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噂話

 とある街の小学校では、ある噂話が広がっていた。

 夕闇の交差点で、爪の長い大人が有り得ない速度で迫ってくると言うのだ。しかも、男か女か分からないらしい。

どこに逃げ込めばいいのかというと、近くに本屋があるからそこに行けばいいらしい。そうすれば、爪の長い大人は何故か入って来られないらしい。

 でも、本屋に入らないと、爪の長い男に捕まって、どこかに連れ去られてしまうらしい。場所は誰も知らないらしい。

 生きては帰ってこれるらしい。全身引っ掻き傷だらけで、血まみれらしい。

その子が泣いているところを近所の人が保護したらしい。

 何でも、爪の長い大人に、「本はどこだ」「何故、入らなかった」「悪い子だ」と言われてしまったらしい。そして、そのまま、引っ掻き続けられるらしい。

 このようなことがあってから、その子の学校では不審者に近寄らないように教わったらしい。二度と繰り返されないためらしい。


 私の言っていることが本当か嘘か確かめてほしい。真実なのかどうかを。

 観測者によって語らされているのかもしれないからだ。もしかしたら、観測者のほうが爪の長い大人のふりをして、子供たちを引っ掻き傷だらけにしているのかもしれない。

 どうか、私の言っていることが本当かどうか、嘘なのかどうか、調べ、確かめてほしい。

その観測者が私なのか、それとも別の存在なのかを。この噂話に真実の光を照らしてくれーー。


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