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時計2


 私は時計だ。今の時間を画面に映すデジタル時計だ。

 アナログ時計のように針はない。チクタクと音を鳴らすことはない。

 ただただ静かに。音も無く。時間を表示する。それだけの存在である。

 百円均一で買われた安物の時計。どこにでもある物。それが私である。

 私の主人は変わっている。私が表示する時刻を見て呟く。

「○○までに終わらせる」

「○○までに入る」等々。

 自分からタイムアタックしている。そのために私を用いている。

 私の表示する時刻は他の時計より30秒近く遅れている。

 だというのに、私の主人は時刻を直そうとしない。遅れたままでいるようにしている。

 ただ単に放置しているのか。それとも何らかの意図があるのか。

 ただの時計である私には分からない。分かる由もないことだろう。

 ゆえにこそ私は、変わることなく時刻を表示していく。私はそのために存在し、用いられているのだからー-。


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