして、光に包まれて――

気づいたら、私はここにいた。


改めて周囲を見回す。

石の壁。鉄格子。無機質な空間。

……やっぱり、いるのは私だけ。

人の姿も、気配も、声もない。


胸の奥が、じわっと重くなる。

みんなも一緒に来ていても、おかしくないはずなのに。


私は「よいしょ」と小さく声を出しながら体を起こし、いつもの癖でスカートのポケットに手を伸ばした。


ここな:「……スマホ」


右のポケット。

左のポケット。

ワイシャツのポケット。

もう一回。

念のため、もう一回。


布の感触ばかりで、見慣れた四角はどこにもない。

汗ばんだ指が空をつかむ。


ここな:「……ないんだけど」


ありえない。

落とした? でも、ここに来る直前まで――私は教室にいたはずで。

足の痛みより、胸の奥がぎゅっとなる。


ここな:「ママに……怒られるやつじゃん……」


思わずため息が出た。

こんな状況なのに、真っ先に浮かぶのがそれなのが自分でも嫌になる。

でも、浮かぶものは浮かぶ。


しょんぼりとその場に座り込んでいると――


カツン、カツン。


硬い音が、規則正しく近づいてくる。

鉄格子の向こう。誰かが歩いている。

さらに、低く荒れた声が聞こえた。


ここな:「……誰か、いる」


心臓が、ドクンと嫌な音を立てる。


間違って入っちゃったって言えば、出してもらえるだろうか。

そんな淡い期待を抱きながら、私はそっと立ち上がり、鉄格子の前へ近づいた。

音を立てないように、息を潜めて耳を澄ませる。


(優しそうだったら助け求めよ。

 無理そうだったら……静かにしよ)


「くそ! あいつ裏切ったのか!

転者を五人連れてきたら“王の体”をやるって言っただろうが!」


ここな:(……無理そう……)


声の張りからして、三十代くらいだろうか。

どう考えても、優しい人ではなさそうだ。


この廊下で怒鳴り散らしている人物を、私は心の中で勝手に――

**どっちゃん(怒鳴ってる人)**と名付けた。


私はもう一度、慎重に聞き耳を立てる。


「召喚ホールの前で待ってるだけでいいって言った癖に!

戻ってきたと思ったら、若い男女が四人だけ!

五人目はどうしたんだよ! ジャンヌはいないし、どうなってんだよ!

やっぱり妖精族なんて信じた俺がバカだったのか……!」


(5人目?写真を撮った時も5人だったし私たちのこと?)


言葉の意味はほとんどわからない。

召喚ホール? 転者? 王の体?

知らない単語ばかりで、頭が追いつかない。


でも――


(四人?)


そこだけは、はっきり引っかかった。

私たちは五人だったはずだ。ひとり、足りない。


――わからないことは、ちゃんと調べなさい。


不意に、ママの声が頭の中に蘇る。

私は一度、大きく息を吸った。

逃げるより、隠れるより、今は――知ることが大事だ。


私は、ママの教えを守るために覚悟を決めた。


ここな:「すいませーん。

ちょっと聞きたいんですけどー」


できるだけ落ち着いた声で。

どちらかといえば、店員さんを呼ぶときみたいなトーンを意識した。


(これで聞こえてなかったら……もうそれは、難聴だよ)


