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覗き穴ダンジョン~自宅警備員の俺の部屋の壁にダンジョンの深淵を覗ける穴が空いた件  作者: 御手々ぽんた


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第13話 深淵の祝福をもらいました

「深淵の、祝福」


 俺が、左目に映る文字を読み上げたのがトリガーだったのだろう。

 左目に表示されている文字が書き変わる。


『深淵の祝福の効果により、レベル表示が解禁されます』


 その書き変わった文字がそこで止まる。


「……え、それだけ?」


 もっと劇的な何かが起きるかもと、実はちょっとだけ期待していたのだ。少しまってみるが、それ以上、表示されている文字に変化はない。


 やはり、それだけのようだ。ただ、その文字の一部が再び点滅している。

 まるでそこを読めと言われているようだった。


 俺は鑑定スキルに言わされている感を強く覚えながらも、しぶしぶ、それを口にする。


「……レベル表示」


 予想通り、それが正解だったのだろう。

 文字列がづらづらと表示されていく。


『・スキル

 覗き魔の眼球(デバガメゴヨウタツ)レベル0 11/20

 ・称号

 深淵を覗きし者

 ・祝福

 深淵の祝福レベル1 0/20』


 どこか見慣れた表示に、レベルとやらが追記されていた。


 俺はそれを眺めながら独り言を呟く。


「称号は、そのままなんだ……スキルの二十分の十一ってのは経験値的な何かで、きっとこれも二十まで貯まるとレベルが上がるんだろうけど……」


 貯まっている十一という数字が少し気になる。なんとなく、深淵の果実を食べたことによる影響がありそうな数字だった。


 そんな自分の手のひらを眺めて独り言を呟く俺のことを、アビちゃんがどこか嬉しそうに跳ねながら、見ている。


 どうやら俺が元気になったと思っているようだ。


 確かに、深淵の果実を食べたことによって心身は軽くなっている。

 そして新しく現れたレベルのことを夢中で考えているうちに、面接のことはすっかり忘れていた。


 気分はだいぶ上向いているという自覚はあった。


「これも、アビちゃんのおかげだね。ありがとうね」


 俺のお礼に、ほよんと一度跳ねるアビちゃん。


「よし、面接のことはもう忘れた。せっかくだから、この経験値的なものがどうやって増えるか検証していこうか!」


 それが良いとばかりにアビちゃんも跳ねて賛成してくれるのだった。


 ◆◇


「……ふーむ。だいたい平均して七時間で一ポイントって感じか。……深淵の果実を食べたことによる変化は今のところ一日一回、コンマ五ポイント、と。こっちはクールタイム的なことがありそうだな」


 俺の自宅警備員としての有り余る時間を使ってみた結果をまとめたノートを見返していく。

 覗き魔の眼球スキルを使用して深淵を覗いていると経験値的なものが七時間ぐらいで一ポイント加算されるようだ。


 たぶん、覗き魔の眼球スキルに内包されているらしいスキル邪眼耐性で、深淵の侵食を軽減して、その経験値がそれぐらいなのだろう。


 ぶっちゃけ、あまり効率が良いとは言えなかった。


 今の自身の状態はこんな感じだ。


『・スキル

 覗き魔の眼球(デバガメゴヨウタツ)レベル0 17/20

 ・称号

 深淵を覗きし者

 ・祝福

 深淵の祝福レベル1 3/20』


 お土産の深淵の果実を三個食べて、深淵の祝福は三になったが、クールタイム的な何かに引っ掛かったのか、覗き魔の眼球に反映されたのは合計二個分の一ポイントだけだった。


「もう少し、スキルのレベル上げの効率化を目指したいけどな……」


 何もない深淵を覗くだけなのは、あまり効率は良くないなと独り言を呟く俺。

 その視線は自然と部屋の角に張り付くアビちゃんへと向かう。


「効率化、効率化──あ、あれがあったか!」


 そうやって俺はアビちゃんを眺めていてひらめく。

 覗き魔の眼球スキルに内包される別のスキル──スキル粗探しの存在。アビちゃんと出会うこととなった経緯を思い出したのだった。








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