前へ目次 次へ PR 72/100 悪しき願いの夢 それは近づいていた。遠くからずっと。彼の地を手中に収めようと。 繁栄することが約束された生活。水を潤沢に使えるという贅沢。 湯船に浸かり疲れが取れるというのは、彼にとっては最高の贅沢そのものだった。 明日が来ることが約束されているのも同じ。死の匂いに警戒しなくて済むのだ。しかも、永遠に。 彼の地を支配できれば、その夢が叶う。過去から抱いていた願いが実現するのだ。 その時が待ち遠しくてたまらない。反逆者となることを恐れはしない。むしろ、望むところだーー。