私の声が鉄格子の扉を通り抜け、外へと響いていく。

少し遅れて、それが返ってきた。


やまびこみたい。

思わず――すごっ。


一瞬だけ、現在の状況を忘れてしまい、純粋に楽しんでしまった。


どっちゃん「女性の声? 囚人? いや、地下牢に女性はいないよな……拷問で死んだ幽霊か?」


どっちゃんが、独り言に近い大きさで喋っているのが聞こえる。

地下牢に女性はいない?なら――「本当に間違えて入っちゃいましたー!」で誤魔化せそう。


カツン。

靴底が石を叩く音。ゆっくり、こちらに近づいてくる。


カツン……

……カツン……


足音は、確実にこの部屋へ向かっていた。


やがて、どっちゃんが壁に手を置き、ひょっこりとこの部屋を覗く。

鉄格子の扉を挟む形で、私たちは初めて対面した。


どっちゃんの見た目は――

ぼさぼさの髪。

いかにも研究してそうな白衣。

丸眼鏡に、少し悪そうな目つき。

顎が長く、体は細い。


……正直、あとは何とも言えない。


私を見た瞬間、どっちゃんは明らかに動揺した。

美少女を見たからか、しおんみたいな早口で一気に質問してくる。


どっちゃん「なぜ君がここにいる? 召喚ホールの前に放置したはずだが……」


ここな「あのー……ここから出してほしいんですけど……」


どっちゃん「自分でここまで歩いてきたのか? いや、そうだとしても、こんなところ自分から来る理由が……」


(だめだ。完全に自分の世界に入っちゃってて私の話なんか聞いちゃいない)


――――金を攻撃しなさい。


突然、ママの声が脳裏に響いた。

確かに、しおんがテンション上がっておかしくなったときも、金を蹴ったら静かになってた。

理由は分からないけど実績はある!

――――よし!


私はまたしても母の教えを守る覚悟を決め、足に力を入れた。


えい!!


鉄格子の隙間から足を伸ばし、どっちゃんの金に向かって、できる限り思いっきり振り上げる。


どっちゃん「あうっ!!!!」


マイケル・ジャクソンみたいな声が地下牢に響き渡った。

それにしても、やたらいい声で鳴いたと思う。

恐らく「金的叫び大会」なんてものがあれば、間違いなく優勝候補だろう。


どっちゃんはその場に崩れ落ち、玉を大事そうに抱えて地面に転がっている。


ここな「あのーーー、ここから出してもらえませんか?」


…………。


だめだ。まったく聞いちゃいない。

仕方ない。しばらく待つことにした。


―――――

三分後。


どっちゃん「すまない。恥ずかしいところを見せたね」


さっきまでの無残な姿は消え、今は鉄格子の前で腕を組み、こちらを見ている。


どっちゃん「いきなりで申し訳ないが、どうしてこの部屋に入った?」


真剣な顔で問いかけてくる。


ここな「目が覚めたら、ここにいました」


どっちゃん「……目が覚めたら?」


不思議そうに頭をかく。


ここな「さっき独り言なのかわからないんですけど、召喚ホール? で、四人がどうとか言ってた気がして……」


どっちゃん「ああ、聞こえていたか。だが、その質問より先に、私の質問に答えてもらう」


(さっき答えたんだけどな……)


どっちゃん「君たちは、研究所の部屋で眠っていた。君は、私たちが召喚した“転者”だ」


研究所の部屋で……寝ていた?


どっちゃん「召喚の際、魔力適応のために気絶していたはずだったが……」


また知らない言葉。

魔力適応? ファンタジーすぎない?


ここな「じゃあ、なんで私は研究所にいたはずなのに、こんなところにいるんですか?」


どっちゃん「……ふむ。この部屋は、ガンマの許可がなければ入れないはず……まさか……!」


どっちゃんは顔色を変え、どこかへ走り去った。


(……足遅いな)


どっちゃん、手足バラバラに走ってて統一感がない。

足が遅いってバカにしてるわけじゃないけどさすがにアレは遅いと思う。

私の50m走のタイムは7.6秒ぐらい。女子の中では速い方かな?

でもあれは今から軽く走っても全然余裕で追いつくぐらい遅い。

それにしても、どうして私捕まってるんだろ。

本当なら今ごろ、みんなとカラオケ行って「今日までお疲れサマー会」とかしてたはずなのに。


みんな……大丈夫かな。


―――――

数十分後。


どっ、どっ。

また歩いてくる音――

それと、石の上をなにやら布が引きずられていく、嫌な音。

ぞり、ぞり、と湿った気配を伴って近づいてくる。


ここな:「どっちゃん……?」


私は鉄格子の前へ近づき、正体を確かめようとする。


―――――その選択は、間違っていた。


「おっ? 目、覚めちゃったか~~~」


陽気な声が響き、声の主の姿が目の前に広がるのと同時に全身の血の気が引いた。


鉄格子の向こうに立っていたのは、どっちゃんではない、別の存在。

身長は二メートルほど。デカイ。

全身が血で汚れた鎧。

兜で顔は見えない。


鎧に包まれたその姿を見た瞬間、私の頭に浮かんだ言葉は、


(……ヨロイ)


名前なんて知らない。けど、今の私にはそれしか呼びようがなかった。


そして、私が本当に凍りついた理由は――


ヨロイの足元に、引きずられてきた“赤い布”があったからだ。

赤い布の端が、床を擦って音を立てていた。

その正体が何か、考えるまでもない。


――赤い布――――いや、どっちゃんが布みたく引きずられていた。

あの赤いのはどっちゃんの血、、だよね。

今の状況からしてそれが一番納得できる。


顔色の悪いどっちゃんが、ヨロイに掴まれて床を滑ってくる。

口が、金魚が餌を食べるときみたいに、くぱくぱ動いている。


ヨロイ「ああ、これ怖いよね? ごめんごめん」


そう言いながら、どっちゃんを後ろの壁に勢いよく叩きつけた。


ここな:「ひえっ!」


思わず悲鳴が出た。


生きているか確認しようとするが、ヨロイの巨体に隠れて見えない。


ヨロイは鎧の中に手を突っ込み、鍵を取り出した。


カチャ。


鉄格子が開く。

ヨロイは、私のいる部屋に入ってきた。


ヨロイ「せっかくで悪いんだけどさ、部屋の真ん中に椅子あるでしょ? そこに座ってほしいんだ。お願い!」


手を合わせて、お願いポーズ。

陽気な声に反してヨロイからの視線が冷たく、そのギャップに私は吐き気がした。

冷たい視線、多分私のことをただの獲物だと思っているようなそんな視線を感じる。


……座らないと殺される。

でも、この椅子に座ったら、絶対後悔する。そんな予感しかしない。


そのとき――


どっちゃん「……逃げろ……扉が開いてる今のうちに……君の友達は、階段を上った右の部屋にいる……げぼっ……連れて……逃げろ……」


どっちゃんは少し喋ったのち、また地面へと頭から倒れてしまった。

どっちゃん!!

生きてたんだ!!


一瞬、希望が湧いた。


――けど。


瞬きをした、その刹那。

鎧の手が、目の前にあった。


ここな:「いたっ!」


ヨロイ「困るんだよね~~、そういうこと言われると。まあ君は後でいいや」


困ったような口調とは裏腹に、

親指が私の後頭部に、

小指が喉元に食い込む。


まるで段ボールを持つように軽々と、持ち上げられた。


息が、できない。

肺が潰されるみたいで、視界が白くなる。

頭が、内側から砕けそうだった。


ここな:「……やめ……」


声にならない言葉が漏れる。

喉が締めつけられ、空気が通らない。


痛い。

苦しい。

助けて。


次の瞬間、私は乱暴に椅子へ放り投げられた。


背中と腰に、鈍い衝撃。

肺から残っていた空気が一気に吐き出される。


それでも――呼吸は戻らなかった。


「……たす……け……」


出したつもりの声は、音にならない。

喉は潰れ、ただ空気が漏れるだけだった。


ヨロイは私に背を向け、壁に掛けられた拷問器具へ手を伸ばす。

指先で器具を撫でるたび、金属が小さく鳴る。

その音が、時間の針みたいに耳へ刺さった。


ヨロイは、まだ迷っている。

器具を持ち上げては戻し、戻しては別のものに触れる。

金属が鳴る。鳴る。鳴る。


(……お願い、今だけ。本当に今だけ、動いて)


喉の奥で、息だけが震えた。

体が言うことをきかない。足の傷がじんじん熱い。視界が揺れる。


ヨロイ「決めた。これにしよう」


終わりが、死への片道切符が言葉になって胸へ落ちる。


ヨロイがこっちに向かって歩いてくるのが音だけでわかる。


ドスン、ドスン。


大きな足音を鳴らし、こちらに歩いてくる。


――来る。

私は、動かないなりに背中を椅子に押しつけ、ただ耐える準備をした。


だが――


ヨロイ「あ、これ前使ったし違うやつにしよ~~と」


そう言って、ヨロイはまた背を向けた。


助かった、、、でも数秒生きる時間が増えただけ。


力を振り絞りヨロイの方に目を向ける。

ヨロイは器具を元に戻し、別のものをいじりはじめた。

金属音が、耳に残る。


……今だ。


(……今しか、ない)


なにも行動に移さなければあと数秒の命。でも動けば、行動すれば数分に増えるかもしれない。


頭では分かっている。今動かないと死ぬ。だが体は重い。

喉が焼けるように痛い。頭がぐらぐらする。

指先も足先も、自分のものじゃないみたいだった。


まるで――身体だけが、この部屋に縫い付けられているみたいだった。


動けない。

逃げられない。


さっき見た、どっちゃんの姿がよぎる。

叩きつけられる音。

――次は、私だ。


それでも。

ここで動かなかったら、次はもっと痛い。


私は歯を食いしばり、椅子から転げ落ちるように立ち上がった。


足がもつれ、肩が壁にぶつかる。

石の冷たさが、背中に刺さるみたいに痛い。

声は出せない。出したら気づかれる。


鉄格子のほうへ、じりじり近づく。

扉は――開いている。


開いてるのに、遠い。


二メートル。

たったそれだけなのに、やけに長く感じる。


一歩。

足を出したつもりが、床を擦っただけだった。

もう一歩。膝が崩れそうになるのを、必死にこらえる。

息が喉に引っかかって、うまく吸えない。吸うたびに喉に痛みが走る。


それでも、前へ。着実と前へ進んでいると思う。


あと少し。あと少しで鉄格子の扉に手が届く――


――けれど。


ヨロイ「……気づいてたよ?」


背後から、声。

その時に理解した。

ああ。遊ばれてただけなんだ。

心臓が止まった。


終わった。


振り向かなくても分かる。

重たい気配が近づいてくる。


どすん。

どすん。


床が揺れるたび、私の中の希望が削れていく。


(……もう、だめだ)


ヨロイの脚が止まった。

逃げられない。間に合わない。


私は、ぎゅっと目を閉じた。


次に来る痛みを想像して、

歯を噛みしめて、

ただ耐える準備をする。


―――――


……あったかい。


喉元と、後頭部。

さっきまでの苦しさとは違う、じんわりした熱。


……血かな?


でも――呼吸が、できる。

息が、入る。さっきまでの痛みが嘘みたいに、体がものすごく軽い。


恐る恐る、目を開けた。心の中では死の世界を少しだけ覚悟していた。


だが、その覚悟はいらなかった。


私の喉元が、淡い緑色に光っていた。


視線を上げる。


鉄格子の前に立っていたのは――

左足を引きずりながら立つ、どっちゃんだった。

どっちゃんの頭からはさっき頭から倒れたせいか血が垂れている


どっちゃんは右腕をこちらに伸ばし、手のひらを広げている。

手のひらからは緑色の光が溢れている。


……これ。

この温かさ。


どういう原理かはわからない。でも、


(……どっちゃんのおかげだ、、多分)


今なら――体が、動く。

今しか、ない。


私は全力で走り出した。


ヨロイ「めんどくさいな~~……ん? 体が動かない?」


背後で、苛立った声。


鉄格子を抜け、どっちゃんの横を走り過ぎる。

少し走ったあと、振り向こうとした、その瞬間――


どっちゃん「後ろを見るな!!」


必死な声。


どっちゃん「俺が命を懸けて、お前を逃がす!!

こっからずっと真っ直ぐに走れば階段がある!!

階段を上ると立ち入り禁止って書いてある部屋がある! そこに友人がいるはずだ!

友人を助けろ!! それが――俺たちの残りの希望だ!!」


私は、思わず足を止めてしまった。

ごめんどっちゃん。私は振り返り、どっちゃんのほうを見る。その視界に、ヨロイも入った。


ヨロイも緑の光に包まれていた。

けれど、私みたいに傷が癒えているわけじゃない。

何かに拘束されているみたいに、動けない様子だった。


ここな:「ど、どっちゃんは!? 一緒に逃げないの!?」


どっちゃんは、答えなかった。

少し間が開いてどっちゃんがこっちを見る。

苦しそうに笑って、一言だけ。


どっちゃん「……残された光、早く行け…」


意味は、分からなかった。

でも、その目には――さっきまでの絶望じゃなく、確かに希望があった。


私は唇を噛みしめ、その想いごと背負って、走り出した。


地下牢の廊下では、

私の走る足音と、

耳を塞ぎたくなるような音が、

この場を支配していた。


今回は少し長くなってしまいました。次はできる限り短くできるように頑張ります。

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